僕は西伊豆にある海沿いの町で生まれ育った。西伊豆には鉄道が通っていない。海の背後には山が連なり、隣の町に行くのには山を越えなければならなかった。小学生の僕にとって、自力で山を越えることは困難だった。だから僕はしょっちゅう海を眺めて、この海が世界中と繋がっているんだと自分に言い聞かせていた。そんな小さな町で起こった出来事の想い出をひとつ。
小学生の一時期、僕は柔道を習いに行っていた。あまりに細くて華奢であることを心配した両親が、知り合いの柔道場に僕を送り込んだのだ。平日の夕方、週に2回ほど道場に通った。道場には近所のT君と一緒に歩いて通っていた。海沿いにある松林の公園を抜けて道場に通う。帰る頃になると辺りは真っ暗で、天気の良い日は頭上を見上げると満点の星空が広がっていたものだ。そんなある日、僕とT君はいつものように柔道練習を終え、道場から家に向かって歩いていた。松林の中で頭上を見上げると、いつもは目に入らない何かが頭上にあった。それはオレンジ色に光る物体で、不規則な動きで飛んでいた。星よりは遥かに大きくて、月よりは小さかった。まるで蝶が舞うように不規則に飛び、時折鋭角にターンをした。胸が激しく鼓動を打った。もう典型的なUFOである。絵に描いたようなUFOである。今のようにスマホとかデジカメを持っていれば確実に撮影できたのに・・・。そのUFO(未確認飛行物体)を発見した時、僕たちが感じたのは嬉しさではなく恐怖だった。単純に恐ろしかった。それが降りてきたり、襲ってくるような気がしたのだ。二人は一目散に駆け出した。もうすぐ公園の出口(バリケードのようなものがある)という時、勢い余った僕は激しく転倒した。何が起こったのかはすぐに分からなかった。激しい衝撃を感じ、気がつくと地面に転がっていた。多分、柔道練習の成果で無意識に受け身を取ったのか、大きな怪我にはならなかったのが幸いだ。転んだ僕の目の前には、大きな松ぼっくり一つ転がっていた。随分と大きく見えた。遠目に僕を置いてそのまま走っていくT君の姿も見えた。視線を動かすと、頭上に例のUFOが揺らめいていた。もう駄目だ、僕は捕まる。そう思うのと同時に意識が遠のいた。
しばらくすると、僕は誰かに起こされた。濡れたタオルで顔を拭いてもらった。それは公園の出口付近に住むおじさんで、T君が呼んで来てくれたのだ。本当はこのおじさんがユニークな人なのだが、話が混乱するので今回は割愛する。僕とT君は、おじさんにUFOのこと興奮して話した。おじさんは全く取り合わない。オレンジ色の葉っぱが落ちてきたのだと言う(その言葉が印象に残っている。季節は秋だったのだろう)。そんなんじゃない、もっと不思議な動きをしていたし、オレンジ色に光っていた。葉っぱと見間違える訳がない。勿論そう主張したけど、相手にされない。「転んで頭を打ったんだよ。家まで送るから、今日は休みさない」。僕とT君は何となくその出来事を他の人に話してはいけないと思い、それは二人の秘密となった。翌日以降も他の友人にも話すことはなかった。それから一年くらい経ち、西伊豆の海にUFOが出るという噂が広がるようになった。地元の新聞社やテレビ局が取材に来た。これといった取材成果はなく、噂はいつの間にか立ち消えになった。あんなにハッキリとしたUFOを見たのは、後にも先にもない。僕は今でも、転んだときに目の前にあった「松ぼっくり」、そして一心不乱に逃げていくT君の姿、そして頭上で蝶のように舞うオレンジ色の物体を鮮明に思い出すことが出来る。あれは一体何だったのだろうか。今の感覚でいえば「ドローン」が最も近いけど、その当時には存在しない。UFO目撃事件の前後(時期は忘れてしまった)、米軍のヘリコプターが海岸に不時着したことがあった。今にして思えばUFO目撃現場から数百メートルの場所だった。何か関係があると思うが、今になれば真相は闇の中である。
X-PRO3 / XF23mm F2R WR
公園の出口に住むおじさんはハグリッド…(笑)
オレンジの光は、米軍のヘリ?
でも6×6様の目の前にわざわざ松ぼっくりを残すなんて、きっとそれはUFOの仕業に違いありませんo(・x・)/
貴重な体験(証言)ありがとうございます。
佐渡の両津で育った私の知人(女性)も子供の時に海辺でUFOを見たと言っていました。そのショックで言語障碍者になってしまったのだそうです。
その彼女は80代半ばで亡くなられましたが、私もUFOはいるのだと思います。
ただの転倒ではないような・・・松ぼっくりが何よりの証拠です。私は信じます。
さて、そちらは暑そうですね。北海道や東北が沖縄よりも暑いって・・・こちらの方が不思議です。エアコン、治ってよかったですね。
随分と前、NHKで『ロズウェル』だったか海外ドラマにハマっていました。
でも、2期くらいまで放送して、最後が放送されませんでした。
あの頃は完全フィクションだと思って見ていましたが、今は半分マジかもと思っています。
今からでもあのドラマ、最終章を放送してほしいものです。
私もまじかではありませんが、景色の中に「らしき動きのもの」を見ました。
時間的には5~10分
30代前半の頃、2度見ています
2度ともまだ明るい午後の3時過ぎから夕方でした。
何かわからないですが、たしかに存在します。
各町に信じがたいキャラクターも存在しました。
でもこのUFOは??。ちなみに米軍のヘリが海岸に不時着した時(夜)、英語を話す人が見つかりませんでした。僕の父親に白羽の矢が立ちましたが、どこかで麻雀をしていて行方不明。
友達の母親が見事な英語で対応しました。何者だったのか不明ですが、外語大に行きたいと思った最初の出来事でした。
あまりにはっきりと見ると、僕も恐怖でパニックになったので、お知り合いの件は何となく理解できます。
まあ僕のものは照明弾的なものかと思いますが、別の何かを追っていたのかも。海を見ていると何が出ても不思議ではないと思えます。
そもそも出現ポイントの方向は清水から御前崎方向で、そっちに基地があるとも思えません(笑)。
何か理由があると思うのですが、もう解明できませんね。
嗚呼、こういう話を聞くと今日はYouTube三昧になりそうです。
追伸:日本カワウソを小学生の時に伊豆で見たというネタもあります。いつかこれも。
誰もタコみたいな宇宙人が操縦する宇宙船、とは言っていませんよね。
通常の生活や常識では認識できない物体(明らかに自然現象に見えないこともある)がある。
それは間違いないのですよね。問題はそれが何かですが、解明してもらえるのであればして欲しいものです。
意外とタコみたいな宇宙人だったりして(笑)。