ボーイスカウトのリーダーをしていた時、
高校生のボーイスカウトを対象にしたペーロン大会と言うのが開催されました。
参加条件は
・ボーイスカウトの高校生が手作りの船で3人乗りで参加すること
(大人の手助けはOKですが、あくまで主体は高校生スカウトです)
・長さは最大4.5m以内であること
以上です。
さて、大会の4ヶ月前に参加を決めて、プロジェクトのまとめ役の高専に行っているスカウトが図面をもってきました。
CADで書かれたそれは確かに、スマートな高速艇でしたが、三次元の曲線まであり、とても素人が日曜大工でできるとは思えない。
それで私は、「この設計はすばらしいが、とてもお前たちの手に負えるものではないぞ。」
ところが彼は粘りました。「お願いします。作らせて下さい。」
まあ、失敗すると言うのも良い経験になるからと思って、材料を段取りしてやりました。
そして毎週日曜日に皆で、我が社にやってきて製作にかかりましたが、
案の定、あちこちで問題に突き当たります。
しかし、そのたびに皆でアイデアを出し合い、とうとう完成にこぎつけました。
・・・・で、大会当日。
予選はぶっちぎりの1位。よほどのことがないかぎり優勝のはずでしたが、
決勝戦でスタート直後に別の参加艇とぶつかり、スタートラインを超えた時は、すでに他艇と30mも離されていました。
しかし、なんとか追いつき3位でゴール。
主催者から創意工夫を評価して「技術賞」を頂きました。
彼がこの設計でやりたいと言ってきた時に、大人の考えで却下しなくて良かった。
・・・と心から思いました。
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