斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

新発田・加治川で母子流される 県が予告なくダムから放流

2017年06月23日 12時14分37秒 | 水難・ういてまて
新潟日報より。

6月17日午後4時半ごろ、新発田市滝谷の滝谷森林公園内の加治川で遊んでいた母親(45)と小学4年の息子(9)が流されましたが、見事生還しました
よかったです。

放流によって、15cmの水位が75cmに上がったそうです。
流速にもよりますが、毎秒1mの速さであれば、水深は大人でも子どもでもひざ上で黄色信号、腰上で赤信号です。流れにのって流されてしまいます。
このような状況で流されて、しっかりと呼吸を確保して助かっているのですから、きっと自分で命を守る技を身に着けていたのだと思います。

今回のように、自分ではどうにもできないことが起こることがあるわけで、そのようなときに自分の命をつなぐ最後の技が「ういてまて」です。
新潟県は、ういてまて先進県として、今回の事故を真摯に受け止めなければならないと思います。そして、県民が自分の命を守ることをしっかり勉強している中で、原因を作ってしまう県職員が水難事故について本当に理解しているのか、そこを検証する必要があるのではないかと思います。

ただ、土木と水難事故は分野が違いますので、要注意です。


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国立高専の科研費採択状況

2017年06月23日 09時35分18秒 | 斎藤秀俊の着眼
国立高専の科研費採択状況につきまして、一覧表が入手できましたので、解析を行いました。
昨年度の採択数が大幅に伸びましたので、失速を懸念していましたが(採択された人が今年は出さないため)、昨年とほぼ同じ程度の採択数のようです。昨年のリベンジに成功した先生が多かったことでしょう。

中身が実は重要で、昨年の講演会で強調しました、「自分あるいは高専の得意分野をどう生かすか」というテーマが増えつつあるように思いました。頼もしい限りです。

今年もいよいよシーズンが近づいてきました。いくつかの高専からすでに講演会の依頼をいただいております。ぜひ今年も科研費申請書を書きながら、来年度の研究計画をしっかりと立てましょう。


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教員向けういてまて教室

2017年06月22日 22時22分22秒 | 水難・ういてまて
本日は、長岡市教育委員会主催の長岡市内教員対象のういてまて教室(着衣泳教室)を長岡技術科学大学で実施しました。
参加者は約30名で、市内小中学校の先生です。最初の30分ほど座学でういてまての意義をお話しし、その後室内プールに移動して、全員で実技を経験しました。
楽しそうに参加されていたのと、体育の先生がおおかったようで、ペットボトル投げが、どのような遠くでも確実に渡すことができていました。これにはかなりびっくりしました。

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タイ シンクロトロン放射光でのシンポジウムを終えて

2017年06月21日 23時20分37秒 | 学校.学会訪問記
今回は、日本側から8人の研究者が参加して、タイ ナコーンラチャシーマ コラットのシンクロトロン放射光施設で行われたシンポジウムが終わりました。
かなり充実した日々で、同施設の優れた測定装置などを見学できたばかりでなく、双方の研究テーマについての発表とディスカッションを深めることができました。
その様子はすでに先方でホームページにアップされています。

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平成28年中における水難の概況が発表になりました

2017年06月18日 17時02分43秒 | 水難・ういてまて

警察庁から「平成28年における水難の概況」が発表されました。

http://www.npa.go.jp/publications/statistics//safetylife/chiiki/290615mizunennpou.pdf

これによると、中学生以下の子どもでは、発生件数が162件(前年対比-17件)、水難者217人(前年対比-13人)、うち死者行方不明者31人(前年対比-22人)で、特に死者行方不明者は大きく減少しています。子どもの水難からの生還率は、85.7%と近年になく高い値に到達しました。

しかしながら、大人を含めた平成28年の水難は、1,505件(前年対比+55件)発生し、水難者は1,742人(前年対比+107人)、このうち死者行方不明者は816人(前年対比+25人)で、いずれも前年を上回る結果となりました。

水難学会の平成29年度活動方針では、今後15年で子どもの生還率100%達成と親子ういてまて教室の普及拡大による大人の生還率の向上を目指すことになりました。

平成31年度の改訂学習指導要領では、小学校にて自分の命を守る実技が強く導入される予定です。全国すべての小学校にてういてまて教室が実施される日が急速に近づいてきたように思います。

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