情報と物質の科学哲学 情報と物質の関係から見える世界像

情報と物質の関係を分析し、波束の収縮問題、心身問題、クオリア、時間の謎に迫ります。情報と物質の科学哲学を提唱。

物理学者は測定器の本質を誤解 「測定値=物理量」ではない

2021-01-16 09:55:59 | 情報と物質の科学哲学
物理学者は、測定器を普通の機械であると理解しています。
しかし、測定器には他の機械に見られない特異な性格があります。
測定器が測定値という情報を出力する機械だからです。

物理学者は、測定値は物理量の一種であると勘違いしているようです。
秤、物差し、時計などの目盛がそれぞれの物理量の大きさを表しているからです。
測定値に(グラム、センチ、秒などの)単位を付けて表すので、物理学者に「測定値=物理量」という固定観念を植え付けてしまったのです。
そのために測定値が情報概念の一種であることに気づかなかったのです。

測定器は、入力物理量と基準物理量との比を測定値として表示します。
比という概念は無次元量ですから物理量ではあり得ません。
従って、比を表す測定値は物理量ではなく情報概念の一種なのです。

物理学には情報概念がないので測定器に関する現象を物理学だけで説明することは原理的に不可能です。

測定は、測定値をカードに印字して出力した時点で終了します。
測定値をいつ誰が読むのかは測定とは無関係です。
従って、観測問題において観測者が猫の入った箱の中を覗いた見た瞬間に波束の収縮が起こるという主張は無意味です。