「樹影の中の鳩笛」-読書サークル35年ー 著者鈴木金雪
著者が自分の生い立ち、青春時代を振り返りながら、現在関わっている読書サークル「二流の会」を通して、「学ぶ」ことの在り方を記している。社会と自分、そして友人との関係を、著者の体験を通して見つめなおすことができる。著者の詩から一部引用しておきます。
モノにはそれぞれ形状や材質などで
物そのものの固有振動数がある
最も大きくゆれる自由な振動
それが固有振動である 詩〈固有振動〉より
そしてこんな風に記す。
人間は何歳になっても自分を変えることができる。そう信じたい。しかし、その為には元
の器の形をしっかりとらえる必要があると思う。これが、原風景探求の意味ではないだろう
か。原風景探求とは、単なる回想だけに終わるものではない。それは、原点にある過去の
風景から「自分の中に生きる他者」を見ること、あるいは「他者の中に生きる自分」の声を
聞き、両者の成熟へと通じる鉱脈を、掘り起こすことではないだろうか。
-〈Ⅰ詩および詩をふくむ散文〉ー より
ここに書かれた言葉は、著者の生き方そのものである。
喜怒哀楽書房発行 950-0801新潟市東区津島屋7-17
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