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気ままに生活してるシニアの残日録

映画「九十歳。何がめでたい」を観た

2024年06月28日 | 映画

映画「九十歳。何がめでたい」を観た、シニア料金1,300円、2024年製作、99分、監督前田哲、今日はシネコンの比較的大きな部屋、結構中高年の人が観に来ていた。

作家の佐藤愛子が日々の暮らしと世の中への怒りや戸惑いを独特のユーモアでつづったベストセラーエッセイ集を、草笛光子主演で映画化したもの

これまで数々の文学賞を受賞してきた作家の佐藤愛子は、90歳を過ぎた現在は断筆宣言して人づきあいも減り、鬱々とした日々を過ごしていた。そんな彼女のもとに、中年の冴えない編集者吉川がエッセイの執筆依頼を持ち込んでくる。最初はけんもほろろに断って追い返していたが、吉川の情熱に負けて書き始めることに。そうしたら意外と人気を博し、何万部も売れ出したが・・・・

編集者の吉川を唐沢寿明、愛子の娘の響子を真矢ミキ、孫の桃子を藤間爽子、吉川の妻麻里子を木村多江が演じた。

観た感想を述べてみよう

  • 佐藤愛子(1923)は知っていたが、彼女の本は読んだことがなかった、今年で100才だ、すごい女性がいたものだ、この映画を観て感心した
  • 映画の中で佐藤が吉川に頼まれたエッセイを書くが、その最初のエッセイは自宅の隣が公園で、子供の騒ぐ声がうるさいと文句を言う老人についてだ、佐藤はこの老人だって子供のころは楽しく騒いでいたくせに老人になるとうるさいという身勝手を批判し、子供の遊び声が聞こえるのはうれしいことだと書いた、その通りだと思う。
  • 最近もそんなニュースを聞いた、しかも公園で遊ぶ子供の騒ぐ音に文句を言っているのがある大学の名誉教授だというからあきれた。文句を言われた市町村は、このようなクレーマーの騒ぐ音にはすぐに反応して公園の廃止を決めて、遊具の撤去工事をしたら、今度は別の市民がその工事の騒音がうるさいと言ってきた。醜きもの、それはエゴだ。
  • 佐藤担当のリストラ寸前の編集者を唐沢寿明(1963)が演じていたが、その編集者吉川信也は会社では部下に対するパワハラで内部告発され、家では妻や子供のことに一切関心を示さない典型的な昭和の父親、その妻が新聞の人生相談に「こんな夫との関係をどうしたらいいでしょうか」と投稿すると、佐藤が「きっぱりと私はあなたを嫌いです」と言いなさいとアドバイスし、最後は結局そう言って離婚するが・・・
  • 時代の変化についていけない人、と言えばそれまでだけど、私は同じ昭和のオヤジとして吉川に同情を禁じ得なかった、まあ、こんな極端な例はないだろうが最近のセクハラ、パワハラ、○○ハラスメントというのは行きすぎではないか、ただ、唐沢寿明というのはこういうキャラが得意なのだろうか、よく知らないが、あまり適役ではないような気がした
  • 佐藤を演じた草笛光子(1933)も90才か91才だ、だが本当に元気である、90才過ぎてなお現役というのがすごい、映画の中でも佐藤が「だらだら何もしないで過ごしてはダメだということがわかった」と言っていたが、その通りでしょう。私はその意味を生涯現役で仕事をしなければダメということではなく、仕事を引退しても、熱意をもって取り組むことがあり、イキイキと生活することだと思う
  • 三谷幸喜が佐藤を乗せたタクシーの運転手で出ていたが、ご愛嬌でしょう、演技のほうはイマイチだった、ヒッチコックのようにちょっとだけ出るほうが良いのでは

元気が出る映画でした



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