★で評価するなら4.8ぐらい。最高に面白い映画で、また観たいくらい。以下に当てはまる人は、この映画向きの人。
1 阿部サダヲ主演のコメディー映画を過去に見て面白いと思った
2 「武士の家計簿」を見て面白いと思った
3 ハートフルで泣けて笑えるスカッとした映画が好き
4 妻夫木聡のファン。彼が出演する作品は見逃したくない
5 熊本震災で自分に何かできることはないかと真剣に考えた。
6 舛添都知事の人間性に疑問を感じる。会見を見た時私利私欲の塊ではないか、すぐ辞職しろっと腹が立って仕方がない
7 日本人の美徳とは何か?感じたことがある。
時代とともに、映画はあるけれど、今この時期にこれほどマッチングした内容の映画もないかと思われる。それぐらい現代的なテーマを扱っている。「無私の人」というテーマだ。最後に驚かされるのは、この映画が史実に基づいて練られた脚本であるということ。ドキュメンタリーの伝え方ではないが、映画という娯楽作品で、このキッチリとした見せ方が際立っている。これが監督が一番伝えたかったことじゃないのか。
江戸時代も現代も変わらない。その変わらない暮らしの中で、無私の心でいられる人達が江戸時代には確かに存在した。その無私の心が集まって、政治を動かし自分たちの暮らしを変えたのだ。恵まれている現代のほうが江戸庶民の人たちより、何事も無関心じゃないだろうか?
キャスティングの上手さ、出演する俳優陣の演技力、緩急つけた物語の展開、笑と泣きのバランス、ラストのテーマに至るまでどれもツボをきちんと外さず、途中の貨幣価値の解説含めてとても丁寧に作られた作品。時代劇ではあるが、スタイリッシュな映画。日本映画っていいなと思う。武士の家計簿に続く原作作品だが、武士よりこちらのほうが私は面白い、笑えるし、泣ける。安心して見られる。最後に現代人が忘れているテーマが目の前に浮かび上がる仕組み、見事。
個人的に阿部サダオほか、俳優も端役に至るまで、完璧なキャスティング。誰が一番良かったか?と聞かれたら瑛太もかなりいいけど、う~んやっぱり浅野屋甚兵衛妻夫木。彼が本当の意味の主役だが、そこを感じさせない部分が素晴らしかったな。
舛添都知事のセコさに呆れて涙がこぼれそうだと感じたら、この映画をぜひ見てほしい。スカッとするので(笑)