がんのひみつ中川恵一朝日出版社このアイテムの詳細を見る |
てのひらサイズで
白地に赤で小さな救急箱みたいな雰囲気がする可愛らしい本。
本のネーミングは『ひみつ』だけれども
『本当』あるいは『真実』が分かりやすく解説してある。
がん告知された人やその家族に、
そしていつがんになるかもしれないみんなに
がんになったと騒ぐことなく
病気をまっすぐに受け入れて治療選択を誤らない常識として
読んでもらっておくと良い感じを持った。
講演でも聞いた話がうまくまとめられている。
医師としても名医であろう中川先生はなかなかの書き手でもある。
人はがんでなくても100%死ぬ。
今の日本人は『死がないもの』と思っているような風潮があるけれど
昔は死をいつも意識していたと西行の歌が紹介されていた。
願わくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月の頃
介護の仕事をしていると高齢者のがん人に多く接する。
がんと聞かなければ分からないほどゆるやかな成長で
体内にがん細胞を持っておられるらしいと言う印象だ。
私は脳梗塞の人の方が生き辛いように感じる。
脳梗塞では命を落とす人より片麻痺の後遺症を残して助かる人の方が多い。
生活全般が不自由となり、痛みが強い人も多く見受ける。
いつか必ず死ぬのなら、がんが良いと先生は書かれている。
夫をがんで見送った私も痛みさえ取ってもらえるならがん死が良いかなと思う。
自分の体だけでしか生きられないがんはその自分の体滅ぼす。
がんはあたまが良い細胞でない。
住んでいる地球を壊している今の人間と同じかもしれない。
と言う
くだりもあり
サミットなんかが日本であった今、旬な本かも。