赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

ロシアに公正と信義を求められるのか コラム(409)

2022-04-23 09:26:26 | 政治見解


コラム(409):
ロシアに公正と信義を求められるのか


空想と現実の差

安保法制で国会前だけが騒がしかった時、日本共産党の下部組織SEALDsの学生が「もし中国や韓国が攻めてくるなら、僕が九州の玄関口で、とことん話して、酒を飲んで、遊んで、食い止めます。それが本当の抑止力でしょう?」と豪語していたことを、ふと思い出しました。

このありえない空想的な考えに賛同する人も一部にはいたようですが、ウクライナの現実を見れば、いまでも、それを言えるはずもありません。しかも、外敵が侵略してくるときは、ミサイルと空爆で、話し合いにも行けないでしょう。

それにもかかわらず、NHKの討論で防衛費について「人を殺すための予算」と発言して詰め腹を切らされた日本共産党の藤野保史氏はいまでも「紛争を戦争にしない外交力の強化こそ必要」と主張しています。空想的平和主義の世界観が破綻しているのにも関わらず、相変わらずお気楽な人だと言えます。


ロシアに公正と信義はない

憲法の前文には「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」とあります。しかし、ロシアの侵略行為を目の当たりにすれば「諸国民の公正と信義を信頼」することができないことはもはや自明です。

実際、ロシアはソ連時代を通して、戦争犯罪大国、虐殺大国として有名です。戦争被害は、ヨーロッパにおいては、バルト三国、ポーランド、フィンランド、ドイツ、ハンガリー、ユーゴスラビア、チェコスロバキアに及び、日本も、軍人はシベリアに抑留され強制労働と洗脳の日々を、また多くの民間人は筆舌に尽くしがたい悲惨な運命に翻弄されなければなりませんでした。その蛮行がウクライナで行われていますので、ロシアはソ連の遺伝子を引き継いでいるのは間違いありません。

こんな国を信頼せよという方がおかしいのは当然です。仏独の外相が2月の共同記者会見で「公式であれ非公式であれ、相手がマクロン大統領でもショルツ首相でも、約束を守らない。どうすればプーチン氏の言葉を信じられるのか」、「1週間前の発言と逆のことをする。本当のことを言っていなかった、少し分かりやすく言うと、うそを言っていた」と互いにプーチン氏を非難しています。プーチン氏をはじめロシア人にとっては「約束は破るためにある」ということが前提にあるようです。


嘘に嘘を重ねるロシア

18日、プーチン氏は「西側による経済制裁は失敗に終わった」、「物価の上昇は落ち着きを取り戻し、消費者の需要も回復した」と述べました。しかし20日発表のロシアの統計庁によれば最新の消費者物価指数が今年に入り上昇率11%超であると発表しました。これで統計庁の何人かの役人の首がとぶかもしれません。

プーチン氏やその側近たちが強気に振舞っているのは、紙屑同然だったロシア通貨ルーブルを以前にまでもどしたからだと思います。天然ガスへの支払いや借金をルーブル建てにすることでドルとの交換を余儀なくしたわけです。また、撤退した外国企業を国営化したり、借金を踏み倒すことも実行しています。

その被害にあっているのが、欧米などの航空機リース各社です。ロシアの航空会社に貸し出した440機が返ってこない事態になっています。日本のメガバンク、三井住友フィナンシャルグループの関連会社も35機をリースしています。ただし、経済評論家によると、リース機を海外に出すとその場で差し押さえ、ロシア保有機も海外の給油は制裁でできないそうで、逆効果だったと思われます。

最終的にはこれらの行為が一時しのぎに過ぎず、過去に類例のない経済制裁がじわりじわりとロシアの首を絞めることになるでしょう。5月9日の対独戦勝記念日を境に、ロシアはあらゆる面で深刻な状況に置かれると思います。


どうやら、日本人はロシアという国を信頼しすぎていたのではないかと思います。ソ連を解体し西側世界に接近してきたロシアは共産主義思想から脱したと受け止められていたのですが、実質は何も変わっていなかった、むしろ、もっと露骨に欲望をあらわにしてきたと言って過言ではないと思います。

そんな国が北海道のすぐそばにあることを忘れてはなりません。最近では「公正なロシア党」のセルゲイ・ミロノフ党首が「どの国にも願望があれば、隣国に領土要求を提出することができる。専門家によれば、ロシアは北海道の権利を有している」と露骨な野心を表明しています。

自らの衝動を抑えることができなくなったプーチン氏が次の標的にするのはポーランドかそれとも北海道か。常人でははかり知れません。

私たちは、備えあれば憂いなしのことわざのように、しっかりと戸締りはしておくべきです。そのためには戸締りしても内側からカギを開けようとする日本国憲法は早急に改正しなければなりません。

また、今夏の参議院選挙では戸締りをしても内側からカギを開けて外国勢力を招き入れようとする、親ロ、親中、親半島の候補者には投票してはなりません。ウクライナの悲劇は日本の悲劇の前兆であることをしっかりと肝に銘ずべきだと思います。




  お問い合わせ先 akaminekaz@gmail.com【コピペしてください】
  FBは https://www.facebook.com/akaminekaz

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする