一昨日、手品を教わりに行ったんです。
その先生は日本で一番巧い人。
教え方も本当に上手い。
先生は、とにかく手の動きが職人の様で、ミリの世界で動く。
分かっていても見えないから本当に凄い。
今まで俺は、そういう難しい事をする時には、お客さんの『隙』を作ったりして済ませていた。
それに勝手に『隙』を作ってくれる人達ばかりが相手だったので、「なんとなく出来ちゃっていた」
それが問題だ。
だから自分で「多分、俺、どこか間違ってるよなぁ・・・」って気付けたのは幸いだ。
それがキッカケで、「ちゃんと教わろう!」と思った。
ちゃんとした人に、ちゃんと習うと、自分の頑固な考え方も真夏のチョコレートの様に溶ける。
でも、真似しようと思って真似できるレベルではないし、偉そうに悟った様な事を言うつもりではないけど、「全部、真似したってしょうがない」訳で・・・。
俺が学びたいのは「日本一巧い人はどんな事を考えているんだろう?」って事。
技法についての話しは勿論参考になるけど、そのレクチャーの時間内で出来るようになる技法なんて無い!(笑)
これこそまさに「手品なめんなよ」なのだ。
技法については、ちゃんと習った通り覚えて帰ってから練習しまくるしかない。
でも、考え方は直ぐ浸透出来るはずだ、もちろんそれが観客に届くまでには途方の無い時間がかかるかもしれないけど、「心意気」として立つ事は出来るはず。
で、そんな雑談から感じる事は、先生は本当に「手品道」とも言える様な考え方の持ち主だと思う。
マジックはエンターテイメントだし、仕事にするなら、絶対に観客がいないといけないんだけど、そういうのは度外視した「自分の手との対話」さえ感じてしまう。
「手の指」と言うものは、意外と自分の言う事を聞いてくれない。
普段、何も考えずに動かす指は意識せずとも完璧に動いてくれるけど、こんなに自分の意志と反した動きをするのか?!と、トランプをいじっていると思う。
動くんじゃない!と力を入れても、違う指に引っ張られる指。
まず、これは脱力しないと始まらないんだけど、これからバレない様に動かす指に力を入れるな!と言う方が無理なのだ。(笑)
これを面白いと感じられるかが、手品道を行く者なのかもしれない・・・。
俺も手品道を進んでみたい
恥ずかしい話し、まだ好奇心の一環だけど、自分の10本の指を信じるしかない。