“トランプバブル”に沸く日本株市場だが、「この好調はいつまで続くのか?」という疑念は尽きない。
株価の乱高下が懸念されるなか、市場関係者たちが「爆騰Xデー」として注目する日がある。トランプ氏が大統領に就任する、「2017年1月20日」である。
本誌・週刊ポストは経済のプロ15人に就任会見を控える「1.20」の日経平均株価の予想とその理由について聞いた。
最高値の「2万1000円」と予想したのはファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦氏。根拠となるのは、トランプ氏が導入を公言する「本国投資法」だ。
「アップルやグーグルなどグローバル企業は米国で儲けたお金を法人税の安い海外に移転しています。トランプ氏は大企業の米国内での投資を活発化させるため、海外から企業の資金や利益を国内に還流させる際に、税率を極端に優遇する『本国投資法』の導入を選挙中に公言していた。2005年にブッシュ政権が同様の政策を実施したら約15円の円安が進みました。トランプ氏がこの政策を実際に行なう意欲を見せれば、日本市場への強力な追い風となり、株価はハネ上がるでしょう」
この「1.20」が2万円の大台を超えるタイミングだとする向きもある。
マーケットバンク代表・岡山憲史氏がいう。
「株式市場は優秀なビジネスマンであるトランプ大統領就任を歓迎しており、1.20に向けて相場は上昇する。経済成長率を2倍にすると公言するトランプ氏への期待感の高まりは就任日に最高潮に達するだろう」
カブ知恵代表の藤井英敏代表もこう話す。
「私は就任までに今の期待感が一旦落ち着くと思います。そこで調整として、トランプ氏によるさらなる政策の発表があるのではないか。そうなれば、新大統領誕生という“お祭り”に合わせて日経平均も2万円を目指していくと思う」
同じ2万円でももっと強気な予想を立てるのが、武者リサーチ代表の武者陵司氏だ。
「トランプ氏の具体的な政策として、老朽化したインフラの更新・新規投資、エネルギー規制の緩和、住宅投資の促進などが予想されます。これらの財政政策で現在2%程度とされる米国の潜在成長率は大きく改善され、日本の株式市場にとっても大きなプラス材料になるので、今後も株価はほぼ一本調子で上がっていくだろう。1月20日には2万円に到達すると予想しますが、それも単なる通過点にすぎない」