賞金ランキングトップ10入りした選手のスイングから強さの要因、そしてアマチュアが参考にすべき部分を探る“Playback LPGATour2019”。第8回は今季初勝利を挙げた小祝さくら。レギュラーツアーフル参戦初年度から2年連続で賞金ランキング8位と活躍を見せた21歳のスイングを指導するプロコーチの辻村明志氏が解説する。
これが小祝さくらの“チャー・シュー・メン”!【スイング動画】
今季のティショットのうまさを示すトータルドライビングでは5位と、“飛んで曲がらない”ドライバーショットが持ち味の小祝。自身もドライバーを得意クラブに挙げるが、コーチを務める辻村氏が小祝のスイングで良いポイントに挙げたのが、「フィニッシュがピタって決まるまで振り切れる。小祝さんのフィニッシュバランスは、押してもブレないまさに『巌の身』です」という。
「プロゴルファーの多くの選手がタイミングが合わなかったときにスイング中に手を放すとか、力を緩めるとかありますが、彼女はそれが一切ない。それは最後までスイングが緩まないからです。なぜ緩まないかと言えば、小祝さんはリズム感と力むポイントのズレが本当に少ないから。もちろん、それらが悪いことと言うわけではなく修正力でもありますが、そういった動作をしなくても大丈夫なケースが多い」
小祝が持つリズム。それは「常にもう何の行動をしても一定。天性の要素もある」としたなかにも、後天的な部分も多分にある。それは辻村氏が『どうやってスイングのリズム作ったか』を聞いたときのこと。「『“チャー・シュー・メン”とお母さんに言われてリズムを徹底して練習していました』と言っていました。そこで磨かれた部分も多分にあると思います」。昔からある“チャー・シュー・メン”ドリル。何が身について、どこに気をつけなければいけないのか。
「テークバックやトップ、ダウンスイングなどのそれぞれのポジションとリズムはリンクしているんです。リズムが変わって、各部位の位置がずれているから形が変わっているように見えているだけ。タイミングとリズムが変わるから ポジションも変わる。特にタイミングのズレはフィニッシュバランスに大きく影響します。そこを修正しようとプロは右手を離したり、力を緩めたりしてリズムを正そうとしているわけです。それを“チャー・シュー・メン”と1つの言葉があることによって、チャーの時はここ、シューの時はここ、メンの時にボール捉える、とリズムのなかで動きを覚えられる。もちろん、別の言葉でもいいのですが、何かそういったものが1つあることで“ポジションのズレ”は減ってくると思います。形にばかり意識がいってしまうとリズム感は良くなりません」
逆を言えば、調子が良い時も悪い時もスイング自体はそんなに変わってないケースが多いと辻村氏。「調子によって一番変わるのがタイミングとリズム。例えば、小祝さんもアマチュアのころからヘッドスピードはかなり上がっていますが、基本のリズムはほとんど変わっていません。スイングを作るときはリズムも一緒に作る、を頭に入れて練習するとラウンドのときのズレも減ると思いますよ」。
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、山村彩恵、松森彩夏、永井花奈、小祝さくら、吉田優利などを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。著書には『ゴルフ トッププロが信頼する! カリスマコーチが教える本当に強くなる基本』(河出書房新社)、『ゴルフのトップコーチが教える スウィングの真髄』(日本文芸社)がある。
以上、アルバニュ-ス
切り返し移行、左腰が頭より後ろにムーブしていることがポイントのように思える。
そうすることで前傾が保たれ、左サイドの伸びあがりも抑制されていると思う。
だから、フィニッシュが決まる。
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