陽だまりのねごと

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聖灰の暗号   帚木 蓬生

2008-04-07 07:25:05 | 
聖灰の暗号 (上)
帚木 蓬生
新潮社

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聖灰の暗号 下 (3)
帚木 蓬生
新潮社

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人を救うはずの、今現在、信仰厚き人々の多い宗教が
大量虐殺を行った史実を元に創作されている。

小説は少々ミステリー仕立てで、巻末の主要参考文献の下に

  <本書中の聖書引用は、時代背景などを鑑み、現在発刊されている聖書と
   あえて異なる表現をした部分もある…

ここまでは12世紀13世紀の話だから納得できる事。その後

  …また、本書は『手稿』を含めて創作である。(編集部)>

と、あり
ローマカトリック教会に異端として大量虐殺された史実やカタリ派まで
創作なのかな?とヨーロッパの中世の歴史に疎い私は一瞬、不安になった。

手稿が書かれていたオキシタン語や異教徒されたカタリ派や
その大量虐殺の史実は『嘘』ではなかった。

この火あぶりと言う残虐な方法や拷問の証拠を書き記した『手稿』や
それを世間に公表させまいと暗躍する教会の回し者たちの事が
『創作』の部分だったのだ。

編集部の余計なお世話に、小説の基盤になる『史実』まで嘘かな?
と、思ってしまったのはそそっかしいワタシだけだろうか?


前に読んだ洋の東西を問わず三大宗教を扱った点で同じ↓を思い出した。

国銅〈上〉
帚木 蓬生
新潮社

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国銅〈下〉
帚木 蓬生
新潮社

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あの奈良の大仏に使われている銅は山口の銅山で掘られた物で
大仏を作るにあたっては銅山から人まで奈良に送られた。
移動は船か徒歩の時代。連れて行かれる途中で命を落とす者あり。
労働が終わったらポイ捨てで『勝手に帰れ』無事帰りついた者の方が少ない。

京都の神社仏閣を見てきたところだけれど
あの大木を運び出した人々や建築に携わって
同じく家畜のように使われた膨大な人々の
労力もしくは命によって出来上がっている。
そう観ると信仰の証が別のもの見えてくる。

すべての地上に形となるものを排したカタリ派の方が正統に思えてくる。
帚木蓬生魔術にひかかったかな?

宗教も権力となった時に異質なものになるらしい。
宗教の違いで今も戦争が地球上から姿を消さない。

余談ながら
イラク戦争をやめないブッシュさんが
敬謙なカトリック教徒である事はあまりに有名。

帚木蓬生さんの小説はどれも、
嘘を交え本当より本当らしいエンタテイメントな世界を作り上げて
読み手を惹きつけて、
本当の現実の社会にそれが存在する恐ろしさを知らしめる。



新幹線のお供にちょっと重かったハードカバー。完読。
図書館に返しに行こう。無職生活は図書館が友達になりそうだ。


京都の桜写真アップ

2008-04-07 00:43:30 | Weblog
醍醐寺。
ものすごい人でした。人を入れないように写すのは大変。

  
          
                   
      
             
    

哲学の道も人が右往左往。よーじやでお茶したかったけど何十人待ちで中止。

  
猫グッズの店では看板猫に会えました。            
              





遊び疲れは別もの

2008-04-07 00:12:10 | Weblog
歩け歩け京都の旅最終日。

もう歩くまいの固い決心はどこへやら、
お泊りの宇治川沿いのふじごよみを朝6時にちょっとだけ散歩のつもりで出た。
朝は人も散歩やジョギングの人以外居なくて静か。
空気も生まれたてのすがすがしさ。






宇治神社参門の手水で参拝のワンコ用の容器発見↓




ついでに世界遺産の宇治上神社。
ついでに与謝野晶子の歌碑。
ついでについでにと
戒めていた仏徳山展望台まで登ってしまった。
馬鹿の高上がりとも言う…

小鳥のさえずりが心地良い。
ペットボトルの餌箱が桜の木にぶら下がっていた。
カメラを向けると逃げる。お姿を上手く撮らせてもらえなかった。
10円玉の絵柄の平等院も朝霧橋も高見の見物。





宿のオーナーから地元では大吉山と呼ぶと聞いた。
これからずっと大吉でありますように。


宿を後にしたら、もう宇治は花見客が増えて早朝とは様子が変わっていた。
予定していた源氏ミュージアムもういいや気分になって、京都駅に移動。
京都駅はもう殺人的な人の多さ。
ちょっと手荷物を何とか先にしたいと思うのに
どっこにもロッカーが空いていない!
あきらめて荷物引っさげて移動もイヤだと思ったけど…
新幹線チケットの時間までにはかなりある。
早めランチで座り込んで粘っていたら、むくむくと歩け歩け病がまた再燃。
近くてなかなかとTVで見た渉成園へ根性で行ってみることに。歩くのにホント荷物がじゃま。

東本願寺の改築にも寄り道。
男の子連れの『鳩の餌100円を50円づつ割り勘』と言うのが聞こえた。
良いなぁ~息子にもこんな時間があったら良かったのに。



渉成園は
昨日の醍醐寺、哲学の道、二条城比べたら意外と人が少ない。
せせこましくなくゆったり気分でいい感じ。桜が散る散る。
最後の最後ヒットだったかな?



帰路に思うのに渉成園は初めての景色でない。
誰といつ?京都好きだった亡夫が連れてきてくれたんだったか?

さすがに新幹線内で足が痛い。

我が家に辿りつくと
郵便受けに今日の新聞が入ったまま。
玄関を開けると猫たんのお出迎え。
ウンチのこんもりの匂いの主だ。
猫茶碗方面は半径50㎝餌の飛び散り。
猫の水はすっからかん。

鬱々だった息子の声がちょっと明るい。
細かに正しい運びの会話を要求するアスペチックな応対を強いられるのが
今日はちょっとウキウキ。

  猫の世話ありがとうね。

息子は『おう』と答えて、
宇治生チョコのおみやげをむしゃむしゃ食べはじめた。
もしかすると
朝から何も食べていない?

あわてて夕飯の支度開始。
仕事の後ならこう身軽に動かないのに、疲れるところが違うらしい。

息子も母と煮詰まる日々から解放されていたかな?