認めたくない、憂うべき日本の現状(22)-電気の嘘と国家詐欺
※9月5日に大幅な追記を行いました
前回。久々に電気関係の記事「風力発電で電力消費」を投稿しました。これは過去記事「大電力送電の大嘘」の延長であったのですが、改めて旧記事を読み返してみると、かなり分かりにくいな、と自分でも反省することの多い内容です。
そこで、同記事をもう少し理解しやすくまとめたのが今回の記事です。既に読まれてご理解いただけた読者様は改めて読む必要はありませんが、よく分からなかったと思われる方は、こちらでもう一度チャレンジしてみてください。
私としては、理系を志す中高生、学校の先生、そして現場作業での不条理にいつも悩まされている電気工事士の皆さんたちには、特にお読み頂きたいと思っています。
■大電流が流せない絶対的な理由
まず、発電所から一般家庭や事業所までの電気の流れを次のような模式図にしてみました。
画像1:発電所からの電気の流れ
この図に出てきた、V、R、I はそれぞれ電圧、抵抗、電流に対応しています。そして、この3つの値の間には「オームの法則」というどなたでもご存知の物理法則が働いています。
画像2:オームの法則とその変形式
この図では、左辺に抵抗Rを置いた変形式も併せて載せています。ここで、電圧を100ボルト、電流を20アンペアとしてみましょう。オームの法則から、この電気回路の抵抗値が5オームであることは直ぐに計算できます。
画像3:オームの法則による抵抗値の計算
さて、ここで現実世界の大電力送電に話を移します。電力会社の説明によると、
送電効率を上げるために50万ボルトの高電圧をかけている
と一般的に説明されています。こんなことは普通は有り得ないことですが、この高電圧回路の全抵抗値が5オームという非常に小さいものと仮定します。するとこの回路を流れる電流値はいくらになるでしょうか?
画像4:5オームの抵抗に50万ボルトの電圧をかけたら
やはりオームの法則により、10万アンペアの電流が流れると計算されます。さて、ここでもう少し物理的詳細に踏み込んでみます。
これは高校物理でも取り扱う事項ですが、二つの同方向に流れる電流の間には引力が発生することが分かっています。これを電流間力と呼ぶことにします。ここで、10万アンペアの電流が流れる導線内に5万ボルトずつの2本の導線が平行に設置されているという物理モデルを仮定してみましょう。
画像5:電流間力の物理モデル
この図に示した「電流間力の減少ファクター」にご注意ください。これは1千万分の1という極めて小さい数字で、電流間力の計算結果を大幅に減少させる要因となっています。さて、この電流1、2にそれぞれ5万アンペアの電流が流れたと仮定した場合、どのような計算結果になるかを示したのが次の図です。
画像6:5万アンペア時の電流間力の計算
先ほどの「電流間力の減少ファクター」が既に消滅し、この先は電流値が増えれば増えるほど電流間力は増大することが分かると思います。
これに加え、電流1、2間の距離の問題が効いてきます。導線が円形だとしたとき、2本の内部導線モデルでは、外側の導線の直系の半分がその距離に該当します。
しかし実際には、無限個の内部導線がびっしり詰まっているのが現実に近いモデルとして考えられます。そうなると各内部導線と隣接する他の内部導線間の距離はどんどん小さくなります。そうなるとそれらの間に働く力はどうなるのでしょうか?
画像7:距離が縮まると電流間力は増大する
これらの力の総和がどうなるかは積分モデルの解析が必要なのですが、ここではそれは省略します。今、気にして頂きたいのは、電流値が増大すると電流間力が増大すると言う事実です。そしてその力はどのように導線に現れるのでしょうか?
画像8:最終的に電流間力は電気抵抗となって現れる
この図の説明で特に注意すべきなのは、電流間力の計算式には「電流値の2乗」という因子が含まれることです。つまり電流値が増えると2次関数的に抵抗が増えると言う事実を示します。
つまり、大電流を流すことは大幅な抵抗の増大を招き、どこかで電流は流れなくなってしまうのです。なお、電流間力は磁力によるものなので、この抵抗を磁気抵抗と呼ぶこともあります。
ここで画像5の「電流間力の減少ファクター」をよく見てください。10のマイナス7乗とありますが、1000アンペアとは10の3乗ですから、1000の2乗は10の6乗となります。よってこの時点で、「電流間力の減少ファクター」はほとんど無くなってしまうので、この辺りから、急激な抵抗値の増大が始まります。
私が、導線に電流を流せるのはいいところ1000アンペアまで、というのはこういうことなのです。
すると、現実世界に大きな矛盾が見えてきます。仮に一戸当たりの契約アンペア数を25アンペアとしましょう。すると、導線一本では40戸分の電流しか送れません。
高圧電線に張られている導線の数は、多くても50本程度ですから、高圧電線の1ラインで電気が送れる戸数は
40×50 = 2,000 (戸)
までとなります。
東京都の世帯数(ここでは戸数とみなします)はおおよそ500万世帯ですから、何本の送電ラインが必要になるか計算すると
5,000,000 ÷ 2,000 = 2,500 (ライン)
となります。
ここで東京都民の方にお伺いしますが、本当にこれだけの高圧電線ラインが近隣県から都内に通じていますか?疑問に思われる方は今すぐ調べてみるとよいでしょう。
そしてもう一つ、たとえ1000アンペアという電流を流せたとしても、導線内部では電流間力によって抵抗値が十分上昇しているため、送電している間に電力を消費し尽くしてしまう可能性が出てくるのです。それを指摘したのが旧記事で、私の試算では、5㎝の太めの導線でいいところ10km~20km程度、それ以上の長距離送電は不可能と言う結論を得ています。
もちろん、電流量をぐっと押さえて抵抗を減らせば長距離送電も可能となりますが、送電ラインを丸々一ライン使って100軒、200軒分の電気を送れたところで、そんなものが経済的に見合うはずがありません。詰まるところ
長距離送電は現実的に無理
と言わざるを得ません。ですから、福島などの遠方から送られてきた電気で東京の旺盛な電力需要が賄われているはずがないのです。
■電圧だけを上げられない
大電流の送電が不可能であると書くと、たまに次の様な反論を受けることがあります。
こういう反論をされる方は、数学が得意でも物理は苦手なようですね。物理式は数学のように特定の変数をいじればどうにかなるというものではないのです。そもそも、電流量を減らしたら送電の意味はないじゃないですか。この反論の間違いについては次の図で解答させていただきます。
画像9:電圧を上げるとは抵抗値・電流値を上げること
これで、「電圧を高くすれば高効率で電気が送れる」という電力会社による説明が、全くのデタラメであることが分かるでしょう。電圧だけを上げることなど初めから不可能なのです。高電圧とは高抵抗、もしくは高電流と同意であり、どちらも抵抗の増大を意味するので、効率が良くなるはずが無いのです。実際に、高圧線と呼ばれるものはほとんど使われていないことが分かっています。
関連記事:送電線は空きだらけ
この図に加えて回答しておきますが、一定の高負荷(抵抗)が常にかかっている環境下では大電力に対して電流値は下がります。例えば
100万キロワット=4000オーム×500アンペア×500アンペア
のような関係です。これならば一般電力としてなんとかなると考えられますが、その代わり、抵抗値を大きく減らすことは絶対に許されません。抵抗が減った瞬間に、電流量が増大し、過給電状態となり、最悪の場合は放電、発火などの事故が起きてしまうからです。
こうして見ると、送電線を流れる電流量とは電力生産量と電力消費量との需給関係で決まってくるのがよく分かります。必然的に電圧もその関係によってのみ生じるものです。私たちが学校で習うような、初めに電圧ありき電流ありきではないのです。
ここで問題となるのは、電力生産と消費の需給をどこまで精密にバランスがとれるかなのです。そうなると、送電線はそこに発生する電流間力という抵抗(消費)によって、全体のバランスを取っているとも言えるのですが、如何せんそれにも1000アンペアの壁があるので、大電力発電にはそれ相応の大電力消費を常に用意しておかなければなりません。
電気鉄道などが、緊急事態宣言下でも常に定時運行を続けなければならない理由とはここにもあるのです。特に、原子力発電の場合は、需要の低下に合わせて簡単に出力減はできませんから。ですから、銚子の風車のように需要を調整する電力消費施設が必要となるのも当然なのです。
しかし、このやり方には大きなリスクがあります。何かの事故で大電力消費が止まれば、同一送電網にぶら下がる電気機器に一斉に過大な電流が流れてしまいます。一般的にはブレーカーなどで家庭内への過電流の流入を防ぐことはできますが、既に生産された電力はどこかに消えてしまう訳ではありません。
位相差の問題で他の発電系統へのミックスなどできず、また、電力プールどという一時保存が、物理・化学エネルギーへの変換(一種の消費)無しでできないことは前回の記事で説明済です。保存にはそれ相応の大型施設を予め用意しておかなければなりませんが、そのようなものが都心部にどれほどあるのでしょうか?
結局のところ、その過大分を送電線が請け負うことになり、それが壁の値を超えてしまえば、一斉に送電線内で放電・発火が発生します。
今年に入っても停電により大電力消費の代表とも言える都内の電気鉄道が止まりました。ところが、現実にそのような危険な状況は観測されていません。
同事故に対する一般的な説明では、変電所の不具合とありましたが、もしもそれが事実なら、今度は市中送電網に余剰電流が流れ込み、そこで大停電など大変な事態を招いたと考えられます。しかし、報道にもあるように、電車の中が真っ暗なのと対照的に、駅や周囲の街の灯りは消えることはなく、大きなトラブルもありませんでした。
参考記事:山手線大停電でも街は明るかった
これはいったいどういうことなのでしょうか?余剰電流はどこに消えてしまったのでしょうか?
画像10:高圧電線のある風景。いったい何のためにあるのだろう?
■2つの質問
ここで私は読者様に2つの質問を出したいと思います。
・1つ目は、上述したように、皆さんの使っている電気はどこからやってきているのか、その答です。
・2つ目は、どうして停電で電車が止まっても、周りの街は煌々と灯りを点けていられるのか、その理由です。
この様に順を踏んで考えると、皆さんの使っている電気が、これまで皆さんが学校で教えられ、イメージしているような経路でやってきていないことがよく分かるはずです。
これは、日本国政府が隠し続けている電力に対する国民洗脳政策の成果の一つであり、電気が普及し始めた明治時代の終わり頃から一貫して行われているものです。ですから、3年前の北海道のブラックアウトも、311の時の電力制限も、私たち日本国民を欺き電力神話を維持するための壮大な茶番だったのです。
関連記事:北海道、嘘だらけの節電呼びかけ
ここで、再度、偉大な哲学者ニーチェの言葉を下記に掲載します。
現在進行中の新型感染症に関する社会問題で、政府の発信が本当に信頼に足るものであるか、改めてよく考えてみてください。私がメインとする123便事件も、世の中全体を包み込んだ大きな嘘の中の一つでしかありません。
私たちが真に省みなければならないことは、国土の深刻な放射能汚染と、国家によって己の心と知識の中に詰め込まれた膨大な嘘の数々(洗脳)なのです。
* * *
旧記事を公開した直後、電力中央研究所の幹部が同記事に対して大変憤慨しているとの話が人づてに伝わってきました。話をよく聞くと、記載内容に誤りがあるとかではなく、事実を公開した点を怒っておられるとのことです。
私は誰かに迷惑をかける意図など毛ほども持ち合わせていませんが、嘘はやっぱり嘘であり、正すべきだと考えます。当該研究機関はもちろん、結託して国民に嘘をまき散らしている電力会社、大企業、日本国政府は、私に怒りをぶつける前に、自ら事実を公開し、国民に対して真摯に詫びるのが先ではないでしょうか。
PROPTEREA HAEC DICIT DOMINUS DEUS QUIA LOCUTI ESTIS VANA ET VIDISTIS MENDACIUM IDEO ECCE EGO AD VOS AIT DOMINUS DEUS
それゆえ、主なる神はこう言われる。お前たちはむなしいことを語り、欺きの幻を見ているので、わたしはお前たちに立ち向かう、と主なる神は言われる。
(エゼキエル書 第13章8節)
キリストの御国にて記す
管理人 日月土
前回。久々に電気関係の記事「風力発電で電力消費」を投稿しました。これは過去記事「大電力送電の大嘘」の延長であったのですが、改めて旧記事を読み返してみると、かなり分かりにくいな、と自分でも反省することの多い内容です。
そこで、同記事をもう少し理解しやすくまとめたのが今回の記事です。既に読まれてご理解いただけた読者様は改めて読む必要はありませんが、よく分からなかったと思われる方は、こちらでもう一度チャレンジしてみてください。
私としては、理系を志す中高生、学校の先生、そして現場作業での不条理にいつも悩まされている電気工事士の皆さんたちには、特にお読み頂きたいと思っています。
■大電流が流せない絶対的な理由
まず、発電所から一般家庭や事業所までの電気の流れを次のような模式図にしてみました。
画像1:発電所からの電気の流れ
この図に出てきた、V、R、I はそれぞれ電圧、抵抗、電流に対応しています。そして、この3つの値の間には「オームの法則」というどなたでもご存知の物理法則が働いています。
画像2:オームの法則とその変形式
この図では、左辺に抵抗Rを置いた変形式も併せて載せています。ここで、電圧を100ボルト、電流を20アンペアとしてみましょう。オームの法則から、この電気回路の抵抗値が5オームであることは直ぐに計算できます。
画像3:オームの法則による抵抗値の計算
さて、ここで現実世界の大電力送電に話を移します。電力会社の説明によると、
送電効率を上げるために50万ボルトの高電圧をかけている
と一般的に説明されています。こんなことは普通は有り得ないことですが、この高電圧回路の全抵抗値が5オームという非常に小さいものと仮定します。するとこの回路を流れる電流値はいくらになるでしょうか?
画像4:5オームの抵抗に50万ボルトの電圧をかけたら
やはりオームの法則により、10万アンペアの電流が流れると計算されます。さて、ここでもう少し物理的詳細に踏み込んでみます。
これは高校物理でも取り扱う事項ですが、二つの同方向に流れる電流の間には引力が発生することが分かっています。これを電流間力と呼ぶことにします。ここで、10万アンペアの電流が流れる導線内に5万ボルトずつの2本の導線が平行に設置されているという物理モデルを仮定してみましょう。
画像5:電流間力の物理モデル
この図に示した「電流間力の減少ファクター」にご注意ください。これは1千万分の1という極めて小さい数字で、電流間力の計算結果を大幅に減少させる要因となっています。さて、この電流1、2にそれぞれ5万アンペアの電流が流れたと仮定した場合、どのような計算結果になるかを示したのが次の図です。
画像6:5万アンペア時の電流間力の計算
先ほどの「電流間力の減少ファクター」が既に消滅し、この先は電流値が増えれば増えるほど電流間力は増大することが分かると思います。
これに加え、電流1、2間の距離の問題が効いてきます。導線が円形だとしたとき、2本の内部導線モデルでは、外側の導線の直系の半分がその距離に該当します。
しかし実際には、無限個の内部導線がびっしり詰まっているのが現実に近いモデルとして考えられます。そうなると各内部導線と隣接する他の内部導線間の距離はどんどん小さくなります。そうなるとそれらの間に働く力はどうなるのでしょうか?
画像7:距離が縮まると電流間力は増大する
これらの力の総和がどうなるかは積分モデルの解析が必要なのですが、ここではそれは省略します。今、気にして頂きたいのは、電流値が増大すると電流間力が増大すると言う事実です。そしてその力はどのように導線に現れるのでしょうか?
画像8:最終的に電流間力は電気抵抗となって現れる
この図の説明で特に注意すべきなのは、電流間力の計算式には「電流値の2乗」という因子が含まれることです。つまり電流値が増えると2次関数的に抵抗が増えると言う事実を示します。
つまり、大電流を流すことは大幅な抵抗の増大を招き、どこかで電流は流れなくなってしまうのです。なお、電流間力は磁力によるものなので、この抵抗を磁気抵抗と呼ぶこともあります。
ここで画像5の「電流間力の減少ファクター」をよく見てください。10のマイナス7乗とありますが、1000アンペアとは10の3乗ですから、1000の2乗は10の6乗となります。よってこの時点で、「電流間力の減少ファクター」はほとんど無くなってしまうので、この辺りから、急激な抵抗値の増大が始まります。
私が、導線に電流を流せるのはいいところ1000アンペアまで、というのはこういうことなのです。
電流間力を無視して良い場合
電流間力による抵抗値の上昇は数百アンペア以上の電流を扱う場合に現れるものであり、家庭や実験室内の低電流環境下では減少ファクターが十分効いているので、電流間力は誤差の範囲で収まり、計算上も無視して構わないのです。
この事実を踏まえてオームの法則を一般化すると次の様に書けるかと思います。
V=(Rc+ R(i))×I
ここにある Rcとは常温における物質固有の抵抗、R(i)は物質に流れる電流量に依存して生じる抵抗を表します。私たちが普段目にする電気は R(i)=0 と扱えるので、V=R×Iのような単純なオームの法則が成り立つのです。
ところが、大電流を扱う強電(きょうでん)の世界では、もはやこのR(i)は無視できるものではありません。そして、この重要な物理的事実が一般には全く知らされていないのです。
電流間力による抵抗値の上昇は数百アンペア以上の電流を扱う場合に現れるものであり、家庭や実験室内の低電流環境下では減少ファクターが十分効いているので、電流間力は誤差の範囲で収まり、計算上も無視して構わないのです。
この事実を踏まえてオームの法則を一般化すると次の様に書けるかと思います。
V=(Rc+ R(i))×I
ここにある Rcとは常温における物質固有の抵抗、R(i)は物質に流れる電流量に依存して生じる抵抗を表します。私たちが普段目にする電気は R(i)=0 と扱えるので、V=R×Iのような単純なオームの法則が成り立つのです。
ところが、大電流を扱う強電(きょうでん)の世界では、もはやこのR(i)は無視できるものではありません。そして、この重要な物理的事実が一般には全く知らされていないのです。
すると、現実世界に大きな矛盾が見えてきます。仮に一戸当たりの契約アンペア数を25アンペアとしましょう。すると、導線一本では40戸分の電流しか送れません。
高圧電線に張られている導線の数は、多くても50本程度ですから、高圧電線の1ラインで電気が送れる戸数は
40×50 = 2,000 (戸)
までとなります。
東京都の世帯数(ここでは戸数とみなします)はおおよそ500万世帯ですから、何本の送電ラインが必要になるか計算すると
5,000,000 ÷ 2,000 = 2,500 (ライン)
となります。
ここで東京都民の方にお伺いしますが、本当にこれだけの高圧電線ラインが近隣県から都内に通じていますか?疑問に思われる方は今すぐ調べてみるとよいでしょう。
そしてもう一つ、たとえ1000アンペアという電流を流せたとしても、導線内部では電流間力によって抵抗値が十分上昇しているため、送電している間に電力を消費し尽くしてしまう可能性が出てくるのです。それを指摘したのが旧記事で、私の試算では、5㎝の太めの導線でいいところ10km~20km程度、それ以上の長距離送電は不可能と言う結論を得ています。
もちろん、電流量をぐっと押さえて抵抗を減らせば長距離送電も可能となりますが、送電ラインを丸々一ライン使って100軒、200軒分の電気を送れたところで、そんなものが経済的に見合うはずがありません。詰まるところ
長距離送電は現実的に無理
と言わざるを得ません。ですから、福島などの遠方から送られてきた電気で東京の旺盛な電力需要が賄われているはずがないのです。
■電圧だけを上げられない
大電流の送電が不可能であると書くと、たまに次の様な反論を受けることがあります。
電力=電圧×電流 である。発電される電力自体は一定なのだから電圧を上げれば相対的に電流値は減るではないか?
こういう反論をされる方は、数学が得意でも物理は苦手なようですね。物理式は数学のように特定の変数をいじればどうにかなるというものではないのです。そもそも、電流量を減らしたら送電の意味はないじゃないですか。この反論の間違いについては次の図で解答させていただきます。
画像9:電圧を上げるとは抵抗値・電流値を上げること
これで、「電圧を高くすれば高効率で電気が送れる」という電力会社による説明が、全くのデタラメであることが分かるでしょう。電圧だけを上げることなど初めから不可能なのです。高電圧とは高抵抗、もしくは高電流と同意であり、どちらも抵抗の増大を意味するので、効率が良くなるはずが無いのです。実際に、高圧線と呼ばれるものはほとんど使われていないことが分かっています。
関連記事:送電線は空きだらけ
この図に加えて回答しておきますが、一定の高負荷(抵抗)が常にかかっている環境下では大電力に対して電流値は下がります。例えば
100万キロワット=4000オーム×500アンペア×500アンペア
のような関係です。これならば一般電力としてなんとかなると考えられますが、その代わり、抵抗値を大きく減らすことは絶対に許されません。抵抗が減った瞬間に、電流量が増大し、過給電状態となり、最悪の場合は放電、発火などの事故が起きてしまうからです。
こうして見ると、送電線を流れる電流量とは電力生産量と電力消費量との需給関係で決まってくるのがよく分かります。必然的に電圧もその関係によってのみ生じるものです。私たちが学校で習うような、初めに電圧ありき電流ありきではないのです。
ここで問題となるのは、電力生産と消費の需給をどこまで精密にバランスがとれるかなのです。そうなると、送電線はそこに発生する電流間力という抵抗(消費)によって、全体のバランスを取っているとも言えるのですが、如何せんそれにも1000アンペアの壁があるので、大電力発電にはそれ相応の大電力消費を常に用意しておかなければなりません。
電気鉄道などが、緊急事態宣言下でも常に定時運行を続けなければならない理由とはここにもあるのです。特に、原子力発電の場合は、需要の低下に合わせて簡単に出力減はできませんから。ですから、銚子の風車のように需要を調整する電力消費施設が必要となるのも当然なのです。
しかし、このやり方には大きなリスクがあります。何かの事故で大電力消費が止まれば、同一送電網にぶら下がる電気機器に一斉に過大な電流が流れてしまいます。一般的にはブレーカーなどで家庭内への過電流の流入を防ぐことはできますが、既に生産された電力はどこかに消えてしまう訳ではありません。
位相差の問題で他の発電系統へのミックスなどできず、また、電力プールどという一時保存が、物理・化学エネルギーへの変換(一種の消費)無しでできないことは前回の記事で説明済です。保存にはそれ相応の大型施設を予め用意しておかなければなりませんが、そのようなものが都心部にどれほどあるのでしょうか?
結局のところ、その過大分を送電線が請け負うことになり、それが壁の値を超えてしまえば、一斉に送電線内で放電・発火が発生します。
今年に入っても停電により大電力消費の代表とも言える都内の電気鉄道が止まりました。ところが、現実にそのような危険な状況は観測されていません。
同事故に対する一般的な説明では、変電所の不具合とありましたが、もしもそれが事実なら、今度は市中送電網に余剰電流が流れ込み、そこで大停電など大変な事態を招いたと考えられます。しかし、報道にもあるように、電車の中が真っ暗なのと対照的に、駅や周囲の街の灯りは消えることはなく、大きなトラブルもありませんでした。
参考記事:山手線大停電でも街は明るかった
これはいったいどういうことなのでしょうか?余剰電流はどこに消えてしまったのでしょうか?
画像10:高圧電線のある風景。いったい何のためにあるのだろう?
■2つの質問
ここで私は読者様に2つの質問を出したいと思います。
・1つ目は、上述したように、皆さんの使っている電気はどこからやってきているのか、その答です。
・2つ目は、どうして停電で電車が止まっても、周りの街は煌々と灯りを点けていられるのか、その理由です。
この様に順を踏んで考えると、皆さんの使っている電気が、これまで皆さんが学校で教えられ、イメージしているような経路でやってきていないことがよく分かるはずです。
これは、日本国政府が隠し続けている電力に対する国民洗脳政策の成果の一つであり、電気が普及し始めた明治時代の終わり頃から一貫して行われているものです。ですから、3年前の北海道のブラックアウトも、311の時の電力制限も、私たち日本国民を欺き電力神話を維持するための壮大な茶番だったのです。
関連記事:北海道、嘘だらけの節電呼びかけ
ここで、再度、偉大な哲学者ニーチェの言葉を下記に掲載します。
"Aber der Staat lügt in allen Zungen des Guten und Bösen; und was er auch redet, er lügt—und was er auch hat, gestohlen hat er's."
(zitiert aus "Auch sprach Zarathustra" von Nietzsche)
「国家が語る言葉はどれも嘘であり、国家が保有するものはどれも盗んだものである」
(ニーチェ「ツラトゥストラはかく語りき」より)
(zitiert aus "Auch sprach Zarathustra" von Nietzsche)
「国家が語る言葉はどれも嘘であり、国家が保有するものはどれも盗んだものである」
(ニーチェ「ツラトゥストラはかく語りき」より)
現在進行中の新型感染症に関する社会問題で、政府の発信が本当に信頼に足るものであるか、改めてよく考えてみてください。私がメインとする123便事件も、世の中全体を包み込んだ大きな嘘の中の一つでしかありません。
私たちが真に省みなければならないことは、国土の深刻な放射能汚染と、国家によって己の心と知識の中に詰め込まれた膨大な嘘の数々(洗脳)なのです。
* * *
旧記事を公開した直後、電力中央研究所の幹部が同記事に対して大変憤慨しているとの話が人づてに伝わってきました。話をよく聞くと、記載内容に誤りがあるとかではなく、事実を公開した点を怒っておられるとのことです。
私は誰かに迷惑をかける意図など毛ほども持ち合わせていませんが、嘘はやっぱり嘘であり、正すべきだと考えます。当該研究機関はもちろん、結託して国民に嘘をまき散らしている電力会社、大企業、日本国政府は、私に怒りをぶつける前に、自ら事実を公開し、国民に対して真摯に詫びるのが先ではないでしょうか。
PROPTEREA HAEC DICIT DOMINUS DEUS QUIA LOCUTI ESTIS VANA ET VIDISTIS MENDACIUM IDEO ECCE EGO AD VOS AIT DOMINUS DEUS
それゆえ、主なる神はこう言われる。お前たちはむなしいことを語り、欺きの幻を見ているので、わたしはお前たちに立ち向かう、と主なる神は言われる。
(エゼキエル書 第13章8節)
キリストの御国にて記す
管理人 日月土
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