秋田県の旧・十文字町(現・横手市)。なにより「十文字」という名前に惹かれる。気になって由来を調べた。この辺りは、羽州街道と増田街道が十文字に交わる辻であり、それが町の名の由来だ。もともとは無人の荒野で、吹雪などで迷う人も多かった場所だという。それでも街道が交わる場所なので、発展する要素は持っていたのだろう。
話はガラリと変わる。僕の親戚筋で、江戸後期から明治初期頃に単身ロシアを目指し、行方不明になった人がいる。西伊豆からロシア。どういう事情があったのかは知らないが、契機となったことは想像できる。江戸時代末期に西伊豆でロシアの軍艦が沈没した事件があった。この艦は幕府との外交交渉(日露和親条約)のため伊豆下田に来航していた。ところが運が悪いことに、1854年の東海大地震に遭遇し、その津波で大損壊を受けてしまう。修理のために西伊豆の港に向かう途中で沈没してしまった。沈没した際には乗組員全員が救助され、西伊豆の小さな村に収容された。最終的には、そこで新たな船を建造し、ロシアに帰っている。この出来事と、ご先祖様のロシア行きには何らかの関係があったに違いない。旨いこと言ってロシア船に乗り込んだに違いないと僕は想像しているが、徒歩で陸路を北上し北海道経由で渡ろうとした可能性もある。もしかすると途中で、この十文字町を雪に吹かれながら歩いたかもしれない。何を馬鹿なと思うことなかれ。想像することは、すなわち創造することである。もし事実であれば、僕がこの十文字町に惹かれる理由も説明がつく。
追伸:同じく横手市に旧・雄物川町という所がある。そこには、読売巨人軍で活躍したロシア人の大投手、スタルヒンの墓がある。スタルヒンの人生は波乱万丈。最後は奥さんの実家がある雄物川町に眠る。僕のご先祖さまも、ロシアの何処かで眠っているのか。秋田県民となったのか、それは神のみぞ知る。
LEICA M10 MONOCHROME / APO-LANTHAR 35mm F2 VM
その波乱万丈の人生が、たった40年であったことを痛ましく思いますが、写真で見ると、思いのほか明るい目をした人であることに、救われもします。
今は雄物川町で安らかに。
私の亡き祖父が旧制中学の野球部に在籍中、スタルヒンと対戦したと聞いたことがありました。その時は、へぇーそうなの、という程度で、よく聞きもせずに、今になって悔いています。
スタルヒンの球を、祖父は打てたのか?いずれ私も向こう側へ渡ってからの楽しみにとっておくことにします。こっちにいる間に聞くと、話を盛られちゃったかもしれませんし。
今年も遠出はできませんでしたが、6×6様の写真を通して、気持ちだけの旅を何度か楽しみました。ありがとうございました。来年も、実り多い町歩きになりますように、応援しております。
では、よいお年を。銀次郎先生も、ご機嫌よろしゅう。
追伸
除雪疲れ、くれぐれもご自愛ください。どこでもドアでお手伝いに馳せ参じたいところですが、もうドアが開かなさそうですね。
ドカ雪、大丈夫ですか? いくらクリスマス豪雪とは云え、正月前にいきなりここまで根雪を積まなくても。と、見ているだけで思います。
しかし、今日の写真を見るに、雪の量と曇天とそれで段々色彩が消えていく様子を思い出します。いやあ、凄い写真です。
そう言えば、川反と言えば大鵬の母も奥さんも秋田だったりしますから、こっちで思ってるより日本海の往来は盛んで、船なり陸路なりで、という話はリアルな気がします。
年の瀬も詰まって参りました。雪除け等大変でしょうが、お身体お大事になさってください。
この日、見かけたのは駅の待合室に2人。
あとはクルマで通り過ぎる人だけでした。
多分、そういう時間に町に行く宿命なのかも、と思ったりします。
偶然、秋田でスタルヒンの墓を発見し、何故??と。それから色々調べました。
本当に波乱万丈の人生なんですよね。
ロシア革命で国を追われ、よりによって極東の日本に亡命し、普通に学校に通って、普通に野球を始め、プロ選手になる。
しかも、しまねこさんのお祖父様が、対戦されたとは!!。
人生って、普通に考えれば縁がなさそうなものが見事に交差していたりするから面白いですね。
もうそれだけで、一つの物語が書けそうです。
追伸:今年も残すところ少なくなりました。一足早いですが、よいお年をお迎え下さい。僕は肩を少し怪我しまして、年末年始は車での遠出が出来るか微妙です。です。
雪は結構降りましたが、北陸などと比べれば大人しい方かもしれません。
でも寒いので(マイナス5℃くらい)、吹雪やホワイトアウトで大変でした。
クルマの事故はありませんでしたが、降りた途端に転倒(身体が宙に浮いた)し、肩を怪我しました。お恥ずかしい。
交通事情も決して良好でない時代、東北との往来をした方たちは凄いなあと、改めて感服しています。
野猪さんには僕のような間抜けなことはないと思いますが、ご自愛下さいね。