








敢えていえば、「悲しい」ではなく「哀しい」。もっといえば、「哀しい」でも十分ではない。日本語の「かなしい」は、かくも深く多様な意味を持っている。これを英語ではどう表現するのだろうか。多分、即物的になるのだろうなと思って調べてみた。いちいち挙げないけど、英語にも「かなしさ」を表現する言葉は沢山あった。もしかしたら日本語以上に多彩かもしれない。とても使い分けられない。つまり人類には数え切れないほどの「かなしさ」があるのだと、今更ながら気づいた。
さて、11月の酒田市(山形県)の町並みである。11月の冷たい雨に濡れた酒田には、言いようのない「哀しさ」が溢れていた。それは単一的な「かなしみ」ではなく、様々な感情(正反対の感情)を抱合している。僕の解釈ではなく、見る方の解釈が何よりも優先されるだろう。一点だけ補足する。最後のカットは、キャバレーロンドンの跡地である。今年になってキャバレーロンドン(廃業して久しい店舗跡)は解体された。
X-PRO3 / Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical