いつか英国日記

英国を中心とした靴、鞄、時計、その他ファッションに関するブログ

イラストは力なり

2013-06-02 07:07:09 | 番外編
冒頭の写真はお二人の尊敬される師
メンズファッションイラスト界の巨匠
穂積和夫先生のイラスト。
「今にも動き出しそう」と
今なお、新鮮な輝きを放つイラストを背に
生き生きとお話されるお二人。
お二人とはファッションイラスト界の第一線で活躍される
画伯こと綿谷寛さんとソリマチアキラさん。

先日、新築間もない明治大学中野校舎で行われた
中野香織さんの「ファッションイラストレーションを考える」という講義の様子です。



イラストという、大学の講義としては
とても斬新な切り口。
中野さんの講義は色々な業界の第一人者を招き
白熱したトークが展開される興味深い講義が
定期的に行われています。

この講義に参加出来る学生さんは
本当に幸せだなと思います
理論だけでなく生の声を聞く事が出来るのだから。

さて、画伯のお話では
インパクトのある話がいくつも飛び出しましたが
そのなかのひとつ。



イラストの依頼では
洋服の細かいディティールなどの指定はなく
よってイラストレーターは
コーディネイトも出来なくてはならないとのお話。

スモーキングジャケットを着た
下の絵は正にそれを体現している絵。
合わせるトラウザースや靴(ルームシューズ)などは
イラストレーター自身が考えなければならない。
そのシーンに合わせた
正しい装いの知識が必要とされます。



画伯の普段のステキな装いは
ここからきている事を改めて納得した次第。

そしてソリマチさんのイラスト。
服飾好きにはたまらないイラストが多く
私も2枚程入手させていただいています。

ソリマチさんはモデルもこなす
長身でアンダーステイトメントな装いをされる
正に英国紳士的な方。



バタクのイラストでもおなじみですね。



何の指定もなく、こういったイラストが描けるのは
ソリマチさん自身もビスポークスーツを着こなす
紳士だから。
テーラーの雰囲気、面白さ、ワクワク感を知っているからこそ
描ける事を再認識しました。

そして最も印象に残ったお話。

写真は良くも悪くも全てを写し出してしまう
イラストはその物の本質を捉えて
それを強調して描く事が出来るという話。

顧客は実はそのモノの良さを既に知っていて
最終的にカタログなどのイラストをみて
背中を押され、購入に踏み切る
クルマしかり、バッグしかりとの事。

イラストレーションにはパワーがあるなという事を
実感した大変興味深い講義でした。

その他にも名言多々。
尚、詳しい内容は中野さんのブログをご覧下さい。

お招きいただいた中野さん
そして素晴らしいお話をして下さった
綿谷画伯、ソリマチさんに感謝です。

ありがとうございました。