木・うんちく

木材と人間の関わりを考えて思うままに・・・

201.新人教育(木材の知識基本編):針葉樹と広葉樹の違いその2

2019-01-08 18:28:45 | ウッドデッキ


針葉樹は生存競争では広葉樹に負け組ではありますが、その単純な組織が功を奏して、
人間にとっては誠に都合の良い樹木です。
そのため多くの国が針葉樹を植林するようになりました。

針葉樹は人間にとっては次の人間にとって有益な性質があります。
1.「まっすぐな長い材料が取れる」
針葉樹はまっすぐに伸びる性質がありますから、
建築に使うにはまことに適した材料です。
さらにまっすぐに伸びると言うことはの縦挽きのこぎりがない時代は、
割ってからかんなで削ると言うことができましたので、
飛鳥時代から平安時代までは針葉樹がなければ建築はできない時代でした
(広葉樹が使えるようになったのは縦挽きのこぎりが開発される鎌倉時代になってからです)

2.木が柔らかく加工しやすい
のこぎりで簡単にカットできますので、DIYには最適の材料と言えます。
それでいて小学生がチェーンソーを使えば、
法隆寺の五重塔も半日で倒すことができるぐらいの加工のしやすさがあります。
現在でも木造住宅が多い最大の理由は加工がし易い。
つまり結果的に建設費を安く作ることができるからです。

3.軽くて強度がある
意外に思われますが、一般的な素材の中で、
重量あたりの強度が木材以上にある材料と言うとジェラルミンかチタンしかありません。
ですから、第一次世界大戦までは飛行機は木材で作るしかなかったわけです。
第二次世界大戦時でも、世界最高速の爆撃機は「モスキート」と言うイギリスの木製飛行機でした。

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200.新人教育(木材の知識基本編):針葉樹と広葉樹の違いその1

2019-01-08 13:07:37 | ウッドデッキ
私が材木を生業とするこの会社に入った当時、基本的な木材についての教育資料がありませんでした。
それで、木材について分かりやすくまとめて教育用としたのがこれです。木材のことをご理解頂ければと思います。


木材には、針葉樹と広葉樹があります。
木材業界でも、この二つの材を使い分けていますが、
これら二つの種類の木材を生物として考えた場合の違いは次のとおりです。

■木材の進化の過程で針葉樹の方が先に出現しました。
ゆえにジュラシックパークでおなじみの恐竜の時代は針葉樹ばかりでした。
しかし今は、圧倒的に身の回りの樹木は広葉樹が多く、広葉樹が生存競争の中での勝者と言えます。

■広葉樹は葉が大きく太陽エネルギーを栄養分に変換できる効率が高く、
木を堅くすることも、果実によって子孫を残すこともできる優秀な組織です。

しかしその分、葉の維持にかかるエネルギーは大きく、
これを解決するためにほとんどの広葉樹は秋になれば落葉すると言う画期的な方法で
(人間社会で言うとリストラです)、
この問題を解決し、広葉樹大繁栄の基礎を作りました。
かくて、生存競争に負けた針葉樹はシベリヤや北欧の環境の悪いところに追いやられてしまいました。
(日本の山はほとんどが杉・桧の、針葉樹ですが、これは人工的に植林されたもので、自然のままの里山はほとんどが広葉樹です)

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