寒、寒、おぉ寒

2018-12-10 09:42:43 | 俳句
自遊律俳句 高木秋尾個人誌「水馬」(みずすまし)が届いている。

    夫とは鮟鱇のごと吊るすもの    21号「寒し寒」(2018.11.20)

おお、寒ッときた。

    誤字脱字修正液や返り花      

語感で遊び、最後に「返り花」から遊女をイメージすると意外な一コマが想起できます。

    夜空飛ぶ箒にしたき葱の白

こんなお茶目な魔女もいいなあ。

    青空をキックしてから木の実落つ   20号「散りぬるを」(2018.10.20)
    草の根に寝そべっても木の実かな   19号「呪の宴」(2018,9.19)

この動と静の木の実、我が身に沁みる。

    稲架(はさ)の陰ちらりと見えるこびと村  20号「散りぬるを」(2018.10.20)

なつかしい谷内六郎の絵が浮かびます。

    秋の蝶落ちる果てには線路かな

この句の遠近には郷愁を感じます。

    あおざめて地球は走る吾亦紅

ものの見方受け取り方「あおざめて」「走る」に同調してしまいます。

これは高木さんには珍しく「らしく」詠まれたなあと見せられた(魅せられた)のが次の句です。

    材木の置場に鑿や秋の暮

「クオリティの高い俳句ではなく、ゆるきゃら俳句で楽しもうという。きわめて個人的な、しかも安易な発想がさきにあった。寸止めのテクニックは私には無いのである。」(20号) 「多摩三郎」「蝦蟇」などの自身のゆるきゃらを持つ高木秋尾氏の<自遊>な発想はぼくの日常に素敵な味を届けてくれるのです。こんな句も諳んじています。

    爪先の冷たくなりぬ眼鏡拭く    10号「寒のころ」(2017.1.25)
 




コメント (2)
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