ある日目が覚めたら突然

ある日

目が覚めたら突然、

鼻の穴にティッシュペーパーを詰め込むのがトレンドになっていた。

色とりどりのティッシュを、どうやって上手に

鼻の穴に詰め込むか、みんな競い合っている。

まるめた時にちょうど螺旋状に白とピンクのストライプになるような

柄のティッシュや、そのための道具が開発された。

鼻の穴から飛び出た部分の色彩、材質など

さまざまな工夫をこらし、

鼻の穴専用のファッションがトレンドになっている。

時には鼻の穴が荒れてしまうので、鼻の穴用ローションや乳液も販売され

市場は鼻の穴用製品があふれている。

というような

ある日突然

見たこともない世界が展開しており

だれもが、それを

まったく抵抗なく受け入れているというような

不思議な世界に

突入した気分。

夢のような物語

あるあさ、起きたらこんな世界になっていた。

山本山の海苔を食べないと、迷惑がかかる！

山本山の海苔を三回食べると、山本山の海苔パスポートができる

そのパスポートをもたないと　県をまたいだ旅行はできない。

山本山の海苔をたべないと、とんでもない後遺症がおきる。

頭がぼーっとしたり、鼻をいくらかんでも鼻水が出てとまらない。

鼻水がとめどもなく流れて、川になってしまう。

みんなで鼻をだしすぎて、大河ができて、洪水で溺れてしまう。

山本山の海苔を食べないと、三回、ぱりぱりの乾いた状態で一枚を

一気に、息を止めてパリパリした状態で食べないと、

絶対に効果がない。

聞くところによると

山本山の海苔を食べて、海苔がのどにつまって死んでしまったという被害事例があるらしいが、隠蔽されてしまっている。

子供まで、のどにつまらせているらしい。

それでも、山本山の海苔をたべなくては、みんなに迷惑がかかるので

こどもたちものどにつまることをおそれながら、

一生懸命、一気にのどにつまらないよう気を付けながら食べているという。

時には、それでものどに詰まってしまったり

うまく飲み込めず、一枚全部をのどに詰め込めずに

半分以上のこして、反則として罰金を取られるというような、

気の毒な事例もあるらしい。

老人ホームでも、海苔の一気食いが無理なので、年寄りが泣きながら勘弁してくれという事例があり

その喉に、海苔をつめこむので必死だという。。。

テレビでは「海苔を食べない場合、かなり重症な　海苔欠乏症になります」と

海苔を食べなかった人たちが、海苔欠乏症で苦しんでいる様子を流している。

マスコミだけでなく、

役場の人も、どんなに高名な教授も、有名な企業のえらい人も

どの人も、「山本山の海苔を食べないなんてとんでもない」と、山本山海苔欠乏症や、後遺症について、疑う余地はないと真面目に考えており、

山本山の海苔を食べないと拒否する人は、無能で、無知で、信じられない反社会的な人間だと断罪している。

というような、

信じられない

夢のような世界に迷い込んだ

みたいな

それぐらい

この

山本山の海苔を食べないことによる刑罰ができたことが

常識になった

くらいに

信じられない世界に突然

目が覚めた気分。