斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

お子さんを無事救助できたのはよかったです

2017年05月06日 20時41分10秒 | 水難・ういてまて
メディアからコメントを求められています。
でも、慎重なディレクターが多いようで、「むやみに飛び込むのはだめですよね?」と冷静に投げかけてくれます。

こちらを見ていただければ、その心配は一目瞭然です。

川は深かったのですが、今回は、大人の足がつく場所に移動できたという好条件があったということは忘れないようにしなければなりません。
基本的には飛び込まずに子どもが呼吸を確保できるようにする方法を選択します。→ういてまて教室で習うことができます。
それでも飛び込むのが正しいと思われる方は、素手で入水救助する方法を最終手段として選択できます。→ただし、日本赤十字社水上安全法救助員養成講習会を受講して、最終試験に合格してください。

今日から4日間、長岡技術科学大学で日本赤十字社水上安全法救助員養成講習会が開催されています。
水の事故防止とともに、万が一の水難のときに素手による入水救助も教えます。

一日目では、受講者はまだまだひよっこです。こんな感じで、アプローチのやり方まで勉強しました。

順下による入水


顔上げクロールによるアプローチ


明日は9時半から17時まで長岡技術科学大学室内プールにて、入水救助の厳しい訓練が待ち受けています。18歳から30歳までが主力で、しかも現役の水泳部員だったりしますが、そういう人たちにとっても苦しい時間です。






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ため池死亡事故、残念

2017年05月06日 20時28分40秒 | 水難・ういてまて
まずは、亡くなられたお二人のご冥福をお祈りします。
事故は5月6日昼前、大分市にあるため池で発生しました。釣りをしていた若い男性が転落し、助けようと池に入った仲間の男性も溺れたそうです。2人は駆けつけた消防や警察に救助されましたが、残念な結果となりました。

現場の様子を示す動画
http://www.tvkanazawa.co.jp/nnn/movie/news890148688.html
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170506/k10010972131000.html

これを確認すると、まさに絵にかいたような斜面がうつっており、昨日のあさチャンとひるおびでため池の危険を周知したばかりだったので残念です。
この事故の起こったころは、私は水上安全法救助員養成講習会で講義をしていました。水上安全法を学んでもむやみに飛び込んではならないという話をしていました。残念。

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より正しく、正確な真実を追い求めて

2017年05月06日 00時00分35秒 | 斎藤秀俊の着眼


05/05(金) 07:05 TBSテレビ[あさチャン!]

ゴールデンウイーク 列島各地で水難事故が発生している。水難事故の危険から身を守るには…
まず、静岡県島田市では男児が川で溺れ心肺停止状態で病院に搬送されたという最新のニュースと
秋田県藤里町ではダム湖で釣りをしていたボートが転覆し2人が行方不明となっているというニュースに触れられた。
水難事故の危険性について、場所ごとに説明が行なわれた。
1.河川
子どもの水難事故発生件数(警察庁調べ)で最も多いのは河川である。
河底には急に深くなっているところがある。(これが川で多発する沈水事故の原因であるが、どのように危険かあと一歩説明が。。。)
せっかく橋脚周辺は危険であると解説されたので、橋脚付近の洗堀が川が急に深くなる原因だと触れることができれば。。。惜しい。やはり、工学的知識のある専門家に解説をお願いしなくちゃ。。。
2.海
東京海洋大学・田村祐司准教授は「海は離岸流に注意」と解説。離岸流で流されたら、浮いて救助を待つ。(目撃者はすぐに119番と118番して、救助を呼ぶ)
風に流されるという実験映像で、水につかっていなくても興に流されることがあることを実証。
3.ため池
ため池の危険性について動画が放映された後、私は「水難事故で一番怖いのは、そこにいて周りを見ててもそれほど危険を感じないと安心しきった状態で水に入りいきなり危険だということに気が付いたとき」と語った。


05/05 10:56 TBSテレビ 【ひるおび!】
ここでは、あさチャンで放映された映像を用いて、さらに啓蒙を行っていた。

午前中に2度放映することで、より多くの人に水難に注意しようという意識を再確認してもらったのではないでしょうか。

最近は、報道機関による取材・番組構成のお手伝いばかりでなく、民事事件、刑事事件の意見書作成の依頼も増えてきました。
これまで、水難に関して、根拠に基づいて説明、証言してくれる人がいなくて大変だったろうな、と感じています。

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