陽だまりのねごと

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ホスピスマインドの訪問介護さんに出会った

2007-10-19 06:51:04 | Weblog
生活の一部始終にこだわりの多い利用者さんに
ヘルパーさんでは出来ない医療行為の必要性が出た。
担当ヘルパー交代も人の訪問時間にもいろいろとこだわりがあり
正直、担当になって1年半。ずっと苦労させられてきた。
新しいサービス、新しい人の受け入れがスムースにいくか
訪問看護師さんにかかっている。

なんとか訪問看護の利用OKにこぎつけ
ステーションに依頼したものの
どんな方がみえるかドキドキで看護師さんを待った。

介護保険には活動時間に制約がある。
仕事内容からして今回は30分プラン。
この方のこだわり様式を踏襲していては
時間内にことがすむかどうか?
気に入ってもらって定期利用できるか?
先方に来てもらう都合のあることに頓着しない人だから
この利用者さんと訪問看護さんの空き時間が合うかどうか?

あせっている自分をみせず
にこやかにゆったりと訪問看護さんをご紹介。
看護師さんは自己紹介やらバイタルチェックやらで
利用者さんを安心させ、生活状況や痛みなど聞いて
なかなかメインの医療行為に入られない。
次の訪問先はないのだろうかと、だんだん一緒にいる私が不安になった。

やっと医療行為に入っても
ご本人に痛みやら、利用する持ち物に触ることにいちいち了解を得られる。
この方なら安心して任せられるとホッと胸をなでおろした。

最後に毎週利用してもらうことを納得してもらえた。
さて、問題の訪問曜日と時間も決まった。
ところが、
実はこの方の前に末期がんの人を訪問することになるので
時間が不確かだともらされた。

この利用者さんに限りそのあたりのご理解はむつかしく
きっちり予定時間の訪問でないと受け入れられない。
時間にゆとりのある別の人にしっかり引き継いで
担当してもらうこととなり一件落着。
この看護師さんの指導を受けた人なら大丈夫と思おう。

退出した時には2時間は経過していた。
今日の時間は大丈夫だったのかと聞いたら
やはり次の訪問先へ今から急ぐとのこと。

緩和ケア医の存在を聞いたこともないこの地域で
末期がん自宅療養を選択された人があり
支える訪問看護師さんがあったのだ。
医師はだれかと思わず聞きそうになったが、個人情報。
聞くことはできない。

この訪問看護師さんのゆったりした安心感のわく物腰は
夫を看取った緩和ケア病棟のナースとおんなじだった。

初回なので時間がかかるのは覚悟して来たと言われた。
時間にゆとりを持たせた仕事をさせてもらえる事業所は少ない。
それにしても時間のかかりすぎ。
このステーションではこの超過分は請求しないとのこと。
30分以上の今日の時間はサービスになる。

時間内に仕事を急ぐヘルパーが気の毒だから、
来られる前に出来ることをして待っている、
ヘルパーさんとゆっくり話たいと言う利用者は多い。

時間から時間に追われ、何軒も気づかいをしてこなし
しかも低賃金の訪問介護ヘルパーに
今、一番成り手がない。
このままだと、訪問介護の方は成り立たなくなりそう。
深夜、早朝、僻地を支えていたコムスンがあの状態。
土日に働く人員確保すらむつかしくなっている。
ヘルパーの手配も仕事のサービス担当責任者と言われる人は
みんな疲れきっている。

時間、時間に追われて仕事をさせる介護保険は問題が多い。
ケアされる側が気をつかうようなケアはケアでないだろう。

末期がん患者へのホスピスマインドをもったケアを
すべての人へ提供できて初めて福祉だろうと私は思う。

いい訪問看護師さんに出会った。
だけど、みんなにこれを要求するのは酷だと思う気持ちもわく。
半分、働く人のボランティア精神で支えられている
今の介護の世界はおかしい。

利用する人にも働く人にもやさしい介護保険制度から
改正のお達しがある度にだんだん遠くなる。