今日はゴルフの後、帰り道にある下館の板谷波山記念館に行ってみた。初訪問である。入場料は210円と安い。
板谷波山(1872-1963、91才没)は茨城県出身の、明治後期から昭和中期にかけて活動した陶芸家であり、「波山」は故郷の名山である筑波山に因む。日本の近代陶芸の開拓者であり、陶芸家としては初の文化勲章受章者である。テレビでもよく紹介されているし、映画もある。
彼の作品はこの記念館だけでなく、直ぐ近くにあるしもだて美術館、ちょっと離れた広澤美術館にもあるが、この記念館だけまだ行ったことがなかった。
記念館の中に入ると、波山の生まれ育った家があり、その横に作品展示室、奥に作業棟があり、その中には東京の田端にあった窯を移築したものが展示されている。そして波山の映画の一部も放映されている。この映画を観ると、この窯(だと思うが)を初めて作って火を入れたとき、なかなか温度が上がらなかった、しかし、所定の温度まで上がらないと陶芸は失敗に終わり、波山の夢は終わる。そこでもう燃やす薪もなくなって最後は家の雨戸を全部薪がわりにして温度を上げたことが映されていた。
焼き窯の温度を上げることがいかに大変かは2、3年前の朝ドラ「スカーレット」を見て初めて知ったので波山夫婦の苦労のほどが想像できる。
波山は第2次大戦後、地元の戦没者の遺族や80才以上の高齢者に香炉や鳩杖を贈呈した。波山の人となりがうかがえる話である。
5月20日からは、波山没後60年の節目として「陶の詩人」と題した板谷波山記念館としもだて美術館の連携展示(後期)が開催されるそうなどで、今度はそれを観に行きたい。
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