この宇宙にあるすべての現象は、物理法則で完全に説明できると主張するのが物理還元主義です。
物理学者も基本的にはこの主張を信じています。
以前のブログで物理学に欠かせない測定器という機械が、測定値という情報を定義し、それを情報表現物質で表現して出力するということを述べました。
この過程を簡素化したモデルを示します。
(1)測定したい物理量が測定器に入る
(2)この物理量と測定器の基準とを比較し、測定値情報を得る(測定値の定義)
(3)便宜上、入力物理量が基準量に比べて
大きい場合には測定値情報を”↑”、小さい場合には測定値情報を”↓”と表現し定義する
(4)測定値情報は抽象的概念なので、これを情報表現物質(記録カード)で表現する
(5)”↑”または”↓”と印字されたカードを出力する
(6)測定者は、そのカードに印字された矢印から基準物理量と入力物理量との大小関係に関する情報を読み取る
以上の説明についてはいかなる物理還元主義者でも認めざるを得ない筈です。
その一方で物理還元主義者や物理学者は宇宙で起きる現象はすべて物理法則で説明できると主張します。
つまり、測定器における測定値という情報概念を物質的概念に還元できる、あるいは、消去できるというのです。
しかし、この測定器の出力カードに印字されているのは”↑”または”↓”であり、両者の違いは矢印の向きだけです。
矢印の印字は同じインクを使用しているので、両者に物質的な違いはありません。
従って、測定値という情報を物質に還元することはできません。
物理還元主義者や物理学者は一方で測定値情報の存在を認めていながら、一方ではそれを消去あるいは物質に還元できるとします。
このような矛盾した主張は、極めて不可解なものです。
物理還元主義者は、心脳同一説に見られるように脳におけるクオリアや意識などは物質現象に還元できる、あるいは、クオリアや意識という概念を消去できると主張します。
これは、先の情報概念の消去あるいは物質への還元の主張より遥かに不可解です。
詳細は、パソコンサイト 情報とは何か 情報と物質の関係から見える世界像 を是非ご覧ください!
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