廃墟霊の記憶 (角川ホラー文庫) | |
板橋 雅弘 | |
角川書店 |
僕は、電車に乗るのが嫌いで、どこに行くのも車で行く。
電車は色々と怖いし、新しい発見と言うのが少ない。
車は、自分次第で発見があるし、面白い看板等も時々みつける。
電車では新装開店したラーメン屋さんを発見するのは難しい。
自分の知っている道を離れて、初めての道路にアクセルを踏み込むと、たまに出逢う『廃墟』に心が惹かれる。
県境の峠道、細長い入口の昔はお土産物でも売っていたような、優しい空き家から
ドアを開けたら異世界の空気が、遂に来たか!ここぞとばかりに流れ出してきそうな廃墟。
もしくは、ドアさえない、時間に任せるまま朽ちるだけの鉄筋。
昆虫だけは住んでいる木のニオイ。
廃墟、と言えばなんか怖いイメージしかないけれど、そんな廃墟でも、夏場に行くとヒンヤリしていて気持ちがいい。
たいがいの廃墟は、森の中
道路に面していても、灰色がどうしたって涼しくさせる
そこに生活を置いていた人たちの事を考える。
勝手に想像して、楽しくなったり、可愛そうな気持になったり。
願っていたのがバレた様に「いわく」なんてモノが付いていたら、知っている人とお酒を飲んで、昔話に時間を使うのもいい。
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