斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

燃費データ不正

2016年04月23日 23時23分19秒 | 斎藤秀俊の着眼
新聞報道なので、本当の真実がまだわかっていない段階なのでなんとも言えませんが、数値目標を完全に勘違いして考える風潮を誰が作ったのか、ということに集約されると考えています。

技術革新を社会として進めるために、現在の技術ではクリアするのが難しい規制値を法律で作るようなことが行われています。例えば、排ガス規制とか燃費(エコカー)などの数値をより厳しくすることが行われています。

技術者や経営者が勘違いしてはいけないのが、こういった規制をクリアするのに、既存技術の延長でなんとかなるか、ならないかという点。技術革新は、受験勉強のように努力して少しずつ点を上げていくような、一歩一歩踏みしめていくやり方では実現できないし、その程度ではクリアできないようになっています。

明確に数値化されたアウトプットなのだから、それを実現するのに必要な仕様を予測すれば現状の技術の延長でいけるかどうか、すぐにわかることで、ダメだったら既存技術から完全脱却しなければならない。

既存技術からの脱却を実現するには、その組織に所属する人間を全部代えてしまえばいいわけです。ただ、ここで「○○DNAが受け継がれていて」などと言い切ってしまう組織では、人間を代えるのは難しいのでしょうか。

今回の事件は、VWの問題が噴き出てきたときにすでにわかっていた人たちにはわかっていたこと。ここまで明るみに出るまでにずいぶん時間がかかったなというのが、私の感想です。
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