日本人としてのアレ。

通りすがりで会ったなら、その出会いを大切にしたい

『零れた赤ワイン』

2013-01-20 | オカルト
この話しを聞かせてくれた女の子の本名は知らない。
源氏名で、「れなちゃん」と言う。

察しの通り、風俗嬢だ。

風俗嬢に対して、偏見のある方でも、それは別として、この話しを聞いてもらえたらと思う。


れなちゃんの家族構成が出来あがるにあたっての経緯を説明された時に、もう一度、聞き直したくなる様なものだった。

簡潔に説明すると。


彼女が思春期に一緒に住んでいたのは、「母方のお爺ちゃん」と「実の父親ではない父親」と、れなちゃんの三人だと言う。

本当の母親は、れなちゃんが中学生のころ、亡くなったらしい。

本当の父親は、れなちゃんが生まれるころに、離婚して、現在でも会っていないし、会いたくもないと言う。


実際に、「血」が繋がっているのは、「母方のお爺ちゃん」だけ、という事になる。

幸い、義理の父親はすごく出来た人間で、れなちゃんの事を、自分の娘の様に育てて、今現在でも幸せな関係を築いていると言う。


僕が話しを聞いた当時、れなちゃんは22歳だった。

22歳にしては、しっかりと挨拶が出来て、礼儀正しい子だった。

黒髪で目がキレイで、所謂「売れっ子」と言っていい。


そんな彼女のお爺ちゃんは、痴呆症で、結果として老人ホームに入居する事になった。

それからは、義理の父親との二人暮らしが始まった。

二人の絆は、血縁を超えたもので、問題は一切なかった。


そして数か月経って、お爺ちゃんが亡くなった事を、義理の父親からの電話で知る。

当時、彼女は高校生だった。


彼女の中で、自分と血の繋がりのある人間の最後の一人だったお爺ちゃんが死んだ事は、相当なショックだと容易に想像できる。

彼女は、お爺ちゃんのお葬式に参列しなかった。

お爺ちゃんが死んだんだと認めるのが、イヤだったらしい。


ハッキリと「お爺ちゃんの死体を見るのが厭だった」と僕に言った。

その気持ちは理解できないものではない。

数か月して、彼女は葬式に行かなかったことを後悔した。


そんな日々を過ごしていると、やっと、お酒を飲める年齢になって、間もなく夢を見た。

れなちゃんは、「私は夢を見ないんですよ、見ても忘れてしまっているんだと思います。でも、その日の夢は違いました。」と僕に言った。

夢の内容は、『真っ白いシルエットの、逆光を受けた様なお爺ちゃんが、私の事をワインを飲みに行こうと誘ったんです』と

夢の中で、ハッキリと「自分のお爺ちゃんだと言う自覚」は無かったけれど、なんとなく「お爺ちゃん」だと思えたらしい。


れなちゃんは、起きた後でも、「ワイン」と言うキーワードを忘れられなかった。

ある日、どうしても気になって親戚に連絡を取り、「お爺ちゃんとワイン」の関係を聞いた。

案の定、お爺ちゃんは、元気な時は赤ワインしか飲まない人だったと言う。

れなちゃんの記憶の中では、赤ワインを飲んでいるお爺ちゃんはいない。

既にご老体だった為か、それとも子供の前では控えていたのかも知れない。


れなちゃんは、自分のバイト代で、安い赤ワインを買ってきた。

特に「命日」と言うわけではないけれど、ワイングラスもなかったので、普通のコップに赤ワインを注ぎ、家族三人、「お爺ちゃん」と「義理の父親」そして「れなちゃん」で囲んだテーブルの上に、置いて寝た。


テーブルの周りには、ベージュ色の合皮が貼られた木製の椅子が四つ囲んでいた。

勿論、各自の座る場所は決まっていた。

一つは、れなちゃんの実の母親が座っていた椅子、今では誰も使わない。

義理の父親も忙しく、一人でコンビニの弁当を食べた、れなちゃんの椅子。

亡き妻を思いながら、どこかで買ってきた惣菜を食べた、義理の父親の椅子。

そして、お爺ちゃんが老人ホームに入ってからは使われなくなった椅子。


それらが、同じ薄い色の木製のテーブルを囲んでいた、誰も飲むはずのない赤ワインを乗せて。


次の日、れなちゃんが起きると、地震でもなければ倒れないようなコップに入れた赤ワインはコップごと倒れて零れていて、ビッショリとお爺ちゃんが座っていた椅子を濡らしていた。

れなちゃんは、さすがにテーブルに零れた赤ワインは拭き取ったが、お爺ちゃんが座っていた椅子に零れた赤ワインを、敢えて拭き取らなかったと言う。

その後、しっかりと付着した赤ワインの染みを見るたびに、お爺ちゃんを思い出し、守られている気分になるらしい。


蛇足かも知れないが、れなちゃんの義理のお父さんは内縁の妻を見つけて、今は、血の繋がりの全くない他人同士の家族三人で、とても幸せに暮らしていると言う。
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『最近観た映画+ちょっと気になる作品』

2013-01-18 | 映画
サムネイルの下に、感想のリンクがあります。

ヒラリー・スワンク『ストーカー』 [DVD]
クリエーター情報なし
アメイジングD.C.


死ぬまでシネマで暇つぶし



友へ チング [DVD]
クリエーター情報なし
ポニーキャニオン


死ぬまでシネマで暇つぶし


デビル・ストレンジャー [DVD]
クリエーター情報なし
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント


死ぬまでシネマで暇つぶし

ムカデ人間 [DVD]
クリエーター情報なし
トランスフォーマー


死ぬまでシネマで暇つぶし



あと、コレ↓なんなの???(笑)

邦題のパクリ方はいいとしてさ・・・。

とりあえず観てみたいわぁ・・・。

人間ムカデ [DVD]
クリエーター情報なし
コンマビジョン


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『立川にも遂に、超常現象を研究する施設が・・・@立川ヘンジ』

2013-01-17 | オカルト


恐ろしいです。

数年前に建てらていたこの建造物。

ストーンヘンジと同類の物とみて間違いないと思います。

頂上には、『避雷針』の様にも見えるものが・・・

これで、宇宙からのパワーを吸収するか、放出するのだと思います。


この白い建物の奥の方には、目的不明の建設中の建物が・・・。

これは、『超能力者養成施設』とみて間違いないでしょう。


因みに、この白いヘンジの中に立つと、信じ難いかも知れませんが、『数センチ、浮きました』

僕自身が数センチ浮いたのです。

そのまま、数秒浮いて、ユックリと降りました。

信じてもらえなくても全くかまいません。

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『2/2(土)新宿の安い居酒屋で怪談を語りまくる会』

2013-01-17 | オカルト
怪談を好きな人に季節なんか関係ないよね!
真冬だろうが、語りましょう!

場所は、新宿の安い居酒屋!
時間制限のある飲み放題のお店より、時間を気にせず飲めるお店を予定してます!

時間は(17:45集合で)18:00~皆が帰りたくなるまで!

料金は基本的に【割り勘】ですが・・・
途中参加、途中退場の場合、「自分が飲み食いした分だけ」お金置いてってね☆って感じです。
(だいたい3000円位あれば、お腹いっぱいになるお店を考えています!コンセプトは『安い居酒屋で怪談』なので)

怪談話しが沢山ある人も、全然ないけど聞きたい!って人も!

「空気を読める人」なら老若男女、誰でも参加してほしいです!
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『1/24(木)は、新宿三丁目のSTARBUCKSの地下で、マジックを見ていただきたいです』

2013-01-11 | 告知・お知らせ
今年もガンガン行きますよぉー!!


新宿でのマジック活動。

完全に僕の主催イベント!!

絶対に楽しいです!

楽しめなかったら、本当に料金は貰いません。

しかも安いです!

飲み放題、2時間・3000円です☆
今回は『食べ物はオツマミ程度です』
食べたいものがあれば『持参してください(笑)』

この日だけは、マスターの承諾を得て、『持ち込みOK』にしてあります!!


3000円以外は一切かかりません!

マジックチャージもかかりません!

サービス精神しかないマジシャン・ボンクーがお出迎え♪(笑)


マジックを初めて見る人も、色々なマジシャンを見て、『マジックに飽き飽きしている人』でも、楽しませます。


なぜなら、僕は『ボンクー』だから。

マジシャンとは少し違うんですね。

『マジック芸人』なんです。

で、例え易いのが『マギー先生』なのですが、マギー先生程、『お笑い』に重点を置いていなく、『不思議&お笑い』の具合が絶妙。

そして、ボンクーの『危険な香り』を織り交ぜた、とても独特な雰囲気で、行うマジックショーです。

僕みたいな「マジックスタイル」は自称・唯一無二なつもりです。


僕のマジシャン仲間も参加しますので、『マジシャン同士の飲み会に、参加しちゃう』みたいな雰囲気でご来店いただくと、かなり楽しめると思います!!

「遊びに行ってやるかぁ!」と言う方、SNSを通じてご連絡いただくか、コメントに残して下さいませ!!



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『午前2時57分の小学生』

2013-01-09 | オカルト
僕には霊感がない。

ある人は、霊感のない人間なんていないと言う。

それならば、僕にはもう少し霊的体験を話せる機会があってもいいものだと不公平ささえ感じる。

勿論それは、霊体と言うものを信じているからだ。


今まで、「簡単な金縛り」さえ体験したことがない。

怪談が好きな仲間が集まり、皆が怖い話を持ち寄って、お酒を飲む席に顔を出すのが、申し訳なくなる。

それは、僕が「ただ聞く事しか出来ない」という立場だからだ。


「えー?!」と身を引きながら驚き、怖がって、僕がその話しに興味を持てば、話してくれた人は、満足するかも知れない。

しかし僕は、自分でも怖い話をしたいのだ。


悪趣味と言われるかもしれないが、人を怖がらせたい。

怖がらせると言っても、例えば話しの途中で、大きな声を出したり、出来過ぎたオチを用意するつもりはない。


地味だけれども、忘れられずに、聞いた人が淡々と誰かに話したくなる様な、そんな静かな怖い話し。

そんな話しが出来る人に憧れる。


今から聞いていただく話しは、そんな風に感じてもらえれば有難いのだが、そこまでには至らないと自覚している。

もし良かったら、聞いていただきたい。


時間は夜中だった。

怪談が好きな人間の借りる映画は、だいたいがホラー映画だろう、僕もそう言った人間だ。

昼間ならお笑いのDVDで笑い、ストレスを解消する気になるが、夜中に一人でホラー映画を観ている時ほど、ストレスの解消にはならない。

その日観ていたDVDは、観終わったら、直ぐに返却する必要があった。

午前二時を少し過ぎたころ、その映画自体は特に印象のあるものではなかったが、夜中の暇潰しにはなった。


季節は、そう寒くない時期だった、家を出る時にジャンパーを着るか、迷った記憶がある。

車で移動しない限りは、ジャンパーを必要とする季節だったと思う。

時間も時間だ。


車を少し走らせて、到着した。

レンタルDVD屋の営業時間は終わっていた。

店の外に置かれた、青い鉄のポストの様な箱にDVDを投函する。

ガコン、と音がして返却を終える。

昼間では、近くに高校もあり、人通りのある道だが、夜中の二時ともなれば、簡単に人とはすれ違わない。

すれ違う人がいるならば、警戒するべき時間帯だ。


エンジンをかけたままの車に乗り込んで、後方確認もせずに車を走らせた。

直ぐに、十字路に差し掛かる。

左に曲がれば、自分の家に帰る方向、曲がった直後には、小さな個人営業の焼肉屋がある。

紫色の趣味の悪い看板に、薄汚れて古びだ中国風の店内、よくこんな所で肉を食べる気になるな、と思う。

無論、今は営業後だ。

そちらへ曲がって少し行くと、新築が立ち並ぶ住宅街になる。


しかし僕は帰宅方面には曲がらず直進した、少しお腹が空いていたので、牛丼でも買ってから帰ろうとしたのだ。

直進した先の左側は駐車場、右側は木の壁で囲まれた敷地の広い建物があり、実際そこが人家なのかは不明だ。

入口は見当たらない。


特に何も考えて走ってはいなかった。

だから突然だったのだ、左の歩行者に気付いたのは。

ランドセルを背負った短パン姿の少年。

表情はどことなく、寂しそうだった。

僕は、「何か、悪いことをして閉め出されたのか?」と思った。

昔、自分でも経験がある、今でこそ、自分の家の前で泣きじゃくる子供はそう見ないが、昔は玄関の前で「ママー!許してぇ!!」と言いながら泣いていた。


しかし、子供が閉め出されるような時間ではない。

車の時計を見た。

デジタルの数字がオレンジ色に「2:57」と示していた。


そこで、何秒か、思考が止まった様な、高速回転した様な、なんとも言い難い「胸騒ぎ」を感じて、車を急停車させ、サイドミラーを確認した。

確かにランドセルを背負った小学生だ。


どう言った事情があるにせよ、僕はその子に「何があったか?」聞きたくなった、場合によっては保護をして、警察に届けるべきだろう。

駐車場でUターンをする為に一瞬、小学生から目を離した。

そして、小学生の方に車を走らせてみても、彼の姿はなかった。


僕には霊感がない。

彼が、霊体の筈がない。

慌てて車を飛び出して、住宅地がある方に走った。

彼が無事に家に帰れれば、それに越した事はない。

しかし、言うまでもなく姿はない。

車をバックさせる為の一瞬、その一瞬の隙に隠れたのだろうか?

確かに、警戒をする時間帯だ。


僕の事を、誘拐犯などの類と判断して隠れたなら、その行動は正しい。

しかし、その駐車場の車の死角も僕は見た。

その小学生からしたら僕は「逃がさないぞ!」とでも言いそうな勢いで、彼を探したのだ。


違う方向に向かったのだとしたら、隠れる場所は一切ない。

木の壁に、開かれた道、もっと遠くにある住宅、小学生がランドセルを背負いながら到着する時間はなかったと思う。


ハッキリと見たランドセルを背負う小学生の姿、そして何故か寂しそうに見えた彼の表情。

しかし、彼の顔は、まったく思い出せない。




コメント (2)
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