斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

検証せずテレビに出る怖さ

2018年06月28日 23時23分46秒 | 斎藤秀俊の着眼
検証せずテレビに出る怖さについては、時々警鐘を鳴らしています。

先日、「着衣水泳」の特集をしていた、ある地方局の動画を拝見しました。
泳がせる訓練の様子を出したり、「服が重たい」と言わせたり、あるいは「浮いて救助を待つのがよい」とインタビューをとったり、目まぐるしく言いたいことが変わる内容でした。

これでは視聴者は「どれが本当か?」と迷ってしまいます。さらに間違った知識を植え付けることになります。はたまた、題材に使われたスイミングクラブの信頼はことごとく落ちます。

水の中で服の重さはほぼゼロで若干沈みます。でも服の中にたまっている空気があれば、それが浮力になります。
わざわざ泳がせてしまったら、この大切な空気が服から抜けていってしまいます。
そのような訓練をしているスイミングクラブの方針が全く理解できませんし、そうやって命を落とす子供が将来出たら、責任取れますか?とれるわけがありません。

水難事故にあったら、靴や服の中の空気の浮力を最大限に生かして背浮きをし、呼吸確保に全力を注ぎます。呼吸さえできれば、生きていけるのです。
周囲の人はすぐに119番通報して、救助隊を現場に呼びます。
そういう意味では、海岸で救助訓練をしていた救助隊の方の番組中でのコメント「浮いて救助を待っていてほしい」が最も的確でした。

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急な斜面にある排水路はウオータースライダー

2018年06月28日 07時19分11秒 | 斎藤秀俊の着眼
6月27日夕方、静岡市で、急な斜面にある排水路を中学生が滑り落ち、頭を強く打って病院に搬送されたが、死亡が確認されたという。
亡くなられたお子さんのご冥福をお祈りします。

ここのところ、斜面の排水路や側溝で流される事故が多発している。
乾いた斜面なら滑らないものの、流水があるとウオータースライダー状態となっている表面。この表面に足を入れた瞬間、すぐに足が救われて瞬間的に流される。
これから雨が多くなるシーズン。こういう危険性を子供たちにしっかりと教えたいものだし、大人も認識を共有したい。

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