エディット・ピアフの歌を聞きながら、去年送って頂いた詩誌「RAVINE」200号を開いていた。1961年の創刊、55年の歳月を編んで来られた詩人の方々に敬意を表します。私がこの詩誌から感受した「詩の空間」はさまざまであり、折々に言葉の鮮度を味合う空間でもありました。今号の薬師川虹一氏の詩「リンゴの花」を今面白く読んだところです。
リンゴの花
いったいわし
何のために生まれてきたんやろ
そんなこと考えても
しゃあないとは判ってるにゃけど
近頃時々そんなこと考えるんや
お前そんな時あらへんけ
終末が近づいて来たんやろか
近頃季節も変やしなあ
鉢植えのひめリンゴが
暑さに負けて枯れたとおもてたら
奇麗な緑の芽をふき出しよってなあ
なんと花まで付けよった
九月やで いま
狂とるでホンマ今頃花付けて
どないするちゅうねん
一体何のため花付けてん
なんぞしょおむないこと
考えたんとちゃうけ
わしといっしょやなあ
人間って瞬間瞬間に色々なことを考えて、考えては忘れている動物だと思います。真剣に考えなければいけないことを途中でやめてしまったり、どうでもいいことをウダウダ考えたり、この都合の良さが正常であるかもしれません。この詩の「一体何のため花付けてん / なんぞしょおむないこと」(しょおもないこと、だと思います・筆者)とは「いったいわし / 何のために生まれて来たんやろ」ではないでしょうか。そんなことを考えた自分を「九月やで いま / 狂とるでホンマ今頃花付けて」と花になぞらえる。人間の瞬間の考え事を遊び心のように揶揄した「わしといっしょやなあ」この言葉の鮮度に平服してしまいました。
陽射しの温かい穏やかな正午です。小腹もすきました
今流れている曲は「ミロール」
Allez, riez Milord... さあ、お笑いなさい、ミロール・・・・
Allez, chantez Milord... さあ、お歌いなさい、ミロール・・・・
La...la...la...la...li... ラララ・・・・ラリ・・・・
(CD「エディット・ピアフ」対訳 橋本千恵子/大野修平)
リンゴの花
いったいわし
何のために生まれてきたんやろ
そんなこと考えても
しゃあないとは判ってるにゃけど
近頃時々そんなこと考えるんや
お前そんな時あらへんけ
終末が近づいて来たんやろか
近頃季節も変やしなあ
鉢植えのひめリンゴが
暑さに負けて枯れたとおもてたら
奇麗な緑の芽をふき出しよってなあ
なんと花まで付けよった
九月やで いま
狂とるでホンマ今頃花付けて
どないするちゅうねん
一体何のため花付けてん
なんぞしょおむないこと
考えたんとちゃうけ
わしといっしょやなあ
人間って瞬間瞬間に色々なことを考えて、考えては忘れている動物だと思います。真剣に考えなければいけないことを途中でやめてしまったり、どうでもいいことをウダウダ考えたり、この都合の良さが正常であるかもしれません。この詩の「一体何のため花付けてん / なんぞしょおむないこと」(しょおもないこと、だと思います・筆者)とは「いったいわし / 何のために生まれて来たんやろ」ではないでしょうか。そんなことを考えた自分を「九月やで いま / 狂とるでホンマ今頃花付けて」と花になぞらえる。人間の瞬間の考え事を遊び心のように揶揄した「わしといっしょやなあ」この言葉の鮮度に平服してしまいました。
陽射しの温かい穏やかな正午です。小腹もすきました
今流れている曲は「ミロール」
Allez, riez Milord... さあ、お笑いなさい、ミロール・・・・
Allez, chantez Milord... さあ、お歌いなさい、ミロール・・・・
La...la...la...la...li... ラララ・・・・ラリ・・・・
(CD「エディット・ピアフ」対訳 橋本千恵子/大野修平)