弊社の近くに10年以上前に開設した親水公園があり、
同じ場所に合成木材とハードウッドのデッキの両方が設置されています。
合成木材のデッキは池の上に水上2mのところに設置されていて、
色も残っていて全体としては良い雰囲気です。
この公園の入り口にはハードウッドのデッキがあり、両側の手摺柱は針葉樹の桧ですが、
ハードウッドのデッキは色あせてはいるものの良い雰囲気です。
ところが近くで見ると、合成木材のデッキは中が空洞のため、
あちこちにこのような穴があいています。
役所としても補修しているのですが、
合成木材の場合は夏場は非常に熱くなって、
強度が不足したところにハイヒールや傘で衝撃を与えると割れてしまい、
その補修が追い付かないようです。
さらにもっと拡大すると汚れがこびりついて汚い。
とてもこの上に座ってくつろごうと言う気にはなりません。
さらに材料が劣化して、この上を歩くとフニャフニャします。
これが水面上2m程度ですので、落ちても水の中と言う安心感があって怖くはありませんがが、
もっと高い場所に設置されていると怖くてとても歩ける状態ではありません。
ところが入口のデッキのハードウッドは色あせてはいるものの、綺麗です。
さらに材料は劣化していませんのでしっかり安定していて、上を歩いてもまったく怖くありません。
そこに座ってお弁当を食べることができる雰囲気です。
このように、数年経過したものを見比べると、
色あせてもハードウッドの方が、薄汚れた合成木材よりもベターと言うことになります。
問題はそれぞれの特性、特に短所について、材種を選ばれる設計事務所なり発注者の方が、
これらの特性を正確に把握されていないことです。
さらに販売する材料業者にしてもそれぞれの材料の長所は説明されてもその短所を説明されないことです。
弊社は両方の材料を扱っていますので、弊社が企画する場合は、その長所よりも短所をまず説明するようにしています。
■合成木材の短所
・耐久性はベストではないこと。
(合成木材は半分は木なので、腐りにくいもののJISの腐朽促進試験をするとウリンよりも劣ります)
・木材と異なり静電気で汚れがとりつくので、汚れがこびりつくこと
・多孔質のため雨の汚れ等が合成木材の中に入り薄汚れてしまうこと
・夏場は非常に熱くなって強度が弱くなるので、衝撃を与えられると穴があくこと。
・半分がプラスチックなので縦方向の伸び縮みがあるのでジョイント部に隙間をあけておく必要があり、
どうしてもその部分にごみが入ったりして見栄えが悪くなり、さらに端の部分は割れやすくなること。
■ハードウッドの短所
・設置後1ケ月でひび割れが発生すること
・ささくれが発生し、とげがささったりすること
・設置後1年で色あせすること
・ハードウッドの場合は材種によって耐久性には数倍の差があり、
例えばウリンであれば30年以上の耐久性があっても。セランガンバツは10年もたないこと
・高耐久の木材はアルカリ反応することが多く、ウリンの場合は樹液がコンクリート面を汚すこと
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