愛と情熱の革命戦記

猫々左翼の闘争日誌

大学就職戦線異常あり―企業の身勝手な内定取り消しを許すな!

2008年12月23日 16時00分39秒 | 人間らしく働くルールの確立を

asahicom(朝日新聞社):内定取り消しで留年、青学大が授業料減額へ - 社会

 現在、全国の大学で内定取り消しが社会問題として浮上しています。全国の大学の就職担当から悲痛な声が上がっています。当ブログでニュースとして取り上げている事例は青山学院大学での出来事です。内定した会社が経営破たんしてしまった状況だとどうにもならない面がありますが、曲者なのは「業績不振」という理由です。

 まず、内定がどのようなものかを考えてみましょう。企業が正社員として採用内定した、時点で雇用契約は成立しています。ですから、内定取り消しは解雇と同じです。内定は、解約権留保付労働契約と言われています。これは、解約権を企業の側が自由にして良いという意味ではありません。学生の側から、内定を辞退するのは自由であるとしても(もっとも濫用してはいけません)企業の側から内定を取り消すのは、どのようなものが留保としてついていても労働契約が成立している以上、解雇と同じです。ですから、労働契約法第16条にあるように客観的に明確で社会的通念に照らして合理的な理由がある場合以外、企業の内定取り消しは違法であり無効です。

 労働契約法第16条は企業による解雇規制に関する判例に法律による明文の根拠を与えたものといえます。判例で確立した解雇4用件には以下の事柄があります。

1.人員整理の必要性
 労働者の責めによるのではないのだから、人員整理をしなければ企業存続が困難な状況でない限りは、あるいは客観的に高度の経営危機にない限りは人員整理(ここでは内定取り消し)は認められません。

2.解雇回避努力義務の履行
 労働者にとって勤務先から解雇されるのは、事実上生活手段を失うことを意味します。ですから、労働者を解雇するのは企業にとって最後の選択でなくてはいけません。解雇する前に、役員報酬を削減する、新規採用を抑制する(内定取り消しはこれに該当しません)、希望退職者募集、配置転換など整理解雇を回避する経営上の努力がなされない整理解雇は解雇権の濫用であり無効です。

3.被解雇者選定の合理性
 解雇される労働者の選定基準が合理的であり、具体的人選そのものが公平でなくてはいけません。

4.手続きの妥当性
 整理解雇をする場合、手続きそのものが妥当である必要があります。説明、協議、納得を得るための手続きを経ない整理解雇は他の要件を満たす場合でも無効とされるケースが少なくありません。

 学生が卒業に必要な単位を取得できずに卒業できない場合は、勤務すること自体不能となるのでこういう場合の採用内定取り消しは、客観的に社会通念的に妥当であるのは言うまでもないことでしょう。

 青山学院大学は、学生の状況をふまえて卒業単位を満たしながら、内定取り消しにあった学生に希望者には留年を認めて授業料を半額以下にすることを検討しています。しかし、個別大学が、学生が卒業して社会に出る第一歩を失業という状況にしないために取り組むにも限界があります。
特に大企業には、派遣労働者などの非正規雇用の労働者の狙い撃ちの首切りを許さないとともに、一方的な内定取り消しを政治の責任でとめなければいけません。大企業の横暴による身勝手な各種形態の首切りは全国の地域経済へ深刻な影響を与えます。失業者の増大は、国民各層の所得購買力を引き下げていき、景気のいっそうの悪化を招きます。長い目で見れば、これは大企業にとっても深刻な事態をもたらすでしょう。また、全国で起きている、学生への内定取り消しは、「社会に出る第一歩」が失業という事態を引き起こし社会全体から希望を奪うことになりかねません。また、青年の失業増大は、日本社会に蓄積されている社会的ノウハウの継承に深刻な影響を与えます。

 国民生活を守るため、民主、社民、国民新の三野党は党略に走るのではなく、立場を超えて雇用関連四法案をよりよい方向へまとめていくために実のある協議を誠実にするべきです。日本共産党は、民主、社民、国民新の提出した雇用関連四法案に賛成の立場をとっていますし、与党の側が「取り入れられるものは取り入れる」という態度をとっているのだから、立場を超えて国民のためのより良い対策をまとめあげる余地が十分にあります。
(参照元:
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-12-20/2008122001_04_0.html

 くどいようですが、雇用を守り、身勝手な内定取り消しを規制するのは政治の責任です。

日記@BlogRanking

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ヾ(・∀・`*【♥♡*†*♠コンバンハ♤ *†*♡♥】 (とうふ)
2008-12-23 20:48:18
深刻な問題になっていますね。
私が就職したころは
内定取り消しなんて
ほとんど無かったですから・・

不況の絡みで
うちの職場も経費のことを
うるさく言われ
嫌な世の中だなと感じている
今日この頃ですo(´^`)o ウー
返信する
(*~▽~)/ばんわぁ~♪ (Aleido Che Guevara)
2008-12-24 01:32:36
とうふさん
確かに、以前の就職氷河期の時にも内定取り消し、という話はあまり聞かなかったですね。
スポーツでルールがあるように、やはり労働経済、すなわち人々が働く環境のあり方にも生活と労働を守るためのルールが必要です。その第一歩として雇用関連法案をより、良い方向へ練り上げて実らせる必要があります。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。