1923年9月1日に関東大震災が発生した。だから、9月1日は防災の日と位置づけられている。私にとって9月1日は、防災の日というに留まらず亀戸事件を思い起こさせる。
関東大震災が発生した時には、朝鮮人や社会主義者が暴動を企てているというデマが流された。そして、デマに踊らされた人々は朝鮮人を「敵」として迫害して殺した。犠牲者の正確な人数は分かっていないが、6千人を超えると言われている。また、当時の天皇制政府は震災の混乱に乗じて社会主義者を根絶やしにしようとした。この状況下で南葛労働組合の理事であった河合義虎氏が特高警察に捕まり、拷問の末に捕らえられたその日のうちに惨殺された。河合義虎氏は、現在の日本民主青年同盟(通称は、民青同盟)の前身である日本共産青年同盟の初代委員長であり、日本共産党の創立当時からのメンバーであった。なお、亀戸事件においては河合義虎氏の他に数多くの活動家が投獄され、殺された。では、河合義虎氏をはじめとした南葛労働組合の人々は、何をしていたのか。彼らは内乱を企てるどころか、実際には被災者救援をしていたのである。河合義虎氏は被災した子どもたちにビスケットを与えるなどしていた。絶対主義的天皇制政府は、「震災ヲ利用シ、朝鮮人ハ各地ニ放火シ、不逞ノ目的ヲ遂行セントシ…」(内務省警保局長から各地方長官あての電報)と流言を自ら流して震災に乗じて社会主義者を根絶やしにしようとしたのである。こうして、南葛労働組合の理事であった河合義虎氏をはじめとして何人もの活動家が救援活動のさなかに弾圧され、投獄され、または殺された。
亀戸事件の詳しいことについては以下のページをご覧頂きたい。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-09-01/2007090112_01faq_0.html
安倍自公政権は、集団的自衛権行使を具体化するための安保関連法案、すなわち戦争法案を参議院においても強行採決しようとしている。日本国憲法はポツダム宣言を受諾したことを前提にして軍国主義の反省に基づいて成立している。だからこそ、日本国憲法は、日本を戦争しない国にしようとして軍隊まで棄てることを第9条において明言しているのである。従って、自国が攻撃を受けてもいないのに軍事同盟をテコにしてアメリカとともに海外で武力行使することはあり得ない、あってはいけないことである。安倍自公政権が企んでいる戦争法案強行採決は、日本を再び侵略国家に仕立てることそのものである。安倍自公政権の所業は、非軍事の手段による一種のクーデターであって立憲政治と相容れない。
2015年9月1日を私たちは、平和と民主主義のことで重大な岐路に立っている。8月30日には、戦争法案廃案めざす国会周辺10万人・全国100万人行動が取り組まれた。国会周辺行動は主催者の目標を超える12万人ほどが集結して戦争法案廃案の声を突き上げた。平和で民主的な日本をつくるために8月30日の到達点に立った上でさらなる闘いを続けて大きくする時が今である。
戦争法案強行採決を許さずに廃案へ追い込んでいこう。