いつか英国日記

英国を中心とした靴、鞄、時計、その他ファッションに関するブログ

モノグラムSのヴィクトリアンカフリンクス

2010-02-27 05:07:25 | カフリンクス
ヴィクトリアン時代のクラシックなカフリンクスです。
最近懇意にさせていただいている
銀座のパーソナルテーラーから購入しました。

オーナーのH川氏から色々興味深いお話を
伺いました。

このカフリンクス、今では珍しい
ハンドグレイヴィング
いわいる手彫りのカフリンクスとのこと。

100年以上前の物ですが
状態はまったくそれを感じさせない程
素晴らしいです。

素材はゴールドではなく恐らく真鍮。
その真鍮にゴールドフィルド
所謂金張りを施してあります。

金メッキと違って金張りは時計もそうですが
非常に技術が必要です。

しかもこのカフリンクス
ダイヤモンドハンドグレイヴィングといって
ダイヤモンドが先についた鑿(のみ)で削る為
金張り自体にかなりの厚みを要求されます。
まるで素材そのものが金であるかのように
継ぎ目がわからない見事な仕事振りです。

又、ダイヤモンドハンドグレイヴィングの特徴としては
刻まれた線が深く、まるで宝石のように
その部分が輝きます。
この輝きが手彫りの魅力であり機械彫りと違う
ところです。

そして「S」の意匠。
イニシャルなのか、ジェントルメンズクラブの意匠なのか
今となってはわかりませんが出自の良さを感じます。
形も変わっていますね。
一般的なオーバル型ではなく
紋章を思わせるデザインです。
表面は平面ではなく緩やかなアールを描いています。

大きさですが小振りです。
これ、以外に重要です。

とてもエレガントなカフリンクスだと思います。
そして謎めいているところも良いと思います。



いい買い物でした。

しかし、しかしですよ
このまま進むと最後は
ファベルジェのカフリンクスに行き着いてしまうので
カフリンクスは暫く打ち止めにしたいと思います(笑)。