JAL123便墜落事故-真相を追う- 気になる怪説(2)
■無理はあるが無視もできない、F19(F117)撃墜説
「自衛隊撃墜説を斬る」シリーズで在日米軍との関りを指摘しましたが、そこでストレートに米軍機による撃墜説として登場するのが本説です。
(図:F117 : Wikipedia(英文ページ)より引用)
F19は、後にF117として公表された、米軍のステルス戦闘機です。詳しくは Wikipedia(日本語) でご確認いただきたいのですが、数ある米軍機の中で何故F19が犯人なのか?ネット情報によると、どうも米国の事故調査団の中に、F19の開発メーカーであるロッキード社の調査員が含まれていたとことが根拠にあるようです(追記をご覧ください)。また、1985年の事故当時、この戦闘機の存在は公にはされていなかったことにより、その秘密性がなおさら、疑惑への関与を連想させているように見受けられます。
これはF19だけに限らないのですが、米軍が自国軍の戦闘機を使用して、何故500人以上の民間人を乗せた民間機を撃墜しなければならなかったのか、それについての説明無しではこの説を信じろといっても無理な話です。また、米軍には撃墜任務を遂行できる戦闘機が複数存在していたはずなのに、その存在が知られる危険を冒してまで超極秘のF19を用いて撃墜を行った理由は何なのでしょうか?
加えるなら、相模湾上空の異変と、御巣鷹の尾根の墜落の両方について、F19との関連をどう説明したらよいのでしょうか?ミサイルの破片は何とか説明付けできるかもしれませんが、角田氏が目撃した自衛隊戦闘機との関連はいったい何なのか?唐突に登場するF19説はこのように多くの疑問を残したままです。
軍事評論家B氏のお話だと、F19(F117)は、戦闘機としては大失敗作というのが業界?の定説であり、同機種の存在がほとんど表に出なかったのはステルス技術の隠蔽もそうですが、大ぴらに作戦に組み込めるような代物ではなかったことも大きいとのことです。同機種は空対空ミサイルの装備は一応可能なようですが、その特殊な形状のせいか、飛行性能があまりにも低くて旋回すらままならず、結局は機銃も対空レーダーも装備せず、行って帰るだけの爆撃任務のみに使用されたそうです(湾岸戦争に登用された)。しかも、ユーゴスラビア紛争ではステルス戦闘機のくせにレーダーに補足され、ミサイルで打ち落とされてしまったとか。確かに、莫大な開発費をかけて製造したにも拘わらず、同機種は既に退役しています。気配もなく背後に忍び寄り、標的をミサイルで撃破するステルス戦闘機、そのイメージ自体がどうも漫画的発想と言えそうです。
だだし、ロッキードの社員が調査員に紛れていたというのは、事実でしたら、少し気になる話です。ロッキードという会社が戦闘機などの航空機だけでなく、宇宙分野、ミサイル、防衛システム、情報システム(IT)等々幅広く手がけている企業である点は押さえておくべきでしょう。同社は1950年代から、主に潜水艦発射ミサイルなどを手がけており、事故現場に入った調査員が何を調べに来ていたのかを推測する場合、必ずしもそれがF19に限定される理由もありません。米軍の兵器開発においては、コンペティションで落選したメーカーが、サブシステムを担当するなどのケースも見かけますから、彼らは何か軍用部門に関する調査に来たかもしれません。もちろん、純粋に同社の民生部門に関するものだけだったかもしれません。疑惑の目を向けたらきりはありませんが、ある意味、F19撃墜説にも無視できない一面があることは確かです。
※参考:↓↓↓ロッキード・マーチン社ミサイル・ミサイル防衛部門ページ(英文)
http://www.lockheedmartin.com/capabilities/mmd/
---- 2008.8.28 追記 ----
現場の証言者S氏からイソップさんのブログ http://isoxp-4512.cocolog-nifty.com/blog/jal123/にロッキード社スタッフが写っているとの連絡がありました。その中でも 17)番の写真をご覧ください。大柄の外国人の胸のワッペンは、確かにロッキード社のスカンクワークス(最先端技術開発)チームのロゴに見えます。下記に、左)ワッペンの拡大図、中)ロゴのドットバターンを粗くし傾けたもの、右)スカンクワークスロゴ を並べた図を掲載します。もしも、ロッキード社、それもスカンクワークスのスタッフが入り込んでいたとしたら、これは、文字通り米国の最先端軍事技術が絡む何かがあると考えるしかありません。そこから推測すれば、スカンクワークスが手がけたステルステクノロジー搭載機、F19が疑いの対象となるのも大いに納得できます。また、F19でなかったとしたらそれがいったい何だったのか、これまた気になるところであります。
■爆弾であることが難点の中性子爆弾説
当時、中性子爆弾の製造技術を保有していたのは米国だけだったと思います。ですから、この説自体がストレートに米軍の関与を認めていることになります。ネット情報を検索すると、F19撃墜説とセットで語られることが多いようです。この説の根拠は墜落時のきのこ雲(目撃証言)、そして、現場に残された中性子線ということなのですが・・
この説の難点は、まず言葉の用法がひどく曖昧なことです。「爆弾」とは、目標に固定する、もしくは、目標に向かって投下する武器のことですから、爆弾で飛行機は打ち落とせません。初めから機内に仕掛けられていたとでもいうのでしょうか?墜落した123便に後から投下したというなら、墜落後の発煙の後、爆弾投下までにある程度時間を置いてからの発煙(きのこ雲)が発生しないと辻褄が合わないのではないでしょうか。しかし、それでも相模湾上の異変から墜落するまでの数々の疑惑に答えたことになりません。
「爆弾」はいい間違いで、空対空ミサイルの弾頭に仕込まれていたのだという言い訳も、やや苦しい感があります。中性子爆弾は理論上、水爆とほぼ同じ原理で作られるそうなので、核融合用のセカンダリリアクタを弾頭に備えていなければなりません。当時、通常の爆縮型の核ならばかなり小型化されていたのですが、セカンダリリアクタを装備するとなると、大型化は避けられません。要求サイズがかなりタイトな空対空ミサイルにそのような弾頭が取り付けられるとは考えにくく、逆に「爆弾」か大型ミサイルでないと中性子爆薬の使用は難しそうです。話は逸れるかもしれませんが、B氏によると、軍事情報の世界に中性子爆弾の実験データというものが存在せず、実は、中性子爆弾が本当に実在していたかどうかも疑わしいそうです。その裏付けになるかどうかはわかりませんが、ソ連・フランスなど、かつて中性子爆弾を保有していると宣言していた国は、現在までに全て撤廃しています。表向きは、使用する核種の半減期が短く、弾頭の性能維持コストが高くつくからと説明されているようですが。
なお、きのこ雲については、多量の燃料爆発でも発生するものだそうです。中性子線については、測定値などが一切示されていない以上、私も論じるべき立場にないというのが正直なところです。
QUIA VIDISTI ME CREDIDISTI BEATI QUI NON VIDERUNT ET CREDIDERUNT
管理者
「自衛隊撃墜説を斬る」シリーズで在日米軍との関りを指摘しましたが、そこでストレートに米軍機による撃墜説として登場するのが本説です。
(図:F117 : Wikipedia(英文ページ)より引用)
F19は、後にF117として公表された、米軍のステルス戦闘機です。詳しくは Wikipedia(日本語) でご確認いただきたいのですが、数ある米軍機の中で何故F19が犯人なのか?ネット情報によると、どうも米国の事故調査団の中に、F19の開発メーカーであるロッキード社の調査員が含まれていたとことが根拠にあるようです(追記をご覧ください)。また、1985年の事故当時、この戦闘機の存在は公にはされていなかったことにより、その秘密性がなおさら、疑惑への関与を連想させているように見受けられます。
これはF19だけに限らないのですが、米軍が自国軍の戦闘機を使用して、何故500人以上の民間人を乗せた民間機を撃墜しなければならなかったのか、それについての説明無しではこの説を信じろといっても無理な話です。また、米軍には撃墜任務を遂行できる戦闘機が複数存在していたはずなのに、その存在が知られる危険を冒してまで超極秘のF19を用いて撃墜を行った理由は何なのでしょうか?
加えるなら、相模湾上空の異変と、御巣鷹の尾根の墜落の両方について、F19との関連をどう説明したらよいのでしょうか?ミサイルの破片は何とか説明付けできるかもしれませんが、角田氏が目撃した自衛隊戦闘機との関連はいったい何なのか?唐突に登場するF19説はこのように多くの疑問を残したままです。
軍事評論家B氏のお話だと、F19(F117)は、戦闘機としては大失敗作というのが業界?の定説であり、同機種の存在がほとんど表に出なかったのはステルス技術の隠蔽もそうですが、大ぴらに作戦に組み込めるような代物ではなかったことも大きいとのことです。同機種は空対空ミサイルの装備は一応可能なようですが、その特殊な形状のせいか、飛行性能があまりにも低くて旋回すらままならず、結局は機銃も対空レーダーも装備せず、行って帰るだけの爆撃任務のみに使用されたそうです(湾岸戦争に登用された)。しかも、ユーゴスラビア紛争ではステルス戦闘機のくせにレーダーに補足され、ミサイルで打ち落とされてしまったとか。確かに、莫大な開発費をかけて製造したにも拘わらず、同機種は既に退役しています。気配もなく背後に忍び寄り、標的をミサイルで撃破するステルス戦闘機、そのイメージ自体がどうも漫画的発想と言えそうです。
だだし、ロッキードの社員が調査員に紛れていたというのは、事実でしたら、少し気になる話です。ロッキードという会社が戦闘機などの航空機だけでなく、宇宙分野、ミサイル、防衛システム、情報システム(IT)等々幅広く手がけている企業である点は押さえておくべきでしょう。同社は1950年代から、主に潜水艦発射ミサイルなどを手がけており、事故現場に入った調査員が何を調べに来ていたのかを推測する場合、必ずしもそれがF19に限定される理由もありません。米軍の兵器開発においては、コンペティションで落選したメーカーが、サブシステムを担当するなどのケースも見かけますから、彼らは何か軍用部門に関する調査に来たかもしれません。もちろん、純粋に同社の民生部門に関するものだけだったかもしれません。疑惑の目を向けたらきりはありませんが、ある意味、F19撃墜説にも無視できない一面があることは確かです。
※参考:↓↓↓ロッキード・マーチン社ミサイル・ミサイル防衛部門ページ(英文)
http://www.lockheedmartin.com/capabilities/mmd/
---- 2008.8.28 追記 ----
現場の証言者S氏からイソップさんのブログ http://isoxp-4512.cocolog-nifty.com/blog/jal123/にロッキード社スタッフが写っているとの連絡がありました。その中でも 17)番の写真をご覧ください。大柄の外国人の胸のワッペンは、確かにロッキード社のスカンクワークス(最先端技術開発)チームのロゴに見えます。下記に、左)ワッペンの拡大図、中)ロゴのドットバターンを粗くし傾けたもの、右)スカンクワークスロゴ を並べた図を掲載します。もしも、ロッキード社、それもスカンクワークスのスタッフが入り込んでいたとしたら、これは、文字通り米国の最先端軍事技術が絡む何かがあると考えるしかありません。そこから推測すれば、スカンクワークスが手がけたステルステクノロジー搭載機、F19が疑いの対象となるのも大いに納得できます。また、F19でなかったとしたらそれがいったい何だったのか、これまた気になるところであります。
■爆弾であることが難点の中性子爆弾説
当時、中性子爆弾の製造技術を保有していたのは米国だけだったと思います。ですから、この説自体がストレートに米軍の関与を認めていることになります。ネット情報を検索すると、F19撃墜説とセットで語られることが多いようです。この説の根拠は墜落時のきのこ雲(目撃証言)、そして、現場に残された中性子線ということなのですが・・
この説の難点は、まず言葉の用法がひどく曖昧なことです。「爆弾」とは、目標に固定する、もしくは、目標に向かって投下する武器のことですから、爆弾で飛行機は打ち落とせません。初めから機内に仕掛けられていたとでもいうのでしょうか?墜落した123便に後から投下したというなら、墜落後の発煙の後、爆弾投下までにある程度時間を置いてからの発煙(きのこ雲)が発生しないと辻褄が合わないのではないでしょうか。しかし、それでも相模湾上の異変から墜落するまでの数々の疑惑に答えたことになりません。
「爆弾」はいい間違いで、空対空ミサイルの弾頭に仕込まれていたのだという言い訳も、やや苦しい感があります。中性子爆弾は理論上、水爆とほぼ同じ原理で作られるそうなので、核融合用のセカンダリリアクタを弾頭に備えていなければなりません。当時、通常の爆縮型の核ならばかなり小型化されていたのですが、セカンダリリアクタを装備するとなると、大型化は避けられません。要求サイズがかなりタイトな空対空ミサイルにそのような弾頭が取り付けられるとは考えにくく、逆に「爆弾」か大型ミサイルでないと中性子爆薬の使用は難しそうです。話は逸れるかもしれませんが、B氏によると、軍事情報の世界に中性子爆弾の実験データというものが存在せず、実は、中性子爆弾が本当に実在していたかどうかも疑わしいそうです。その裏付けになるかどうかはわかりませんが、ソ連・フランスなど、かつて中性子爆弾を保有していると宣言していた国は、現在までに全て撤廃しています。表向きは、使用する核種の半減期が短く、弾頭の性能維持コストが高くつくからと説明されているようですが。
なお、きのこ雲については、多量の燃料爆発でも発生するものだそうです。中性子線については、測定値などが一切示されていない以上、私も論じるべき立場にないというのが正直なところです。
QUIA VIDISTI ME CREDIDISTI BEATI QUI NON VIDERUNT ET CREDIDERUNT
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