パソコン上達日記2

日々の雑感を戯れに綴ります

記憶にございません 豪華キャストによる三谷コメディは文句なく面白い、けれど・・・。

2019-09-15 19:31:55 | 映画

三谷脚本が好きな私はこの映画の予告を見てから、上映されるのを心待ちにしていた。

では感想を。

その前にこの映画未見の方は、blogを読まないで欲しい。映画の面白さを自分で感じてから参考程度に読んで欲しいなと思う。今はSNSで色んな情報を得られる、この映画に関してもハッシュタグがついたものには、それはネタバレじゃないか?と思うようなものが結構ある。ネタバレというか知らないほうが楽しめるのになぁという感じの情報だけど、ちなみに私は映画を見る前はいっさいレビューも公式アカウントもチェックしない。それからネタバレではないがこれから見る人のため、参考程度にいうと、エンドクレジットは必ず見て欲しいな。

映画の感想を言うと、文句なく面白い。あっという間に2時間過ぎた、スピード感ある脚本と場面展開。中井貴一佐藤浩市草刈正雄、ディーン、他にも渋い名バイプレイヤーが続々登場。眼福でしかない(笑)

女優陣も小池栄子から斉藤由貴石田ゆり子、吉田羊他個性派演技派をこれだけの人数集めても、それぞれ見せ場がきちんとあり、過不足なくピタッと終わらせられる。さすがの三谷脚本で凄いなと思う。ブレイク前の田中圭君まで押さえてたのは見事としかいいようがない。

個人的に好きなのは吉田のキャラ。清潔で真面目になった総理大臣を「つまらない」と思う感性は私よく分かるんだけど(笑)

この映画は政治を舞台にしてるけれど、現在の政治批判をしているわけではない。もっと根源的な部分で分かりやすい大衆が想像するような政治家像を見せている。清濁合わせ飲む政治の部分を理想化して謳いあげたような部分もある。そういえば三谷脚本では「総理とよばないで」というドラマがあった。三谷氏は「男の子の憧れの職業が総理大臣だった時代の最後の子供」かもしれませんね。ドラマが未見なので映画と比較出来ないのが残念でならない。でも見終わった後文句なく面白いけれど…何か足りないなぁと思った。

その足りなさは時間だと思う。エンディングは優しく落ち着いた感じがしたけれど、あっこれで終わりなのか…というがっかり感ではなく、物足りなさ、もっと見たいのになぁと思う感じがあった。見終わった後考えたけれど、これはドラマ向きの内容ではないか?ドラマならもっと各キャラのエピソードを面白く見せられたはずだ。より深みある喜劇と悲劇を行ったり来たりする人間ドラマがあの名脇役とともに描けたはず。一応全てのキャラに対してそれぞれの終わり方が用意されるわけだが、映画という制約があるためその面白い部分をカットしただろうと思われる。

この映画のテーマは自分が変わることによって周りの人も変わってゆく…そういう面白さかなと思うけれどその部分はとても理解出来る。そこをクリアしたうえでは次は何か?を考えた場合、どうしても「面白さ時間切れ感」がある。

けれどこの問題に対してもおそらく販売される映画DVDには未公開部分が特典としてつくだろう(笑)

ただ特典としてついても、やはり物足りないかな私は・・・。

NHKは三谷脚本の喜劇的ドラマを制作して欲しい。

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「カメラを止めるな」感想 面白さ半端ないからみんなに見て欲しいっ!

2018-08-15 13:36:12 | 映画

知人からこの映画の評判を聞いて見に行きました。ただ予備知識として ゾンビが出てくるコメディーとしか聞かなかったのでとても楽しめました。圧倒的な面白さに感動するし、いい映画を見たなぁという満足感で胸がいっぱい。はっきりいってまた見たいです。それくらい何もかも作りこまれてました。Yahoo!で久しぶりにレビュー書きましたがその文章をもとにこちらを一部変えて転載します。

はっきりしたネタバレはしませんが、本編内容の部分で感想を書くので 知りたくない人は読まないほうがいいかも。

ゾンビの血だらけのシーンを嫌う人はキツイかもしれませんが(そこでスクリーンから退場した人もいましたが・・・ここで退場したら何も見ていないのと同じですよぉ(´;ω;`)

最初は、よくあるゾンビ映画を見せてます・・・
がゾンビが本編に実はあまり関係なかった部分 ここをまず高く評価します。どうしてもゾンビに気を取られる観客の心理の盲点を後半ガラッとついてくる、

だけじゃなくて 優しいハートフルなコメディを見せてくれたり、主人公達のやるせない部分もきちんと入れてくる。業界映画というコメントもありますが、そこに描かれるのはどこの世界にも共通する部分なので 観客の共感を得られるでしょう。
細部まで綿密に練られた脚本とカット 構図に、あざとさを感じる人もいるかと思いますが、こうした低予算映画、何で勝負するかというと やはりアイデアでしょう。クラウドファンディング、低予算でしか作れない映画という部分をうまく使って最高級の娯楽を見せてくれた感じがします。とてもシニカルで大人の映画だと思います。
役者さんに関しても すごく熱い。それはテクニックではなく、気迫がこもっているようなものが伝わってくる、無名の方が多いのかと思いますがだんだん物語の進行とともに、輝いてくる それをカメラが追っていくんですね。
コメディとしても 奇をてらうような演出じゃなく きちんと台詞とアクションで見せていくのもとても良かった。 大衆受けすると思うコメディはベタなものが最も好まれると思います、そこを外さなかった点、マニアックな仕掛けを見せながらこうした点は優しくこの映画が多くの人に見られるツボかと思いますね。

映画の中の世界と観客に不思議な一体感を生むようなラスト 圧巻でした。
この映画を楽しむためには、予備知識としてゾンビ登場ぐらいにとどめておくのが無難です、何だか元気が出ない 夏バテでぼっ~とした心でこの映画を見ると見終わったあと清涼感で胸がいっぱいになる、そんな映画です。

この監督の次回作や今後が気になりますね。これだけおもしろいと。これだけの高評価でもただのあるステップで終わる作品になるのか、あるいは唯一無二の奇跡の作品となるのかが・・・。



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かぐや姫の物語 生きている手ごたえがあればきっと幸せになれた

2018-05-19 11:43:42 | 映画

圧巻というか 凄いリアリティですよね。かぐや姫の物語。アニメーションという枠組みを超えた日本が世界に誇る映画です。

昨日金曜ロードショーでノーカット版で放送されましたが、何もかも突き抜けた表現力。この映画にしか見られないような これまで見たこともないような質感。シンプルでいながら温かみのある線と色彩。構図や動き一つとってもスクリーンを意識した大きさがある。具体的にあげるとキリがなく一日かかっても文章が書けないので(笑)

物語は竹取物語を忠実に再現してありますが、それはかぐや姫の人間としての成長をベースにしたもの。人間として生きる苦しみと喜びです、最初は笑うだけの赤ん坊が 怒りを知り知恵を得て それでも自分に忠実に生きたいと願う、自分というものは何なのか?という根源的テーマを追求する部分。

印象として感じたのはかぐや姫は怒りっぽいなと(笑)高貴な姫君という立場を強いられてしまった頃から 怒りという表情がよく見られますね。その置かれた立場は不本意ですが、父親に従うというのは現代的だなと思います。一度屋敷を飛び出しますが いつの間にか戻っている 課せられた宿命を悟るのですが自分の力ではどうしようもない。それを受け入れながら一人で何かと怒りながら戦っているかぐや姫が帝に抱きしめられたことで生命の存在に嫌悪を感じる・・・もうこんな世界はイヤだ生きているのが嫌だというの よく分かる部分です。

かぐや姫がなぜ苦しむのか?それは自我があるからですよね。人間というのは自我がある、それが自分を苦しめ人間を醜くみせているのですが、それを捨て去ろうと思ったらどうなるのか?「悲しみも悩みもありません」という月の都 つまり天に還るわけです。悲しみも悩みもない世界というのは死の世界ではないでしょうか?地球を懐かしむ月の世界の住人がお釈迦様のような風貌をしているのは哲学的です。迎えにくるのもまさにお釈迦様の姿。それは死を思い起こさせるものです。悟りというのは人間のエゴを捨てた状態 幸せという概念をもたない世界なのかなと思いました

ところでこの物語の男性はロクなのがいない(笑)ここは面白いですね。でもそれは 悪気がないんですよ。男性の欲望に忠実なだけで、お爺さんも姫の幸せを願ってのことで それを思うと切ないです。 捨て丸に関して言えば 唯一かぐや姫が愛した男性ですが、ひどいですよね、奥さんと子供を忘れているわけだから(笑)昔話の範疇にないキャラクターでそれが生々しい。高畑監督作品らしい苦さがあります。きれいごとで済まない世界が現実です。それもかぐや姫に全て体験させる。

(ラストの捨て丸とかぐや姫の再会シーン。このシーンの解釈は、色々できますよね。生きている手ごたえを感じる異性と再会し愛し合う、その喜びを飛ぶことで表現する 雨も風も空も空気も海もただただ美しくて)

 最後は月のアップとともに 「かぐや姫」と名付けられる以前の生まれたままの無垢な赤ちゃんの姿が重なる。輪廻転生を感じさせました。それからのエンディングはその歌詞とともに壮大でまさに一大絵巻物を見ているかのよう。世界最古の竹取物語ですが、原文を一度読みたくなるぐらいファンタジックでまた美しい悲しい物語です。

高畑監督は平家物語の構想があったようで それが叶わなかったのは本当に残念です。日本映画界の巨匠、心からご冥福をお祈りいたします。

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オリエント急行殺人事件 感想

2018-01-03 17:24:13 | 映画

お正月だし、映画ものんびりみられるなとミステリ好きの私は、オリエント急行殺人事件を鑑賞。

では感想を。
可もなく不可もなく、というのが私の正直な感想かなぁ。
オリエントは、古典的ミステリ。もう謎解きの部分より、どうやって多人数のキャラを個別に魅力的に描くかとか、物語に感情移入出来るかとか、名探偵ポアロの人間をどう表現するか、またオリジナリティを感じたかなどを鑑賞のポイントにした。

私にとってポアロは、テレビシリーズのイメージが強いので、どうしても主役のK.ブラナーがイギリス紳士にみえちゃうんだよね。ポアロはベルギー人なんですが、その葛藤が人種差別的なことにも絶対noという立場をとらせる。この作品では、黒人の医者が嫌疑にかかるなら、真犯人を見つけるというポアロの態度で表現したんだなと思ったけど、何か浅いんだな。
薄いというか。映画は時間の制約があるから、こういった細部にまで描くのは難しいだろうが。
おそらくこれがブラナーの考えた新しいポアロ象なんだろう、アクションも見せたし。
ポアロがデビッドになったかと思わせるほどのテレビポアロを見てしまうと、やはり、ブラナーがポアロを、演じている感。ブラナーの個性が前面に打ち出されたポアロでこれは、好みが分かれる部分かと思う。

12人の容疑者も、まぁ豪華出演者だが、ラストまで、なんかグッとこない。感情移入があまり出来ない。泣けたけど😃さらりとしてる。J.ディップ大好きだし、悪役もかっこいい、ただもっと脚本が良かったらより魅力的な悪人になってたかも。アクみたいなものがない、スッキリした作品。

自分にとって何が足りないのかなと考えてみた。
例えばアームストロング家の悲劇的なシーン、回想シーンが少なすぎかなと思う。
テレビポアロより、短かったように思う。また1974版のオリエントは、この悲劇の見せ方がとても巧み。だから謎解きとしての完成度、カタルシスが観客に伝わる。重要なシーンだけど、意外と短いなと感じた。

登場人物の描かれ方も、あっさりしていた。例えば伯爵、全てにおいて行動が単調過ぎるし(笑)。
もっと、12人、それぞれの複雑な心情や葛藤があったのに、それが台詞で描かれない。
食事シーンも当時のイギリス上流階級を再現した夢のような豪華さ。見ていて楽しいが、比べるとやっぱり浅いんだな。テレビポアロは45分でもしっかり味や香りまで表現するような脚本。
  
この作品で、一番素晴らしいのは映像美。豪華列車が走るその姿、そびえたつ雪山の自然の背景が迫力ある。スクリーン見てるだけで寒そう(笑)臨場感あふれる映像。

構図的に、狙っているかのような感じも気になった。それでいて、意外にワンパターンで。シャーロックじゃないので派手さは、不必要だが、古典的なミステリにあった手堅いものを期待してたのに。特にラスト、あの構図は今までにないオリエントで、新しさを感じるけれど、物語の整合性から考えるとあり得ないんじゃないかなぁ。

ただ、始めて🔰オリエント急行を見る人には、面白いかもしれない。あっさりしている分を分かりやすく、それだけアガサの結末が新鮮に感じるだろう。

若い人もこれを、きっかけに原作読んだり、ポアロ見て欲しいなぁ。素晴らしいから。

BSドラマ「オリエント急行殺人事件」泣ける~ - パソコン上達日記2




あーお正月休みが終わる。
結局PC は、治らないまま。
(。>д<)



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龍三と7人の子分たち 感想

2017-10-09 22:07:23 | 映画

BSで録画したものを父と見た。父が結構笑っていたので、誰もが楽しめる分かりやすい娯楽映画だと思う。

北野監督のアウトレイジシリーズは、私は大好きでシリーズ見ているけど、(特にいいのがやはり1・次に2)このアウトレイジのパロディ。アウトレイジはアウトローの映画だけれど、何となく組織の中で正義を通すとどうなるかという個人の哀愁をアウトローに演じさせたみたいなものがある。そこがいいんだけど。

ではこのパロディはどんな感じか?☆をつけるなら、3・5くらいかな。

物語的に前半は結構面白かったけど、後半は少しダレ感。ラストは、死人の扱い方(大爆笑)他カーチェイスも、面白いし笑えるけれど、今一歩で、爽快感が足りなかった。どうしてなのかな。何とか連合の会長?というの、若い奴らが、あまりに弱すぎる。わけがわからないまま、ナインダーツに驚いて逃げるのもなぁ。迫力不足。かといって、アウトのような暴力・残酷シーンばかり続けるわけにもいかず、難しいとこ。でも笑えるから、まぁいっかという。

この映画の見所は、肩の力を抜いて笑って見られる台詞のやり取りを愉しむ。定番のやり取りね。

あと藤竜也氏が、あまりにお洒落でカッコイイ。ジジィと言われているけれど、こんなにカッコイイジジィがいるでしょうか。いません。(笑)近藤正臣氏も、若頭役でものすごくカッコイイ。特に藤竜也さん…この方の台詞のテンポ、言い回し、これが北野監督のアウトレイジのキャラっぽい。すごく雰囲気が出ていて、あ~さすがだなと思った。北野監督が演じるキャラとは違うのだけれど、間合いとか、とても似ている。似させているような気がするけど…だからよけいパロディ部分が面白いんだよなぁ。また藤オジサマが見たい。あのカッコよさは女性に活力を与えると思う。若い俳優さんもいいけど、渋いこういった役者さんが今あまり出ていないし。

明日から仕事。ツイッターを始めたんだけど、まだ何もつぶやいていない。(笑) 

 

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