La Table d’Eden / エデンの食卓

フランスの食と料理、そして私のフランス生活/ タイトルを過去のものに戻し再開します…。

南仏日記9 ヴァンスへ

2008-10-12 18:39:31 | 南仏日記
ずっと持ち続けていた夢、ヴァンスのマチスの教会へ行くこと。
マチスが病気療養の時、世話をしてくれた修道女のジャック・マリーへの感謝の気持ちとして、このヴァンスのロザリオ礼拝堂の装飾をしました。





もう15年以上も前に、初めてこの礼拝堂の写真を見たときから、いつか見に行きたいと思っていました。数年前にパリに語学の勉強をしにきた頃、学校の後や休みの日に毎日図書館に通っていました。マチスの画集を机の端に積み上げて、勉強が終わると画集をめくりながら一息つくのが楽しみでした。特にこの礼拝堂の写真から発せられる色と光が、悩みも孤独も忘れさせてくれるのでした。

そんなに見たければもっと早く、いつでも行けただろうと思われるでしょうが、なぜかどうしても『今行くべきではない』、という感覚に遮られながら、簡単に行ってはいけない聖域のように感じながらそのままになっていたのです。

今回南仏に行くことになって、何とヴァンスに夫と子供とくることになるとは、昔の自分には想像もできなかったことです。

教会の中に入ったときの感動は、うまく表現することができませんが、光にあふれていて、懐かしくすらあり、時間を忘れました。中の写真は撮ることが禁止されているのでありません。でもなんだか直接見て感じたフィルターを通して何か残したいなと思っていると、夫がメモ帳とボールペンを取り出し、スケッチしたら?と言って渡してきました。それでそのまま礼拝堂でスケッチをしました。

修道女の方が人々に教会とマチスの作品の説明をしていて、その後個人的にいくつか質問をしにいったのですが、彼女は息子を見て『なんて名前なの?』と尋ね、『アダムです。』と答えると嬉しそうに『大地の王様の名前ね。』と言って息子の頭を何度も撫でてくれました。帰り際にも出入り口のところで見送ってくれました。

もっと昔に、一人で来ていたらこんな風にはならなかったのだろうな、と心から感じました。



教会の脇からの眺めです。



教会で買った写真と解説の載ったパンフレットと、ポストカードと、スケッチ。



その後ヴァンスの街を歩いて、小さなカテドラルへ行きました。



ここにはシャガールの壁画があることで有名です。



この聖堂の中でキリスト磔刑の立像の展示エクスポジションをやっていました。
とても印象的なものでした。
キリストの苦しみ、死刑の宣告を受けたイエス、十字架にかけられるイエス、キリストの降架図などの場面の立像の展示です。

受付のマダムの詳しい説明のおかげで、ますます興味深かったです。

その後は、静かなヴァンスの街を、しばらく歩いてから帰りました。



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