木・うんちく

木材と人間の関わりを考えて思うままに・・・

79. 木材の耐久性(耐朽性)について:どの木材がデッキに使えるか

2014-10-23 13:01:41 | ウッドデッキ
木材の耐久性を確認するためには屋外に設置すれば誰でも分かりますが、
結果が出るのが数年~30年先になってしまいます。
そのため、試験室で結果が出るようにしたのがJISで規定されている腐朽促進試験です。

木材のピースを数十個同じものを作って、ガラス瓶の中に腐朽菌と一緒に入れて、
恒温室に数か月入れた後、木材の質量の減少率を計測すると言う方法です。


うちの会社も新しい材種を商品に加える場合は、これまでの材料も含めて、
この試験を研究機関に委託試験をしてもらっています(試験費用がかなり高いのが痛いところです)。

この試験から分かることは次のとおりです。
①ウリンは人工木材よりも耐久性がある。
②以前からハードウッドの中では耐久性がないと言われているセランガンバツは、
やはり、屋外のデッキに使えるような材料ではないと言うことが試験上はっきりした。
③人工木材はウリンより劣るがイペやアマゾンジャラよりは耐久性は上ではある。
しかし、特に高いと言うレベルではない。(人工木材も半分は木ですから、いずれ腐ります)。
④耐久性が非常に高いと言う人と、いやそれほど高くないと言う人に分かれていた
レッドシダーと加圧防腐処理木材については、2種類の腐朽菌では全く違う結果となりました。

つまり、腐朽促進試験の場合、2種類の腐朽菌で試験をしますが、
オオウズラタケの場合はレッドシダーは抜群の耐久性を示し、
反対に加圧防腐処理木材は良い結果ではありません。
カワラタケの場合は加圧防腐処理木材は抜群の耐久性となり、
レッドシダーは良い結果ではありません(それでも国産の桧よりも上ですが)。

これでこの二つの材について、二つの意見があることが理解できました。
そのためレッドシダーを加圧注入防腐したものが抜群の耐久性を示していたことも理解できました。

本来はこのような試験データーを元に、官公庁の大規模デッキは材種を選定すべきところですが、
実際はなかなかそうはなりません。
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