大阪は今日も雪が舞っている。
このまま大阪は雪国になってしまうのだろうか?
っと言う程、とにかく寒い中
昼食を食べに出たときの事。
「18分や! 18分の電車や! 18分に乗るんや!」
と一人叫びながら歩いている老婆がいた。
独り言にしてはやけに大きい声だ。
ちょっとおかしな人だろうか?
いやいや、
自分が何分の電車に乗るのか忘れないために繰り返し呟いているのであろう。
自分で駐車した自転車の場所を忘れ、とうとう見つけられなかった私にとって
これは笑いごとではない。
そして、この老婆を見て思い出した。
あれは母が亡くなり、遺品のアルバムを整理していた時の事。
中学生の私、高校生の姉、父、母と写っている写真の下に各々の名前が
書いてあった。
普通は「旅行写真をどこで撮ったのか」や「かなり若かりし頃の親戚の顔」など
後年思い出せなくなる可能性があるものに記述を入れる事がある。
しかし、その写真は自分の家族である。
しかも書いたのはそんな昔ではなさそう。
何故???
もしかすると....
母は自分がボケてしまう事を想像したのかもしれない。
そうなった時、
アルバムを見てもこれが誰だか思い出せない時が来るかもしれないと。
忘れたくない、自分にとって とても大事なこと 家族の顔や名前。
亡くなった時には泣かなかった私だが、
そのアルバムを見ながら号泣した記憶がある。
最近は停めた自転車を周りの風景も入れながらスマホで撮るという
秘策を編み出した私。
しかし、
そのスマホがどこに行ってしまったか分からなくなる日が
やがて来る。