目の前で、結構激しめな交通事故を目撃した。
深夜二時頃。
宇都宮から東京に帰る見慣れない道路で。
道路は暗い、特にコンビニなどがあるわけでもなく、光は月だけと想像してもらっていい。
対向車線からこちらに向かってくるワゴン車は、少し先で急に右に曲がり、そこにあった大きな駐車スペースで旋回して、Uターンしたかったのだと思う。
僕の少し前には同じ方向に進む軽自動車、70メートル位前方。
グルリと回って、駐車スペースから出てくるワゴン車にドンドン近付く軽自動車。
え?これ、ぶつかるぶつかる!ぶつかるよー!!と思った時には既に遅し。
バギーン!!!!!と言う、まるで、映画版トランスフォーマーでしか聞かれないような、ドデカイ金属音が僕の車内まで飛んできた。
勿論、僕はブレーキを思い切り踏んで、回避。
全ての荷物が前の席に吹っ飛んでしまった。
僕が見ていた限り、どちらもブレーキは踏んでいなかった、時速60km位でぶつかった軽自動車は、煙を出しながらも時間が止まっている。
まるで子供がミニカーを部屋に投げ捨てた様に転がったワゴン車も同様、ゴロリとして動かない。
え?なにこれ?と僕は少しだけパニック、10メートル前位で、もしかしたら人が死んでいるかもしれない・・・。
煙を出している車に恐怖を感じて、バックした。
もしかしたら、爆発するかも知れない。
そして、車から降りて近づこうとすると、軽自動車の運転席から、洋服の雰囲気からするに25歳前後の男が出てきた。
彼はワゴン車に向かって行く。
助手席からは、同じくらいの女性。
恋人だと思って間違いないと思う。
女性は、一度、彼の後ろを追いそうになるが、自分の車に戻り、携帯電話を片手に出てきた。
多分、救急車か警察に電話しているのだろう。
こんな時、Twitterに『彼氏の車で事故なうwワゴン車が目の前で横転ワロタwぁたしのエアバック爆発wwwwww』とはツイートしないはず。
とりあえず、軽自動車の二人は生きているっぽいので安心。
今度は、ワゴン車の方だ。
道路と言えば、車が通れる幅はあったけど、一応、もし、本当にワゴン車の人が死んでいるのだとしたら、僕は目撃者になっているので、『少し、ここにいた方がいいかな』と思った。
でも、そんな心配も虚しく、ワゴン車からは「いててててて・・・・」みたいな感じで、上になった助手席のドアから運転手が出てきた。
そちらの方も、同年代。
ちょっとHIPHOP系の恰好をした人。
三人のやり取りを見ていると、どちらの車内にも人が残されている様な感じではない。
道路から少し離れた民家の灯りがついた、今の音からしたら、飛び起きても仕方ない。
ゾロリとおじいちゃんが出てきた。
大きな駐車スペースにあった、プレハブ小屋みたいな所からも、作業着のオジサンが出てきた。
多分、ここまで事故発生から7分位かと思う。
僕も、降りて行って『大丈夫ですか?』と聞こうとしたけど・・・・・・
よく考えてみたら、余計なお世話だと思う。
僕なら、そう感じる。
事故ってしまってパニックになっている人に『大丈夫ですか?』とは、バカにしている様ではないか?
大丈夫な訳がない。
『大丈夫じゃないですよね?』と言うのも、オカシナ話し。
僕に出来る事、それは一切ない。
出来る事と言えば【野次馬にならない事】だと思った。
ゾロリと出てきたおじいちゃんは、どこかに電話している。
作業着のオジサンは、三人に話しかけて、まだ動きそうな軽自動車を動かすように指示を出している様子。
これは【見なかった事にしよう】、僕はそう判断した。
世の中は、自分が見えている世界だけで構築されている訳ではない。
僕が無駄に、救急車を呼ぼうとしても、「三人の誰が、ドコを、どんな風に怪我しているかも判らない」
『なんか分からないんですけど、目の前で事故が起きてまして、その事故の人が電話してきていますか?』と電話して確認するのもオカシイ。
僕は、何事もなかった様に、自分の車の中で飛び散った荷物を戻して、ゆっくりと横目に通り過ぎて行った。
15分位車を走らせていると、少し街っぽくなってきた。
その横道から、救急車の音が聞こえる、事故が起きた方向と真逆に向かっているので、もちろん別件だ。
もし、僕があの時に『無駄な通報をしていたら』・・・。
この人の対応が遅れていたかも知れない。
どんな人かは分からないけど、僕は勝手にお婆ちゃんを想像した。
いきなり倒れたお婆ちゃん。
家族が通報、命の時間は、誰も分からない。
急げ!救急車!!
お婆ちゃんを助けてあげてくれ!!
そんな事を思いながら、同時にさっきの交通事故の事も考えている。
どう考えても、暗いとはいえ、あんな見通しのいい道路で事故るのはオカシイ。
ワゴン車の男は、危険ドラッグでもやっていたんじゃないか???
軽自動車の恋人は、前を見ないでイチャイチャしながら運転していたんじゃないか???
僕の反応が少し遅かったり、もう15メートル距離を詰めていたら、僕も追突していた。
思い出すとイライラする。
そんな疲れた僕を知る由もない「救急車に乗ったお婆ちゃんが大切に育てた息子の嫁」は、お婆ちゃんにかけた多額の保険金の事を考えている。
深夜二時頃。
宇都宮から東京に帰る見慣れない道路で。
道路は暗い、特にコンビニなどがあるわけでもなく、光は月だけと想像してもらっていい。
対向車線からこちらに向かってくるワゴン車は、少し先で急に右に曲がり、そこにあった大きな駐車スペースで旋回して、Uターンしたかったのだと思う。
僕の少し前には同じ方向に進む軽自動車、70メートル位前方。
グルリと回って、駐車スペースから出てくるワゴン車にドンドン近付く軽自動車。
え?これ、ぶつかるぶつかる!ぶつかるよー!!と思った時には既に遅し。
バギーン!!!!!と言う、まるで、映画版トランスフォーマーでしか聞かれないような、ドデカイ金属音が僕の車内まで飛んできた。
勿論、僕はブレーキを思い切り踏んで、回避。
全ての荷物が前の席に吹っ飛んでしまった。
僕が見ていた限り、どちらもブレーキは踏んでいなかった、時速60km位でぶつかった軽自動車は、煙を出しながらも時間が止まっている。
まるで子供がミニカーを部屋に投げ捨てた様に転がったワゴン車も同様、ゴロリとして動かない。
え?なにこれ?と僕は少しだけパニック、10メートル前位で、もしかしたら人が死んでいるかもしれない・・・。
煙を出している車に恐怖を感じて、バックした。
もしかしたら、爆発するかも知れない。
そして、車から降りて近づこうとすると、軽自動車の運転席から、洋服の雰囲気からするに25歳前後の男が出てきた。
彼はワゴン車に向かって行く。
助手席からは、同じくらいの女性。
恋人だと思って間違いないと思う。
女性は、一度、彼の後ろを追いそうになるが、自分の車に戻り、携帯電話を片手に出てきた。
多分、救急車か警察に電話しているのだろう。
こんな時、Twitterに『彼氏の車で事故なうwワゴン車が目の前で横転ワロタwぁたしのエアバック爆発wwwwww』とはツイートしないはず。
とりあえず、軽自動車の二人は生きているっぽいので安心。
今度は、ワゴン車の方だ。
道路と言えば、車が通れる幅はあったけど、一応、もし、本当にワゴン車の人が死んでいるのだとしたら、僕は目撃者になっているので、『少し、ここにいた方がいいかな』と思った。
でも、そんな心配も虚しく、ワゴン車からは「いててててて・・・・」みたいな感じで、上になった助手席のドアから運転手が出てきた。
そちらの方も、同年代。
ちょっとHIPHOP系の恰好をした人。
三人のやり取りを見ていると、どちらの車内にも人が残されている様な感じではない。
道路から少し離れた民家の灯りがついた、今の音からしたら、飛び起きても仕方ない。
ゾロリとおじいちゃんが出てきた。
大きな駐車スペースにあった、プレハブ小屋みたいな所からも、作業着のオジサンが出てきた。
多分、ここまで事故発生から7分位かと思う。
僕も、降りて行って『大丈夫ですか?』と聞こうとしたけど・・・・・・
よく考えてみたら、余計なお世話だと思う。
僕なら、そう感じる。
事故ってしまってパニックになっている人に『大丈夫ですか?』とは、バカにしている様ではないか?
大丈夫な訳がない。
『大丈夫じゃないですよね?』と言うのも、オカシナ話し。
僕に出来る事、それは一切ない。
出来る事と言えば【野次馬にならない事】だと思った。
ゾロリと出てきたおじいちゃんは、どこかに電話している。
作業着のオジサンは、三人に話しかけて、まだ動きそうな軽自動車を動かすように指示を出している様子。
これは【見なかった事にしよう】、僕はそう判断した。
世の中は、自分が見えている世界だけで構築されている訳ではない。
僕が無駄に、救急車を呼ぼうとしても、「三人の誰が、ドコを、どんな風に怪我しているかも判らない」
『なんか分からないんですけど、目の前で事故が起きてまして、その事故の人が電話してきていますか?』と電話して確認するのもオカシイ。
僕は、何事もなかった様に、自分の車の中で飛び散った荷物を戻して、ゆっくりと横目に通り過ぎて行った。
15分位車を走らせていると、少し街っぽくなってきた。
その横道から、救急車の音が聞こえる、事故が起きた方向と真逆に向かっているので、もちろん別件だ。
もし、僕があの時に『無駄な通報をしていたら』・・・。
この人の対応が遅れていたかも知れない。
どんな人かは分からないけど、僕は勝手にお婆ちゃんを想像した。
いきなり倒れたお婆ちゃん。
家族が通報、命の時間は、誰も分からない。
急げ!救急車!!
お婆ちゃんを助けてあげてくれ!!
そんな事を思いながら、同時にさっきの交通事故の事も考えている。
どう考えても、暗いとはいえ、あんな見通しのいい道路で事故るのはオカシイ。
ワゴン車の男は、危険ドラッグでもやっていたんじゃないか???
軽自動車の恋人は、前を見ないでイチャイチャしながら運転していたんじゃないか???
僕の反応が少し遅かったり、もう15メートル距離を詰めていたら、僕も追突していた。
思い出すとイライラする。
そんな疲れた僕を知る由もない「救急車に乗ったお婆ちゃんが大切に育てた息子の嫁」は、お婆ちゃんにかけた多額の保険金の事を考えている。