愛と情熱の革命戦記

猫々左翼の闘争日誌

消費税問題に関してちょっとしたおさらい

2012年01月09日 03時32分27秒 | JCPの活動、国民運動、国内の政治・経済等

菅首相は、全く的外れ/ギリシャの財政危機から何を学ぶのか?- しんぶん赤旗

 消費税増税問題に関して政府・財界がお決まりのように言ってくる誤魔化しは、(社会保障を維持するための)財源問題と実際には焼きなおしみたいなものだが「ギリシャのようになったらどうする」式の議論だ。もちろん、こんなものはデタラメ以外のなにものでもない。

 消費税は1988年(昭和62年)11月10日に竹下内閣のもと自民党が強行採決した(消費税施行は翌1989年4月1日)。その欺瞞に満ちた口実というのが福祉のためということだった。

 さて、消費税が導入された後に少しでも社会保障制度が日本において充実したことがあっただろうか?考えてみると消費税が導入された後で社会保障が少しでも良くなった事実が全くない。それどころか、消費税導入から現在に至るまで健康保険法など社会保障制度は悪くなるばかりだったではないか。例えば、病気や怪我にかかってしまった場合は、健康保険法による健保加入の労働者は、健康保険証を持って医療機関へ行くわけだが、この窓口負担は私が記憶にある限りでも1割負担が2割負担になり、そして現在では医療機関での窓口負担が3割になってしまっている。以前に年配の人から聞いて知ったことだが、昔は健康保険法の健保に入っていれば医療機関での窓口負担がゼロだったというのだ。私が大学を卒業した頃の健康保険法による健康保険に加入している労働者の医療機関での窓口負担は2割だった。これが2003年に医療機関での窓口負担が3割になった。消費税が導入氏の3%が現在の5%になったのは、1997年4月1日のことである。消費税率5%は、村山内閣のときに内定していた(当時の首相だった村山氏は旧日本社会党所属であった)。消費税導入時の3%が現行の5%に引き上げられた後でもって医療保険法が悪くなったのだから洒落にもならない。

 以上のことを考えただけでも消費税が福祉のためという口実がデタラメなものであるかということが分かる。

 消費税を引き上げなければギリシャのように財政危機に陥るというお決まりの悪宣伝も見え透いた誤魔化しだ。

 冒頭に上げた日本共産党HPの記事のように日本とギリシャでは、国家の債務といっても国際の保有者の構成がまるで違う。ギリシャでは国債を7割以上海外の投資家などにが保有しているが日本では国債の内9割以上を国内の金融機関などが保有している。したがって、ギリシャのようにヘッジファンドによって国債が一気に売りに出されて暴落などということにはならない。日本において国債の多くが国内で保有されているということは、ギリシャのように資産が海外に流出していないということでもある。日本国政府発行の国債が国内の金融機関によって保有されていることは、家庭では主人が妻から借金をしているようなことにしばしば例えられる。無論、国家財政に借金が多いこと自体は良くないことではある。

 日本の財界が要求しているような法人税率引き下げと消費税率引上げがギリシャにおいて10年以上前に行われた。その結果、法人税率引き下げによる税の空洞化及び消費税率引き下げによる国民の可処分所得と消費者マインドの冷え込みとがセットでやってきた。国民経済が冷え込んでいけば、これ自体が税収悪化をまねく。こうしてギリシャで国家財政の危機が生じた。2010年の参議院選挙時に菅首相(当時)がギリシャを引き合いに出して消費税率引上げを狙うというのはあまりに見え透いた嘘であった。こういう嘘が明らかになってなお現在の野田内閣は消費税率引上げをしようと躍起になっている。消費税率を引き上げれば消費者マインドが冷え込み、日本国全体の経済状況が悪化していくのは自民党の橋本内閣の時に明らかになっている。自民党・橋本内閣の時には経済状況に上昇の兆しが見え始めていたが、実は消費税率3%から5%への引上げにより不況回復の芽が潰されて不況の長期化とデフレスパイラルを招いていった。現在は、自民党・橋本内閣の時期よりさらに国民経済は冷え込んでいる。このような経済社会情勢下で消費税率を引き上げようというのは、日本経済をいっそう悪くし、貧困と格差をいっそいう拡げる暴挙というほかない。

 自分自身の生活を守ることと日本経済を守るという観点、ミクロとマクロの両方の観点から見ても消費税増税をストップさせなければならない。

 それにしても、民主党・野田内閣はいったい誰のための政府をつくっているのか。なるほど、財界・アメリカ第一主義で腹をくくっているのが鳩山内閣と菅内閣との違いというわけだ。まったく迷惑な話だ。

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