陽だまりのねごと

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ヒトラー~最期の12日間~

2007-10-21 07:42:07 | 映画(DVD)
ヒトラー~最期の12日間~スタンダード・エディション

日活

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息子と並んで3時間。最後まで観た。
テレビはドラマでも映画でも大抵、途中でうたたねモードとなり
中盤が記憶から消えていることが多いが
珍しく完全におめめぱっちり。
寒かった所為かな?
途中からエアコンの存在に気がついて、この秋初めて暖房をつけた。
画面のベルリンの早春はもっと寒そうに見えた。

ヒットラー56歳。ヒットラー役が実によく似ている。
だんだん戦局が悪くなると猫背が一段と丸まって自信なさげな様子がうまい。
追い詰められた地下宮廷で、
最後まで自分のことしか考えていない小心者の姿は実像だったのだろうか?
このわがまま者に忠誠を誓ったことにがんじがらめで最後を迎える側近たちの
それぞれの心の揺れと行動の現れ方の違いも興味深かった。
また、日本の場合と対比しながらも見入った。

ヒットラーの口から出た言葉に盲従して
死んでいった膨大な人の数に唖然とする。
どうやって人心を引きつけたのか
どうやって大きな権力になっていった?

権力に盲従して
自分自身のなくなる人たちは
これだけの国家権力ではないにしろ
小さなことなら身の回りに転がっている。

最近も宗教団体の集団暴行があった。
ここまで特異なことではなくても、
『長いものには巻かれろ』
『郷に入っては郷に従え』
そこらにあるある。自分で考えない姿が。

崩壊寸前の極限状態になって人を魅了していた
ヒットラーの像の虚構性がよく出ていた。
実際は軟弱な小心者だったのかも?

自死を決めてから長年の愛人とわざわざ結婚をする。
やさしげに見えてひとりで死ぬことすらできない弱い自己中心性が露見している。
遺体は晒しものにされないように焼けと
幾万人の人の死を招いている事態収拾より、自分の心配だけをしている。

それでも
逆らえない権力の人となったら権力の人なのだ。
戦力の壊滅状態すら信じない大きな判断ミスの指摘すらできない。
言えないことがどんどん事態を悪化させ、多くの人を殺した。

権力が大きければ大きいほど
『ダメじゃん』と思っても言えない
こう言うことってあるよなぁ~と。

こんな歴史上の大惨事も
日常瑣末な事柄の
只のでっかいバージョンでしかない事に
背筋が寒くなった。