11月1日、日本国の北方領土である国後島を訪問した。これは、ソヴィエト連邦時代を含めて、かつてないことである。
全千島列島、歯舞島、色丹島は1855年の日魯通好条約および1875年の樺太・千島交換条約において平和的に国境が確定して日本の領土となった。しかし、旧ソ連は領土不拡大の原則をふみにじり、第2次世界大戦終結時に南北千島列島と北海道の一部である歯舞島、色丹島を占領した。これが、現在にいたってなお続いている日本とロシア連邦との間の紛争事項、すなわち北方領土問題のはじまりである。
以上の歴史の経過をふまえて考えれば、ロシア連邦のメドベージェフ大統領による国後島訪問は、不法な占領状況を固定化し、今後も続けていくという意思表示である。メドベージェフ大統領の行動は侵略者の論理に拠ったものであり、というてい受け入れられない。私は、このブログにおいてロシア連邦大統領であるメドベージェフ氏に断固たる抗議の意思を表明する。
なお、北方領土問題の解決のためには、全千島列島の返還をもとめ、戦後処理の不公正を正していく立場に基づく、日本国政府の外交が不可欠である。
日本共産党中央委員会の志位和夫委員長は、ロシア連邦のメドベージェフ大統領の国後島の訪問に関して談話を発表している。以下、談話を転載する。
談話
ロシア大統領の千島訪問について
志位 和夫
一、ロシア連邦のメドベージェフ大統領は1日、ソ連時代を含め同国最高指導者としては初めて、日本の歴史的領土である千島列島の国後島を訪問した。
今回の訪問は、日本国民にとっては、大統領のたんなる「国内視察」ではない。それは、ロシアの最高権力者が、同国に不当に併合された日本の領土である千島を、「ロシアにとってきわめて重要な地域」としてこれからも占領しつづけ、領有を固定化しようとする新たな意思表示であり、領土問題の公正な解決に反するものであって、わが党はきびしく抗議する。
一、ロシアとの領土問題は、第2次世界大戦の終結時に、ソ連が、「領土不拡大」という戦後処理の大原則を踏みにじって、日本の歴史的領土である千島列島の獲得を企て、対日参戦の条件としてアメリカ、イギリスなどにそれを認めさせるとともに、講和条約の締結も待たずに、千島列島を自国の領土に一方的に編入したことによって起こったものである。そのさいソ連は、北海道の一部である歯舞群島、色丹島までも編入したのであった。
この戦後処理の不公正を正すところに、ロシアとの領土問題解決の根本がある。
わが党は、この立場に立って、1969年に千島政策を発表して以来、全千島列島と歯舞群島、色丹島の返還を求めてきた。
一、日本政府の対ロシア領土交渉が、1956年の日ソ共同宣言以来、半世紀を超える努力にもかかわらず、不毛な結果に終わっているのは、この根本問題を避けてきたところに最大の根源がある。政府は、問題をサンフランシスコ講和条約の枠内で解決しようとして、「四島は千島に属さないから返せ」という主張に頼っている。しかし、この主張が国際的に通用する道理を持たないことは、サンフランシスコ会議における日本政府代表(吉田全権)とアメリカ政府代表(ダレス全権)の発言およびこの条約の批准国会における政府答弁を見ても、明らかである。
一、わが党は、歴代の日本政府にたいして、日ロ(日ソ)領土問題の解決のためには、千島放棄条項を不動の前提とせず、第2次世界大戦の戦後処理の不公正を正すという立場に立って、対ロ(対ソ)領土交渉をおこなうことを提起してきた。
ロシアが現状固定化をめざして新たな強硬措置に出ようとしてきた今日、日本政府が、半世紀の領土交渉の総括を踏まえ、歴史的事実と国際的道理に立った本格的な領土交渉に踏み出すことを、強く要請するものである。
【転載元】領土問題の公正な解決に反する/ロ大統領の千島訪問に抗議/志位委員長が談話 - しんぶん赤旗
全千島列島、歯舞島、色丹島は1855年の日魯通好条約および1875年の樺太・千島交換条約において平和的に国境が確定して日本の領土となった。しかし、旧ソ連は領土不拡大の原則をふみにじり、第2次世界大戦終結時に南北千島列島と北海道の一部である歯舞島、色丹島を占領した。これが、現在にいたってなお続いている日本とロシア連邦との間の紛争事項、すなわち北方領土問題のはじまりである。
以上の歴史の経過をふまえて考えれば、ロシア連邦のメドベージェフ大統領による国後島訪問は、不法な占領状況を固定化し、今後も続けていくという意思表示である。メドベージェフ大統領の行動は侵略者の論理に拠ったものであり、というてい受け入れられない。私は、このブログにおいてロシア連邦大統領であるメドベージェフ氏に断固たる抗議の意思を表明する。
なお、北方領土問題の解決のためには、全千島列島の返還をもとめ、戦後処理の不公正を正していく立場に基づく、日本国政府の外交が不可欠である。
日本共産党中央委員会の志位和夫委員長は、ロシア連邦のメドベージェフ大統領の国後島の訪問に関して談話を発表している。以下、談話を転載する。
談話
ロシア大統領の千島訪問について
志位 和夫
一、ロシア連邦のメドベージェフ大統領は1日、ソ連時代を含め同国最高指導者としては初めて、日本の歴史的領土である千島列島の国後島を訪問した。
今回の訪問は、日本国民にとっては、大統領のたんなる「国内視察」ではない。それは、ロシアの最高権力者が、同国に不当に併合された日本の領土である千島を、「ロシアにとってきわめて重要な地域」としてこれからも占領しつづけ、領有を固定化しようとする新たな意思表示であり、領土問題の公正な解決に反するものであって、わが党はきびしく抗議する。
一、ロシアとの領土問題は、第2次世界大戦の終結時に、ソ連が、「領土不拡大」という戦後処理の大原則を踏みにじって、日本の歴史的領土である千島列島の獲得を企て、対日参戦の条件としてアメリカ、イギリスなどにそれを認めさせるとともに、講和条約の締結も待たずに、千島列島を自国の領土に一方的に編入したことによって起こったものである。そのさいソ連は、北海道の一部である歯舞群島、色丹島までも編入したのであった。
この戦後処理の不公正を正すところに、ロシアとの領土問題解決の根本がある。
わが党は、この立場に立って、1969年に千島政策を発表して以来、全千島列島と歯舞群島、色丹島の返還を求めてきた。
一、日本政府の対ロシア領土交渉が、1956年の日ソ共同宣言以来、半世紀を超える努力にもかかわらず、不毛な結果に終わっているのは、この根本問題を避けてきたところに最大の根源がある。政府は、問題をサンフランシスコ講和条約の枠内で解決しようとして、「四島は千島に属さないから返せ」という主張に頼っている。しかし、この主張が国際的に通用する道理を持たないことは、サンフランシスコ会議における日本政府代表(吉田全権)とアメリカ政府代表(ダレス全権)の発言およびこの条約の批准国会における政府答弁を見ても、明らかである。
一、わが党は、歴代の日本政府にたいして、日ロ(日ソ)領土問題の解決のためには、千島放棄条項を不動の前提とせず、第2次世界大戦の戦後処理の不公正を正すという立場に立って、対ロ(対ソ)領土交渉をおこなうことを提起してきた。
ロシアが現状固定化をめざして新たな強硬措置に出ようとしてきた今日、日本政府が、半世紀の領土交渉の総括を踏まえ、歴史的事実と国際的道理に立った本格的な領土交渉に踏み出すことを、強く要請するものである。
【転載元】領土問題の公正な解決に反する/ロ大統領の千島訪問に抗議/志位委員長が談話 - しんぶん赤旗