のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

シェフ、ジェフ

2008-06-13 | KA
 グリーンルームを台所にし、有名シェフのジェフさんが中心となって、料理。一回目のショーが終わった後に、その料理をアーティストに振る舞って下さるという日でした。
 5時ぐらいからテーブルのセッティングが始まり、グリーンルームは大変身。その後、料理が始まりました。本当はじっと見ていたいところですが、私も仕事があるのでそうもいかず。こういうことを楽しむ余裕を持ってショーに臨めるようには、まだなっていないようです。その場所を通り過ぎる度に覘いて楽しむことしかできませんでした。
 ショーが始まる少し前から辺りは玉葱の匂い。それはかなりきつく、アロマ効果はどのように出るのか見つめていました。元気になったかな、と感じてから、ちょっと息苦しいかも。
 ショーの間、いつも走りぬけるグリーンルームやその周辺の通路には、カメラの方や音声の方、その他関係者が溢れていて、少しリズムが狂います。
 これぐらいのことで気が散るとは思えませんし、玉葱の匂いで感覚が鈍くなるとも思えません。でも、今日の一回目のショー、私の感性は鈍っていました。何かが出来なかったとか、上手くいかなかったことがあるということではありませんが、反応は悪く、エネルギーを出し切れなかった感じでした。こんな自分は好きではありません。
 ショーが終わり、トレーニングルームで調整をしてから、グリーンルームへ行ってみました。出来上がった料理はとても上品なものでした。カナッペ風のものが二品。巻きずし。生ガキ。どれもとても小さいので頂いてみることにしました。でも小さすぎて、キャビアの味ぐらいしか分かりませんでした。生ガキはとてもおいしそうにありましたが、ショーの前に頂くには勇気がなく断念。
 みんなは、今日頂ける料理でお腹を満たそうとしていたようです。でもそれでは量が足りず、自分で持ってきた食べ物を食べ始めたようです。それが気になったのかどうかは分かりませんが、私がショーの準備をし終えて、グリーンルームを通ってトレーニングルームへ行く時に見たジェフさんの表情は冴えないものでした。
 私は私で、一回目のショーの自分のことが嫌いで。でも「嫌いだ、嫌いだ。」と思っているとそういう演技になってしまうことでしょう。どうしたら感性を戻せるのか、自分の心と身体をじっと見つめてから二回目のショーに向かいました。
 ジェフさんが、手際よく片付けている助手の方々に、二回目のショーを観に行くかと訊いていたのを思い出しました。みなさんが実際にいらして下さっていたのかどうかは分かりませんが、みなさんが私達のために費やして下さった労力と同じ力を注いでお返しできるようにしたいと思いました。するとジェフさんが笑っている顔が思い浮かびました。もしかすると、「これじゃお腹すくよね。」と笑っていらっしゃるかな、と思ったり。そして、気持ちよく演技を終え、ショーを終えられました。
 ふと、みんなは一度の舞台にどれぐらいのエネルギーを注いでいるのだろう、と思いました。私は一回目ぐらいの感覚で毎日舞台に立っていたら、三日で嫌になると思います。そして、エネルギーは出した分必ず返ってくるもので、だからこそ、出し切っても毎日元気を回復し、次に臨めるのだと思いました。