2008年12月23日(火)「しんぶん赤旗」
非識字克服を宣言
中南米で3カ国目
ボリビア 地図
【メキシコ市=島田峰隆】
ボリビア政府は20日、33カ月にわたる識字運動の結果、同国で読み書きできない人がいなくなったと宣言しました。中部の都市コチャバンバでは同日、モラレス大統領や国連教育科学文化機関(ユネスコ)の代表者が参加する記 念式典が開かれました。中南米での非識字克服はキューバ、ベネズエラについで3カ国目です。
2006年1月に発足したモラレス政権は、非識字克服を最優先課題の一つに掲げ、キューバが開発した識字システムを活用して、読み書きできない国民へ無償の教育を提供してきました。
ボリビア政府によると、この間に人口の約一割にあたる82万人がスペイン語や先住民の言語で読み書き可能になりました。うち8割は貧困層の女性です。
政府は、キューバとベネズエラの支援を受けて、学習用テレビやビデオを全国に普及し、電気のない地方には太陽光発電装置を導入しました。
式典で演説したモラレス大統領は、先住民や貧困層が教育から排除された歴史を振り返り、「非識字克服まで(独立以来)二百年近く待たされたが、ついに達成された。今後も教育運動を続けよう」と訴えました。
ユネスコでアンデス諸国を担当するエドゥアルド・マトコ局長は、「ボリビアの経験は、資金の乏しい国でも目標を達成できることを世界に示した。要は政府が何を優先し、どこに資金を使うかだ」と強調しました。
中南米では1961年にキューバが、2005年にベネズエラがそれぞれ非識字を克服しました。
ボリビア 面積は約百十万平方キロで日本の約三倍。人口九百五十万人で先住民55%、先住民と白人との混血30%、白人15%。カトリック教徒が84%。首都はスクレ、政府所在地はラパス。主な資源はスズ、タングステン、天然ガスなど。一人当たり国民総所得は1,100ドル(2006年)。
ここより以下、ブログ管理人Aleido Che Guevaraのコメント
上記本文は、日本共産党が発行している「しんぶん赤旗2008年12月23日付」からの転載記事です。外国のこととはいえ、ユネスコのアンデス諸国を担当しているエドゥアルゴ・マコト局長の言葉が、日本の政治問題を考えるのに非常に教訓になると、私は感じました。政府・自公政権は社会保障や教育などに関してことあるごとに「財源」論を持ち出しますが、資金的にはボリビアのほうがよほど厳しい状況にあります。そのような貧しい国で子ども達への教育に力を尽くす政治が実践された結果、非識字の克服がなされました。支配層のいう「財源」論はいかに国民生活を守り、向上させる気がないかということを如実に示すことをボリビアでの出来事は教訓的に示しています。