木・うんちく

木材と人間の関わりを考えて思うままに・・・

238. セランガンバツの正しい使い方

2020-10-05 17:48:34 | ウッドデッキ
セランガンバツ材と言う東南アジア産出の木材は屋外用途としてよく使われます。
30年前までは屋外用の高耐久の木材と言うのが輸入されていませんでしたので、
セランガンバツだけが比較的耐久性があると言うことで使われていました。
しかし、当時から屋外木製施設の専門業者はセランガンバツ材は加圧注入防腐して使うことをお勧めしていて、
そのままで使うとある程度の耐久性はありますが、
現在一般的に使われている屋外用の高耐久木材と比較すると、耐久性が低い部類になります。

しかしセランガンバツには他の高耐久ハードウッドと比較すると長所がたくさんあります。
・寸法が安定していて曲がりや反りが少ない。
・色が穏やかで、自然の木材の雰囲気がある。
・丸太でも輸入されているので、サイズの別注が可能である。

この写真の例はハウスメーカーさんの展示場の写真ですが、
これに使われているのはセランガンバツ材です。
住宅展示場の場合10年以上そのままと言うことは通常ありませんし、
このようなデザインであれば寸法の狂いが大きい他のハードウッドは使えません。
また住宅展示場としては雰囲気が重視なので他の木材のように自己主張の激しい色をした木材は使いにくいところがあります。

かくて、今回の場合、材種の選択としてはセランガンバツ材がベストと言うことになります。
木材も人間と同じで生物ですので、それぞれの材種で長所・短所があります。
これらのことをすべて理解されて、材種を指定して頂けると我々も仕事がやりやすいところがあります。

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