

上の画像は当時、水戸のス〇リップ劇場へ取材に行った時のものです。
(調べたところ、もういまでは建物さえも残っていないようです)
入ってすぐに感じたのは踊り子さん以外のすべてが年季という年季。
映画やドラマで見た昭和の景色がそのままそこにある!という感じでした。
僕は幼少から刑事モノのドラマを見てたので刑事と犯人が乱闘騒ぎに
なりそうなそういう場面を想像してドキドキが止まりませんでした。
取材に行った当時の担当と僕はだいたい30かそこらだったので
ベテランぞろいの常連さんたちからなんだこいつらって目で見られるのかと思いきや
誰もこちらを気にする様子もなし。なんと寝てる人までいます。
音楽が盛大に鳴って舞台に裸の女性がいるっていう状況で寝れる。
こりゃもう最高位のベテランさんですな。
何人かのショーが終わると、おそらくこのフロアにいるおじさんたちのほとんどが
楽しみにしているだろうスペシャルでプレシャスな時間が来ました。
念のため詳しくは語れませんけど、つまりは踊り子さんとお客さんの
協力による限りなくノンフィクション的な体当たりショーです。
舞台に上がれるお客さんはただ一人。希望者によるジャンケンでの勝者だけです。
さっきまでグーグー寝てた人がいつのまにか最前列にいるじゃないですか!(笑)
やはり勝ち負けとか本能とかが出てくるとジャンケンも拳を出す勢いが違います。
最後は親父チョキを出した人が勝ちました。
そして予想を裏切るくらい驚くほど静かに体当たりショーは終わりました。
僕は舞台にへばりつき踊り子さんの表情やおじさんの年季の入った動きなどを
まじまじと観察しました。
その時、横からひとりのおじさんが話しかけてきました。
「君ら若いな。でもここは社会で用事が済んだ人が来るところだよ」
「あらかたやることが終わったらまたおいで」
文章にすると説教っぽく受け取られそうですが
自虐と道理をうまく混ぜた感じで大ベテランの風格を感じました。
そのあと、その施設の別の部屋では踊り子さんの単独サービス的なことができて
その部屋で僕はさっきの親父チョキパイセンとめでたく兄弟になりました。