会社で、ビジネスマナーを確認しようと言うことになり、一人の若手の社員が車に乗る場合の席順について
「車の最上席は、後ろの席の右側である。これは運転手の後ろが最も安全な席になるからである。」
と言う発表をしました。
しかし、私は、「それはおかしいだろう。お客様が車に乗った後、奥につめてもらうことになる。
しかも降りる時には最後になり、タクシーであればお客様が支払をしなければならないことになるぞ。
私であれば先にお客様を左側に乗せ、自分は右側に廻って右側の席に座る。」
と言いましたが、ネットのどのマナーに関するサイトも、運転席の後ろが最上席と記載されているとのこと。
どうも納得がいかず、後日、自分で調べましたが、確かにどのサイトにもそう書いています。
しかし写真を色々検索すると次のことが分かりました。
■ケネディ大統領が暗殺された時の写真では、ケネディは右側に座っていてジャクリーン夫人は左側でした。
さらにアメリカは右側通行なので運転手はジャクリーンの前、
すると最も偉いのはジャクリーン夫人かと言うことになりますが、
レディファーストだと言う反論もあり。
■それでは、日本で最も公式な場合と言うことで、皇太子ご成婚の馬車パレードを確認すると、
皇太子は右側で皇太子妃は左側。しかし運転手いませんが、馭者は4頭立ての馬の内、左側の馬に乗っています。
・・・どうも運転手の後ろだから安全と言うのは関係がなさそうです。
日本の皇室の方が車に乗る時のルールは、どうなっているのかと、調べましたが、
宮内庁の見解は、車での席順については、特に決めていないと書かれていました。
皇室の方が車に乗っておられている写真を検索すると確かにケースバイケースのようです。
しかし悪戦苦闘の結果、決定的な原則が分かりました。
それは「公式の場では右側優位」と言うフォーマルなルールの存在です。
つまり、皇室や海外の王族が公式な場で写真を撮るとかパレードする場合は、優位な人が右側に位置すると言うことです。
ですから、ケネディはオープンカーの右側に座っていて狙撃され、
皇太子ご成婚のパレードでは皇太子は右に座っていたと言うことになります。
しかし、これが欧米のように右側通行であれば、偉い方は歩道からすぐ車に乗り、
次席の人は反対側から乗り、お見送りをする人には窓をあけて右に座っている偉い人が、挨拶をすると言うことでうまくいきますが、
日本のように、左側通行であれば、例えば皇太子様が小学生の愛子様と一緒に車に乗る時に、
皇太子様が右に座って、愛子様が左側に座ると、
お見送りをしてくれている人にお言葉をかけるのに愛子様がする訳にもいかないので、
こんな場合は、あえて皇太子様は左側に座って、ご挨拶をされているようです。
故に宮内庁としても座席の席順は決めていませんとしているのだろうと思います。
マナー本に書かれている「運転席の後ろで安全だから、右の後ろが最上席」と言うのは、
右側優位の法則を、無理にこじつけた結果で、お客様とパレードに出る確率がゼロに近い一般の人間にとっては、接待マナーとしては間違いと言えます。
実際に調べてみると、上場企業の社長や国会議員もすべて助手席の後ろに座っていますし、
トヨタの最高級車センチュリーも後席の助手席側が一番豪華に作られているぐらいですから、
普段は左側つまり助手席の後ろに優位の人が乗る方が正しい選択と言えます。
以上のことから、正しい会社の接待マナーとしては、早く座ることができて、早く降りることができる、
車の後ろの左側が最も上席とすべきと言う判断となりましたが、
お客様によっては右側が上位と言うマナー本が正しいと信じておられる方もいらっしゃるので、
お客様を左に座って頂いた場合は、このマナーについての解説をしながらタクシーに乗ると言うのが無難かもしれません。
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