テキスト主体

懐中電灯と双眼鏡と写真機を
テキスト主体で語ろうとする
(当然、その他についても、語ったりする)

低倍率双眼鏡 2機

2014-03-07 23:15:15 | 双眼鏡 望遠鏡
個人的に、お散歩の連れ用双眼鏡はシチュエーションに別けて、いくつか決めているのです。
観望主体のお散歩の時は、見え味の爽快なもの、勝間光学のHM6.3×40SK-DやWP6×30SB-Dなど。昆虫や草花など生物観察も想定すれば、パピリオ君。知らぬ間に、上着のポケットやウエストバッグに入っているツァイスのポケットという具合です。
で、昨日の雪の降りざまの観望をきっかけにNikon 遊と、新参のMIZALの超広角機を、お散歩の連れローテーションに加えるかどうか、検討してみました。

遊は4倍、SW-525は5倍と、通常の双眼鏡よりも低めの倍率の両機は、それぞれ、開発された目的が違います。遊はもともとは観劇を中心にしたオペラグラス的用途、SW-525は、広い見掛け視界の確保を目的としています。実視野10°の遊に対し、SW-525は15.5°(後継のSW-550は15.8°)とその差異は歴然ですが、両機を覗き較べてみて、数値ほどの視野の差は感じません。ただ、見掛け視界の差異は歴然とあって、おそらくはその差異により、倍率がもっと違うように感じられます。
明るさでは流石に遊が不利です。しかし、コントラストが高いので、暗さがさほどマイナスには感じません。また中心部のシャープさは、SW-525よりずっと好印象で、遠くの鉄塔などの構造が良く見て取れるのは遊の方です。周辺視野のボケ方は遊、SW-525とも、それなりにあります。視界の広さから云うと、SW-525のほうが優秀なのですが、像面の湾曲のきつさが、ボケを強調するような感じで、印象はさほど変わりません。遊は倍率の低さとそこそこの見掛け視界のおかげで、辺縁部でも避雷針の湾曲など、ほぼ気にならない程度です。
総じて、シチュエーション別に判定するなら、例えば美術館で絵画を見るなら遊、彫刻(人物像など)を見るならSW-525でしょう。また観劇で、役者の表情と衣装を楽しむなら遊、舞台上の踊りや動きを楽しむならSW-525でしょう。
もちろん、倍率はともかく、筐体の大きさには圧倒的な差のある両機です。単純に見え具合だけを比較しても、意味がないかもしれません。私の感覚では、遊は、優秀だけど、アイポイントの決まりにくさ故に、他のお散歩双眼鏡と較べて、ちょっと使いにくい印象なのですが、ポケットの殆ど無い服装でも気軽に身につけられるその可搬性と、小ささ薄さからは想像できない見え味を改めて感じた次第です。
4倍の双眼鏡。そんなのちっとも大きく見えないじゃん、と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、例えば、離れたところにいる、風体や雰囲気はわかる人物、そんな対象に対して、人相どころか、表情や感情まで見て取れる能力が、この遊にはあります。
重量当たり単価の非常に高い製品ですが、日本ではナイコンブランドの評価された諸外国よりはずっと安いですし、コンパクトさのなかにメイドインジャパンの粋が詰まった双眼鏡です。

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