自称・へっぽこブログ!!

クラシック音楽やマンドリン音楽、オーディオやレコードなど。

音楽を奏でる意義とは?!  〜演奏会に参加して〜

2022年10月16日 23時24分25秒 | マンドリン
昨今の異常な状況により(例のなんとかウィルス感染防止など)、多くの演奏会が中止に追い込まれてきました。昨年のNOVAも同じような状況に陥り、演奏意欲が生じなかったため私は參加を見送りました。

今年2022年度の參加も悩みましたが、今後の自分自身の活動を考えて4月に参加表明しました。その時の文章を以下に抜粋します。

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帰国してからというもの、これらの理由からどうにも演奏する気持ちになれませんでした。
a. 小さかったムスメの事(今年は小学二年生)、
b. 変なVirusの影響で活動自粛が叫ばれたこと
→演奏の意義が判らなくなった
c. 体力的にも環境的にもつくばまで来る気力が沸かない
d. 日本を離れてしまったことでマンドリン界と疎遠になってしまった
→ 今年、98年より24年続けたマンドリン連盟会員をやめました
→ マンドリン関係のCD、資料、楽譜、(家族よりも多い)楽器も整理し始めています

じつは今年の目標として「マンドリン界に復帰」を掲げていました。その目標が全てではありませんがムスメも小学二年生になり、私が「子離れ」するにも良い機会、更に外部の方々との交流も今後大切になってくるだろうと考え思い切って活動再開することにしました!!
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参加表明にも書いていますが、「変なVirus」が私に対して気付かぬ内に少なからぬ影響を与えていました。
「なぜ演奏会を行うのか?」
「他人様に演奏を聞かせる意義があるのか?」
「わざわざ時間を取っていただいて、我々の演奏を聞いてもらうのはただの独りよがりでは?」
という疑問を生じさせ始めていました。

演奏会を終えた今でもその答えは見つかったとは言えない。
唯わかったことは、来場いただいた400人ものお客様がわざわざ会場まで足を運んでいただき我々の選んだ曲、我々が奏でた音・演奏を2時間弱の時間、楽しんでいただいだという事実です。

帰国してからの4年間、私は機会ある毎にコンサート会場へ足を運びました。

なぜ足を運んでいたか?!
それはレコードやCDでは体験できない「生演奏」の体験ができるからでしょう。

「演奏会を行なう」ということは、己の練習の成果・発表の意味合いではなく「生演奏」に接する機会を設け、時間を作って来場いただいた方々に音楽を楽しんでもらうためではないのか?!

もう少し的確な表現を説明できれば良いのですが、まだ疑問が完全に氷解したわけではありません。

旧約聖書の「ヨブ記」みたいな話になってしまいました。最後まで読んでいただきありがとうございました。


家宝のFratteri Vinaccia, 1927年製




9年ぶりのステージに立ちて 〜マンドリンオーケストラNOVA第20回記念定期演奏会

2022年10月16日 22時57分56秒 | マンドリン
2022年10月10日(月)はマンドリンオーケストラNOVAの定期演奏会にマンドセロパートとして9年ぶりに参加しました。


当日の音源を聴いてみました。
「星空のコンチェルト」のセロの旋律が流れると涙腺が緩んでしまいました🥹

演奏会から一週間が経ちました。
演奏会で感じたことを徒然なるままに書いていきます。

1部
・ドラゴンクエスト序曲
・炎(鬼滅の刃無限列車編より)
・ABBAメドレー
・The Seventh Night of July ~たなばた~
お馴染みのポピュラー曲を中心としたプログラム。
はっきりいいますが、いずれの曲も独特のリズム、運指でこれらの音楽には毎年苦労されられます。
~たなばた~は吹奏楽界では超有名曲。吹奏楽曲のマンドリン編曲版にも独特の運指とリズムで毎回苦労させられます。

2部はマンドリンオリジナル曲。
・星空のコンチェルト
・交響的間奏曲「晩年に」
・舞踊風組曲第ニ番
一曲目は藤掛廣幸作曲「星空のコンチェルト」。
2007年のNOVA演奏会で弾いたので今回で2回目。「奏者の理性を失わせる曲」なので如何に本番を楽しむか(暴れることが出来るか)を楽しみました。
当日の音源を聞きましたがFugaの出だしが崩壊しそうだった、冒頭に述べたように涙腺が緩んでしまったり、終には4回も動画を見てしまいました😆

メインの舞踊風組曲。
こちらも経験済。大学3年、今から25年以上前に演奏した曲でやはり運指は覚えています。「星空〜」よりは理性を維持できる曲ですが、セロの旋律部分ラド、ミーレソ〜ファ・ミレミーのところは音が雑になってしまう。この部分を綺麗に弾く必要は無いのだけれど「ドリルトレモロ(いわゆる耳にきついトレモロ)」になってしまうのは反省。でも音源聞くとキツイ音になっていないんですね。

全体を通して、もう少し楽譜をチェックする必要があったな、と。
セロだけの旋律、音を外すととても目立つ部分(音を外しては行けないところ)を事前マーキングして対策すればよかったと反省しております。

リハーサルの様子1


リハーサルの様子2


リハーサルの様子3


第20回定期演奏会


終演後、看板の片付けを手伝うムスメ。


帰宅途中の東海PAで夕食。ミックス定食。







Vinacciaの災難

2015年12月15日 07時51分47秒 | マンドリン
我が家の家宝、1927年製Fratteri Vinacciaが主イエスの教会の固い床に落とされてしまいました。ケースをロックしない状態で持ち上げたため、蓋が開いて楽器を落としてしまったようです。


正面から。見た目にはどこにも不具合は無いのですが(いつ見てもピックガードが美しい)。


テイルピース付近を見ると、


あらまぁ、見事に亀裂が走っています。


境目にも隙間が生じています。


縁の装飾が一箇所だけ欠けてしまいました。


もともと、A線のチューニングが合わないので調整が必要と思っていました。弾いているうちにこれらの不具合が悪化すると怖いので、日本での修理を決意しました。先日、入手したSilvestriも送って調整をお願いしたいと思います。
事前調査によると、アメリカからの国際発送料金は意外と安いようです。

Silvestri, mandolin

2015年11月14日 08時06分09秒 | マンドリン

日本帰国前にSilvestri製のマンドリンを入手しました。

帰国後、すぐに運送会社へ取りに行って帰国後の荷物を片付ける前に開梱して「あたり」だったことにホッとしました。

Silvestriはイタリアはカタニア(Catania)で製作されていたようです。私も過去、カタニア製の楽器を入手したことが有りましたが即座にゴミ行きになるほど品質が悪い楽器でした。それ以降、カタニア製マンドリンは「アウト オブ 眼中」でございました。

出品の英語の説明を(今頃になって)よく見ると、

「私の調査によると、Silivestriはカタニアで製作された楽器で1920年代後半にフランスへ輸出されていた。Googleさんに"Silvestri Embergher"と聞くといろいろと教えてくれるよぉ」

と書かれていました。残念ながら今回の楽器、ボディ内にラベルがないので製作年代が本当に1920年代なのか判りませんが、弦巻が左巻なのを見るとこの楽器はそうなのかもしれません。

日本で所有しているのはMMさんしか知りませんが、楽器表面に付いている刻印がお互いに酷似しているので生まれ故郷は同じと推察されます。

まずは正面から。ダメージ無くとても綺麗な状態です。多分、オーバーホールしたのかな。

ピックガードはやはりEmbergherちっくですね。

Silvestri、Serie d'arteの刻印。MMさん所有の楽器と同じ刻印でした。意味は、「芸術シリーズ」? 楽器のグレードのことかな。

駒はオリジナルのまま。このままだとオクターブピッチが合わないので、作り直しが必要でしょう。

テールピースはオリジナルのママと推察。理由は使用しているネジが「マイナス」ねじなので。弦の下に緑色のフェルトがありますが・・・。

ボディとテールピースの間にフェルトが挟まっています。丸っこいボディにテールピースをつけると隙間が出来てしまうのでフェルトを詰めたのでしょう。これは音質に悪影響を与えるので、外す必要があります。また、表面側にボディとの固定が無いのでネジ止めを増やす必要がありますね。

テールピース側。木目が美しい。年代の割に綺麗なのでオーバーホールしていると思います。ニスも薄めに塗られていて好感が持てます。

ヘッド部。

これまたEmbergherと同じくギターヘッドタイプです。ちなみにおフランス特有の左巻き、現在の楽器と反対巻きです。慣れないと混乱します。

ちなみにD線が固くて回らず、調弦できません。また、弦巻を固定にはマイナスネジなのでおそらくオリジナルのままです。

これは裏側。リブは掘ってありません。

三角ネックです。フレットはフラットではなく、Embergerと同じように「かまぼこ型」形状です。

最後にボディ内。残念ながらラベルはありません。MMさん所有の楽器もラベルが無いのか興味があります。

ということで、演奏出来るようにするには、何点か修理が必要な楽器です。オールドは楽器屋さんなんかで購入しないと、やはりすぐに弾けるような状態ではありませんね。


1927年製Gelas マンドリン ブリッジ故障

2014年12月06日 12時19分47秒 | マンドリン

2014年12月5日、Gelas1927年「ミホコモデル」の楽器ケースを開けたところ、黒い部品がボディ上にある。

なんだろう?と思って楽器を見てみると弦がブリッジから外れてる!!

ボディの上にあった部品はブリッジの部品。Gelasの構造は「逆ヘの字」型でブリッジが弦を「抑える」構造となっています。

弦はボディと反対側に飛び出そうするわけですが、その力にブリッジが耐えられず今回の様なトラブル発生となりました。

(ちなみに通常のマンドリンは「ヘの字」型でブリッジに弦の張力がかからない構造となっていますが、楽器が弦に「引っ張られる」ためボディの変形が発生します。古い楽器ではボディの変形が多く見られます)

ある著名な演奏者も同じGelasを使っているのですが、ステージ上の「熱」の影響でブリッジが吹っ飛んだという話も聞いています。

分離したブリッジを見ると、一体型では構造的に無理だとしても、意外にチープにできているんだなと思います。

部屋の中で暖房を付けているので楽器の乾燥が著しいため、楽器ケース内で加湿アイテムを使っていましたが、しまうときは楽器が膨張するので弦巻をゆるめて保管していたのですが効果薄かったようです。

ブリッジに吹っ飛んだ部品を接着剤で補修しようかと考えましたが隙間が出来てしまうので諦めました。変にいじって修理利かなくなるのもまずいので。

修理のために楽器をお店に送ろうとも思いましたが、梱包・輸送時に変な故障を発生しかねないので次回の帰国時に持って行くことにします。

こういうときに予備楽器持っていて良かったと思いました。お店に預けているあの「楽器」を復活させようかな・・・。


1927年製Gelas マンドリン

2014年11月27日 11時32分11秒 | マンドリン

先日の日本一時帰国の際、1927年Gelasを持ち帰りました。2013年3月頃に入院すること1年以上、めでたく退院となりました。この楽器も前回赴任時にebayで購入したものです。

ラベルには1927年 No.5582。

マンドリン通の人には説明する必要ありませんが、ボディが二重構造のためふつーのマンドリンと異なり「逆ヘの字」構造となっています。正面から見ると「鉄仮面」です。

今回は延長27フレット(通常は24フレット)に「改造」しましたが(私の強烈な希望)、その延長部分がピックを当てるところに重なってしまうため、今更ながら後悔。Vinacciaは27フレットにしなくて良かったと思いました。

音はVinacciaやCalaceとは真逆の「ポコポコ」した音、これは好き嫌いが分かれると思います。しかし音量は出ます。特にEとG。じつはこの楽器、おフランス製でして、おフランス楽器特有の三角形状ネックですが、使っているうちに慣れてしまいました。Gelasの直後にVinacciaを弾くとネックの太さが全く異なるので弾けません。

所有楽器とくらべてみました。一番下のCalaceが一番大きく、次がGelas、そしてVinacciaとなります。横にするとGelasの構造の違いがよく判りますね。


さて、Gelas唯一の問題は、日本では標準と言われているOptima赤弦を張った場合、弦のテンションが異様に強いため左手が痛くなり、トレモロしにくことです。ブリッジがボディに固定(密着)して弦のテンションをブリッジが抑え込んでいるため、普通のマンドリンのようにブリッジの高低で弦のテンションを変えることは困難です。と言うより不可能です。
楽器店にご相談したところ、この問題はGelas一般的に言えることのようでARS弦とトマスティーク弦を薦められ、即注文。

我が家ではムスメが生まれた頃に復活した楽器ということで、「ミホコモデル」の愛称で呼んでいます。