小学生の頃ですが日曜の午後のどこのチャンネルか忘れましたが、たまたま見ていた映画「吸血鬼ゴケミドロ」をブルーレイで久しぶりにじっくりと観てみました。あの頃はゴケミドロではなくコケミドロとずっと思っていましたがネットの時代になって検索したらゴケミドロが正解だったので子供の頃の記憶なんて案外あやふやなもんだと思います。
冒頭のシーン、機長(墜落時の衝撃で死亡)と副機長(主人公)が不気味な空の様子を話しているシーンから物語は始まります。その後、鳥(カラス?)が窓にぶつかるシーンが何度かあるのですが実際は旅客機が飛んでる高度で鳥は飛んでいないはずと突っ込んでみる。
X-ファイルではブラックオイルなる異星人のウイルスが人体に入っていくシーンがありますが奴らが鼻や口から入って痕跡を残さないのに比べるとこの作品の異星人は堂々と額から鼻の頭にかけて侵入していきます。銀色の溶けた半田みたいなつくりです。
いかにもという人々の倒れ方ですね。既に白骨化した人も!
異星人の地球侵略は既に始まっていたというエンディングです。特撮技術は流石に50年近く前ですので陳腐そのものですが登場人物のやりとりは極限状態のエゴ丸出しで現代でもそれほど変わりませんね。政治家・自殺志望者・テロリスト(最初の犠牲者)・大企業の重役と妻(政治家の愛人でもある)・戦争未亡人のアメリカ人・医者・科学者と副機長とスチュワーデス(客室乗務員)で、結局旅客機から生き残ったのは副機長とスチュワーデスの二人だけ。料金所でクルマが停まっているんですが人間は皆死んでいます。やっとこさどこかの街に辿り着いたら皆死んでいたというくだりは何とも言えません。因みに異星人は地球人を奴隷にするとかではなく滅亡させると乗り移ったある人物を通じて語りかけます。第二次世界大戦の原爆投下やベトナム戦争が異星人の侵略のきっかけと説明されていますので仲間割れするうちに外部の強力な敵が来るぞという事が作り手のテーマじゃないかと考えてみたくなります。